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音楽を聴く環境について
普段、何で音楽を聴いているか。今日はそんな話を書きます。音楽そのものではなく「音楽を聴く環境」についてのレビュー記事といった内容です。あと、オーディオ機器にあまり触れたことがなければまだ知らぬ音楽再生の世界かも。
今、僕はだいたい7つの再生環境で音楽を聴いています。
再生環境
ヘッドホン(移動用)
ヘッドホン(自宅用)
スピーカー(Blutooth)
スピーカー(メインシステム)
スピーカー(ホームシアター)
カーステレオ
スピーカー(iPhone)
今日はそれぞれどんな機材を使っているか、それぞれの長短とその機材を選んだ理由などを書いていこうと思います。
再生環境1.ヘッドホン(移動用)
外で聴くときは基本的にiPhone+ワイヤレスヘッドホンです。使っているのはこちら。
これはコスパが良かった。音楽関連ではここ数年のベストバイかも。ノイズキャンセリング付きなので外でもけっこう落ち着いて音楽が聴けます。家でも「無音」が作れるので集中したいときには使うことも。あと、それなりに解像度が高いのでハイレゾ入門にも最適。ちょっと低音が強調されるのが最近の音楽向けだなぁという感じはしますが、総じて価格にたいして満足度が高い。iPhoneにこれだけ足せば完成するし、ワイヤレスでも今はここまで音がいいんですね。もともと4万円ぐらいだった記憶がありますが(僕はメルカリで3万3千円ぐらいで手に入れた)今は新品で3万ちょっと、お買い得感があります。
初めてオーディオ機器を買う時は3万円って高いような気もしますが、月に1〜2枚CD買っていたような人だとすぐ元が取れたと感じるかなぁと。今までの音源全部がリマスタリングされるぐらいの効果がありますからね。Blutooth接続できるスマホ(ストリーミングサービスは別途必要)があればこのヘッドホン買うだけで環境が整いますし。5年使えばひと月あたり500円です。
長所は手軽なところ、自由なところ(ワイヤーがないので)です。短所は長時間付けているとノイキャンなので圧迫感を感じるところかな。2時間とかつけていると流石に耳が疲れます。なお、運動しながらとか激しい動きには当然ながら不向き。一時期は「走りながら聞く」というのもやってみたくワイヤレスイヤホンも使っていたんですが、単純に危ないのでやめました。ノイキャンヘッドホンだと他にBoseもQuiet Comfortという製品を出していますが、たまたまこちらがメルカリに出ていて安かったのでこちらにしました。その後店頭で聴き比べてみましたがBoseのノイキャンと遜色ない性能だと思います。音の特性は多少違いますけれど、そこは好みの問題なのでお好きな方を。今は値段も同じぐらいです。
コスパ ★★★
音質 ★★
構築難易度 ★
再生環境2.ヘッドホン(自宅用)
ここからはけっこう趣味色強めです。アルバムレビューを書いているときはだいたいこの環境で集中して聴くことが多いです。家族がいるとなかなかエクストリームなメタルをスピーカーから流せなかったりするのでヘッドホンが多くなりますが、密閉型だと耳が疲れるので開放型を探していたところ巡り合ったのがこちら。
これ、定価はえらく高いんですがたまたま新宿ヨドバシの「展示品セール」で半額ぐらいで変えたんですよね。値引き率が高いから買ってみるか、ということで。実は買うまで知らなかったんですよ、グラドというメーカーのことを。グラドは一部ヘッドホンマニア垂涎のブランドのようで、アメリカの小さな町工場のようなところで全部ハンドメイドで作られています。ハンドメイドなので大量生産されておらず割高。使われている部品とかスペックはそれほど高いわけではないのに、全体として「グラドにしか出せない音」があるという不思議な魅力があるメーカーだそう。もともとはレコード針でも有名なメーカーのようですね。そんなメーカーとひょんなことから出会ってしまった。形も面白いんですよ。
