20200413詩「功罪」
深夜から雨が降っていて、
地上に吐き出された悪いものが地下に流れ込んでいく。
かれらは土のなかを通り抜け、
やがて木に吸い込まれ
また空気となってうまれかわっていく。
「今度は嫌われるなよ」
そういって送り出すキミをみて
「キミでよかった」と、
同じように霧に沈む町をみたんだ。
朝方の高速道路は運送会社のトラックばかりで
仕事がある人か、空気の読めない乗用車はまばらだった。
覆面パトカーが路肩に停まって書類を書いていたんだ
トラックを走らせていた僕は
「こういうこともあるんだな」と、
功罪について考ていた。