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WRENCH/RED ORCA:歌舞伎町爆音祭10周年記念イベント@新宿LOFT 2022/6/2

新宿Loft

Wrenchのライブを観るべく久しぶりに歌舞伎町、新宿ロフトへ。そういえば昔は雑貨屋のLoftと混同していて「雑貨からライブハウスまで手広くやってるんだな」と思っていたのを唐突に思い出しました。なんか関係あったのだろうか。wikiを見ると「旧セゾングループの雑貨店「ロフト」とは全く関係ない」とのこと。そりゃそうですよねー。

関係ないLoft

ちなみに、Loftって「屋根裏」って意味なんですけど、「屋根裏」ってライブハウスもあるんですよね、下北沢に。Dazed And Confused幻惑されるぜ

爆音を待つハードコアピーポー

さて、今回は歌舞伎町爆音祭というイベントの10周年記念らしい。「爆音」ってどれぐらい爆音なんでしょうか。目当てはWrenchでしたが、今日はRed OrcaWrenchのツーマン。実は両バンドともライブ見るのも初めてだし、音源も知らないんですよね。人から「Wrenchのライブは凄いよ」とおススメされて「それならまずは見てみよう」ということで今ここ新宿Loftに至っています。前情報がない状態のライブってワクワクしますよね。最近、せっかくライブに行ける環境にいるのだから気になっている日本のアーティストは「まずは観よう」という風にしています。(海外アーティストに比べると)チケット代も行きやすいし。やっぱハードコアとかメタルとかはライブみるのが一番魅力が分かりやすい。

というわけでワクワクしながら待っているとRed Orcaのメンバー登場。

Red Orca ステージアクションかなり派手

Red Orcaは日本ハードコア、ミクスチャーロック界のスーパーバンドだったんですね。ステージアクションもカッコよかったし、リズム隊が凄かった。ベーシストが超絶でした。カッコよさが伝わるMVがこちら。

Red OrcaはRIZEのドラマーである金子ノブアキを中心に2019年に結成され、ギターは元Pay Money To My PainのPABLO。ベーシストの葛城京太郎はストリートミュージシャンとしてドラマーと二人で全国行脚し、SNS等で話題に。他のメンバーがだいたい40代で、ベースだけ20代(1998年生まれ)。

ボーカルの来門もベテランでキャリアがいろいろあるようです。両親が70年代に一世を風靡したヒデとロザンナとのこと。金子ノブアキも金子マキとジョニー吉永(Charのバンド、ピンククラウドのドラマー)だし、そもそもRizeはCharの息子のJesseがボーカルですし、この辺りの2世ミュージシャン界隈というか、小さいころから交流がある仲間たちのようですね。なんだかストリートで遊んできたんだろうなぁ、という雰囲気。ボーカルがブレイクダンスの心得があるようでステージアクションも決まってました。さっきの曲はややポップ寄りだったので、ハードコア度高めの曲をもう1曲。ライブのラストもこの曲でした。

だいたいRed Orcaのステージは1時間程度で終演。かっこいいステージでテンション上がりました。一度幕が下りてWrenchのセッティングが始まる。ここでセッティングのためにいくつか音を鳴らしているんですが、なんだか耳につきささるシンセ音みたいなのが鳴り響くんですよ。爆音で。ちょっと耳に痛い。とはいえ止む気配がなくシンセ音が続いていく。だんだん音圧が上がってきて止まる。準備ができたようです。幕開け。

Wrench ボーカルはシンセ操作しながらパフォーマンス

Wrenchスタート。めちゃくちゃノイジー。なんというか、ハードコア化したアンダーワールドみたいな感じ。打ち込みがあり、それにツインドラムが重なり、耳をつんざくアナログシンセというかヤン富田みたいなノイジーでうねうねした、サイケデリックなシンセサウンドが乗る。おお、こんなバンドだったのか。もっとミクスチャーとか(少しメロディックな要素もある)ハードコアを想定していたのですが、ボアダムスとか非常階段を連想させる超絶ノイズ、だけどビートが凄く強くてダンサブル(だからアンダーワールドを思い出した)という音像。で、だんだん音量が上がっていく。最初のシンセ音だけで耳が痛かったのに、バンドが全力を出し始めてさらに音圧が上がっていきます。耳はもうあきらめて慣れるしかない。音の洗礼。すさまじい音圧です。いろいろライブ行ってきたけれど、体感としては「今までで一番音が大きいライブ」でした。

なかなか動画だとあの爆音の迫力は伝わりませんが、、、雰囲気はこんな感じ。

一言で言えば「新しい音楽体験をした」という感じ。曲そのものはノイジーながら統制が取れていて、ツインドラムと打ち込みビートによる強力なビート、どこか日本、東京という街の空気感を切り取ったトライバルな音楽、という印象を受けたのですが、とにかく現場では音圧が凄かった。約1時間のライブでしたが最後の方には音圧でちょっと持っていかれましたからね、意識がぼんやりと。サウンドドラッグ。爆音祭の看板に偽りなし。いやぁ、面白い体験でした。

アンコールはなく潔くライブ終演。MCもほぼなく、ココバットとかに近い硬派なハードコアスタイルのライブ。強烈な印象が残りました。

夜の歌舞伎町

外に出ると歌舞伎町の喧噪。それを抜けて家に帰って気が付いたんですが、「ノイズが耳に残っている!」。一晩経って今朝起きてもちょっと耳がおかしかったですからね。飛行機乗っているときのような、「気圧差で耳が押される感じ」が残っていて耳抜きするほど。丸1日経って回復しましたが、これだけ残ったのは初めてです。低音から高音まで音の塊が迫ってきて、自分にぶつかってくる。自分の聴覚が力ずくで拡張される感覚。爆音によるストレス解消効果みたいなものも感じました。一度は体験してほしいバンド・体感してほしい音圧。

単にデシベルが高い(=音量が大きい)だけでなく、広い帯域(低音から高音まで)の音圧がまんべんなく高かったのだと思います。だから音のエネルギーが凄かった。人の耳が耐えられる音圧には上限があるから、その中でどう「体感としての音圧を上げるか」というところが職人芸で、その体感が今までで一番高かったライブでした。ただ、そうはいってもデシベルも純粋に高そうなので耳が弱い人は三半規管やられることもありそう。

なお、一週間で聞いていい「音曝露許容量」という概念があり、爆音を聴いた後は48時間耳を休ませると良いそう。

週に1回は、連続して48時間は耳を休ませる――。そんな静寂がないと、有毛細胞が毛を生え替わらせることができないのです。有毛細胞そのものが、休眠したり死んでしまったりしたら、聞こえを取り戻すこともできません。
健康聴寿な耳のトリセツ

…まぁ、この「音曝露許容量」ガイドラインの10倍以上は余裕で聴いていると思いますけどね! そんな生活を続けて幾星霜、今のところ難聴になっていませんが耳は大切にしましょう。自分の”許容量の存在”を知ることは大切。

それでは良いミュージックライフを。


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