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左右に白い瓶の蓋(?)みたいなものがついていて。木でできています。これはオープン型といって音がめちゃくちゃ外に漏れます。いわば耳元に小型スピーカーがあるようなもの。とはいえ、外に漏れる音量はスピーカーで鳴らすのに比べたら小さいですけれどね。あまり音が出せない環境で、それでもピュアオーディオ的なものを楽しみたい人がたどり着く構成。
で、このクラスのヘッドホンを買ったらヘッドホンアンプも試してみたくなり、グラドに合うヘッドホンということでいろいろ検索して見つけたのがこちら。
ハワイのクラフトマンが作っているヘッドホンアンプで、ご本人から直接送られてくるというアットホームな製品。グラドに合うよ、と言われているヘッドホンアンプをさまざまなヘッドホン掲示板やレビューサイトを見ていて見つけたアンプ。とあるレビューサイトでこんな画像を見つけたのも決め手に。
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モデルは違いますがこのアンプとグラドの組み合わせです。サイズ感もいいしどちらも手作り感があるし「これにしよう!」と思って決めました。事前に試聴とかはできませんでしたが(そもそも日本で扱っているような店舗がない)、オーディオショップで試聴しただけでは良く分からないことも多いしいろいろなレビューを見て決めてしまえ! ということでこちらに。そこそこ高いですがこれ送料込みなんですよね。世界中どこでも送料込みの価格。これはちょっと驚きました。今、USからの送料高いですからね。気前がいい(まぁ、そもそも安いものでもないですが)。
あとは入り口、プレイヤーも凝ってみました。これは据え置き想定だったので電話としても使っているiPhoneを毎回接続するのではなく、おいておけるポータブルプレイヤーを導入しよう、と。いろいろ調べてメルカリで見つけたのがこちら。
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完全にデジタルなものは進化が早いからすぐ陳腐化するのでなるべくスペックがいいものを選ぼうと思って、調べた結果スペックに対する費用帯効果なら中国製がどうも一番良さそうなのでこちらを。たまたまメルカリで4万円を切ったものを見つけたので購入。買ってみて思ったのは、中国製は操作が独特なんですよね。スタートボタン長押しで電源が切れるとか強制再起動とかは日本のアンドロイドと同じだと思うんですが、この「長押し」が本当に長い。20秒ぐらいかかります。「壊れたのかな」と思うレベルで長く押さないと反応しない。けっこう操作方法が国が違えば違うんだなぁという発見もありました。後、アプリストアみたいなのが中国製は独特。たぶんGoogleサービスが中国国内から使えないからなんでしょうが、聞いたことのないアプリ(APKPure)がGoogle playの代わりに入っていて、全てのアプリのアップデートをするたびに強制的に広告を見せられるという極悪仕様。それを除けば音質は満足していますが中国製のポータブルプレイヤーを買う方はけっこう使い勝手が違って戸惑うこともあると思います。
これはそこそこ良いDACが入っているので別途DACはつけず、Shangling M6(ポータブルプレイヤー) → アナログケーブル → Hagerman Tuba(アンプ) → Grado The White Headphone というのが自宅でのヘッドホン環境。なお、再生機としてiPhoneとM6を比較したら明らかに音が良くなった(一つ一つの音の分離が良くなり、長時間聞いていても疲れづらくなった)のは書いておきます。iPhoneも今や10万越えの高級機なのでかなり音質も良いですが、このレベルの音楽専用機と比べると音質は劣ります。iPhoneは筐体が小さいのも無理はしているんだと思う。かなり乱暴に言ってしまえば、「大きくて重い方が」音は良くなります。
なお、アナログケーブルはプロケーブル製。
ここ、全体的にテキストが怪しいんですが、店名の通りケーブル類は費用対効果が良くてしっかりしたものを売っている(し比較的安い)ので基本ここで買っています。デジタル出力ではなくアナログ出力なので、ヘッドホン端子からLRに分岐するタイプのケーブルで接続。今のところ満足できる環境です。
