【NPO書評】コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた
毎月第1・3火曜日の朝に開催されているイベント「ソーシャル・ブレックファースト」でお話を聞いて、「コンセプト・センス」というキーワードに非常に興味を持って購入した本です。
電通でコンセプト・デザイナーとして活躍している吉田さんの書籍です。
「ソーシャル・ブレックファースト」で聴いたお話しもすごく面白くためになりましたが、そのさらに数倍、面白く、参考になる実践が本書に目一杯詰め込まれていました。
そもそも「コンセプト」という言葉はよく使っていますが、実際にコンセプトに関して学んだり、本を読んだりする機会はありませんでした。
そういう意味でも、すごく新鮮でした!
コンセプト・センス 正解のない時代の答えのつくりかた
2024/1/26
吉田 将英 (著)
著者の吉田さんがビジネスの現場で行っている、「人を動かす企画」を生み出すコンセプトデザインの考え方と実践プロセスがとても詳しく、丁寧に解説されています。
よい企画を生み出すには、よいコンセプトが大事ということです。
いわゆるデザイナーやプランナーなどが感覚で作っているのではなく、コンセプトのメカニズムを分解し、具体化するためのアクションが語られています。
吉田さんが提唱する、コンセプトを設計する「コンセプト構文」がいいですね。
インサイト、バイアス、コンセプト、ビジョンの4つから構成されているフォーマットです。インサイト=対象者、バイアス=社会状況、ビジョン=理想を整理していくことで、最適なコンセプトを考えていくというものです。
この本を読みながら、助成金申請書の事業づくりにも役立ちそうだと思いました。
よい事業はわかりやすく説明できるので、きっと、このコンセプト構文で説明できると思います。
コンセプト構文のフォーマットを使いこなすために、吉田さんが様々に実践している工夫や手順なども惜しみなく解説してくれています。概念だけを知ってなかなか使いこなせないノウハウ本もありますが、本書はセルフワーク的に実践できる内容になっているのも、すごく便利です。
NPOの企画作り、事業作りに参考になる本です。
気になった方はぜひチェックしてください。