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4.超絶技巧と反復が本能に快感を訴える = ORIGIN

テクニカル・デスメタルバンド「ORIGIN」は1997年にアメリカで結成されました。動画を見ての通り超絶技巧で一糸乱れぬアンサンブルを聞かせてくれます。人間の限界に挑戦するアスリートを見たときと同じ感動を感じます。どれだけの練習量があればこの境地にたどり着けるのでしょう。

デスメタルは間口が狭く、奥行きの深い音楽です。意味を考えてとらえる音楽というより、聴いていて心地よいか、何かしらの快感があるかで好きかどうか判断するのが良い気がします。メロディーや歌詞を自分の中で受け入れて楽しむというより、ただ音を浴びて感じるジャンルです。もちろん、掘り下げていけば歌詞も意味もメロディーもありますが、最初の入り口の時点では何かすごいな・気持ちいいな・思わず見てしまうな、といった接し方が良いのではないでしょうか。

非常に激しいジャンルの音楽ですが、リズムや音圧が比較的一定しているので聞いていると酩酊効果があります。ただ、そうしたプリミティブな快感に訴える音楽ジャンルだけに、ちょっとしたリズムの差や音圧の差、ミックスの差やボーカルの声質などで合う合わないがはっきり出るジャンルでもあります。

ORIGINはかなりテクニカル要素が高めでメロディーに頼らない純度の高いデスメタルを演奏していますが、他にもテクニカルデスメタルの現役バンドだとDYING FETUSやCRYPTOPSY、SUFFOCATION、MESHUGGAHなどもおススメです。いろいろなバンドを聞いて、自分にとって心地よいバランスのバンドが見つかると、なかなか他では得られない音楽体験を得ることができます。

ダイイング・フィータス(Dying Fetus)はニューヨーク・デスメタルシーンの中心的なバンドの一つで、1991年から活動しているベテランです。複雑で高速な構成の難曲を高い演奏力で聞かせてくれます。

クリプトシーはカナダのバンドで1988年から活動。世界最速のドラマーともいわれるフロ・モーニエを擁する超絶技巧のバンドです。ドラマーの動きがとにかく軽やかで適度に脱力していて無駄がありません。今回は超絶技巧バンドばかりを集めていますが、極めていくと動きに無駄がなくなっていき、武道の達人のようになっていくのが面白いところです。力んでいるとこのスピードは出せないのでしょう

サフォケイション(SUFFOCATION)もニューヨークのバンドで、1988年から活動するダイイング・フィータスに並ぶベテランバンドです。一度の活動休止を挟んで2003年に復活。オリジナルボーカルのフランク・マレンが現役引退を発表し、現在フェアウェルツアー中で来日も行いました。

メシュガーは今までの4バンドと違い、欧州、北欧のバンドです。スウェーデン出身で1987年から活動を開始。曲構成がだんだんと複雑化し、プログレッシブ・メタルやジェントと呼ばれるジャンルにも影響を与えています。

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