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【楽曲解説】Slumber(/s)

来ました「Slumber(/s)」。

実はシープの曲で結局どれ好きなの?と聞かれると毎回答えているくらいには自信のある曲。

この曲にも実はモチーフがあって、今となっては知らない人いないであろう新海誠監督の「秒速5センチメートル」から着想を得ている。
(言ったら「コスモナウト」もモロだったな...)

まずタイトルの「Slumber(/s)」ってそもそも何だという話から。

生きていれば幾つも別れ、というのはつきものだけど忘れられない別れって誰しもあると思うんです。

そういう記憶って自分の中でどんどん美化されていくし、思い返すとどこか現実感もなく白昼夢のようだったり。

なので忘れ得ぬそんな記憶を「まどろみの中」として表現するべくSlumberというタイトルをつけた。

ちなみに(/s)の部分は「divide seconds」で、「秒で割る=秒速」という記号的なこじつけ表記であの作品から着想を得たことを示唆していたりもする。

これも初出し情報。
(秒速の訳はper secondsだろと文句つけて来る人はビンタします)

歌詞も実はかなりこだわりがあって。
まずこの曲一聴すると別れの曲、言ってしまえば失恋ソングのように聞こえるけど...

実は具体的な登場人物を示す言葉は一つも出てこない。(僕、君みたいな)

これはある種世間的なラブソングへのアンチテーゼでもあって。

単純に僕、君の記号で二項対立的に描かれる「所謂J-POP的なモノ」にこの曲を留めたくなかったんです。ひねくれ。

あえて登場人物や明確な主語を出さないことで生まれる曲の余白ってのもあると個人的に思っていて。

別れという何度も迎える瞬間瞬間にこの曲を聞いてくれた人がその余白にスッと入り込めて、かつ曲がその度表情を変えてくれるような、

一生添い遂げられるような曲書きたいって心からの願いがそういうとこに集約されてます。

この曲に限らず、聴く人によって表情が変わるようにシープの歌詞は多重解釈やミスリードを仕込んだりしているのでその辺りも気にして聞いてもらえたらとても嬉しい。

この曲まだまだ語れるので気になった方は是非箱で会った時にでも聞いてください。

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