結果、中古も活用したとはいえ全部で17万ぐらいになったので、これぐらいの予算があればオープン型の老舗、Staxのシステムもエントリーモデルなら候補にはなってきます。Staxは日本のメーカーです。こちらだと試聴できる環境もオーディオ専門店にはあるはず。オープン型のいいところはスピーカーに近いので長時間聞いていても圧迫感が少なく耳が疲れないところ。短所は持ち歩けないこと。
コスパ ★★
音質 ★★★
構築難易度 ★★
再生環境3.スピーカー(Blutooth)
iPhoneからつなげるブルートゥーススピーカー。旅先にはAnkerの小さいやつを持っていくのですが、普段リビングではこれを使っています。
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これ、本来はギターアンプなんですよ。ギターを弾くときに練習用のトラックを自動生成してくれる(それがウリ)アンプ。トラックに合わせて一人でソロの練習ができる、というものですが、Blutoothで接続できて、普通のトラックも鳴らせるんですね。曲を流しながらギターを演奏する用途。で、最近エレキギターはほとんど弾かなくなって置物と化していたのですが、ある時ふと「これをBlutoothスピーカーにすればいいんじゃね?」と思いついて使っています。さっき書きましたが、基本的に「大きくて重いと音がいい」んですよ。これ、無駄に大きいのでそこそこ音がいい。後、見た目も(ロックンロール的ライフスタイルには)悪くないのでリビングに鎮座しています。だいたい、日常生活の中でBGMとして鳴らすときはこれを使っています。そんなに音は良くないというかもともとアンプなので、ピュアオーディオ的に聞くものではないんですが、適度に存在感もあるし、使わないと邪魔なので使っている、という。BGMにはそんなに多くを求めないので、気楽にiPhoneからすぐ音が流せるこちらを重宝しています。ギタリスト以外にはおススメしませんが、ギタリストの人だと練習用アンプとしても面白い機能を持っているし、Blutoothスピーカーとしても案外使える面白い製品ということで。
コスパ ★★
音質 ★
構築難易度 ★
再生環境4.スピーカー(メインシステム)
これはけっこうゴリゴリなシステムで、いわゆる「オーディオ沼」「オーディオマニア」的な構成。親族からあるタイミングで譲ってもらったものがベースになっています。全部自分でそろえると下手な車より高い。ただ、もう30年ぐらい普通に動いている(僕はセカンドオーナー)なので、耐久性を考えると車よりは安いかもしれません。1年あたりに直すと、、、まぁ、それでもかなり高くつく趣味ですね。
ピュアオーディオシステムなので、再生機器 → (デジタルソースの場合は)DAC → プリアンプ → パワーアンプ → スピーカー という構成になっています。
再生機器は4種類。まずレコードプレイヤー。
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もともとDJ用の機材(ターンテーブル)ですね。DJだとプロユースにも耐えるレベル。これを普通の再生機として1台で使っています。メルカリ(たいてい見つかる)で半額ぐらいで購入。けっこう状態の良いものが手に入りました。このクラスのものは回転も安定しているしいいですね。レコード針は特に交換せず、ディフォルトのまま。
次がCDプレイヤー。
実はCDプレイヤーは別にユニバーサルプレイヤー(Blu-rayやSACDとかも再生できるもの)があって、そちらがメイン。ただ、それはホームシアターのシステムにつなげているのでメインシステムの方はこちら。あと、メインプレイヤーは立ち上がるのに時間がかかるんですよね。動作が早くて安定しているものが欲しかったので業務用(ラジオ局とかスタジオ向け)のものを選んでいます。これもメルカリで2万円弱。ヘッドホンも直接刺せるし、値段も中古で手ごろだしなかなか良いプレイヤー。ただ、大きいので場所を取りますが。オーディオラックに空きがある人向け。
次はネットワークオーディオプレイヤー。
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これはそこそこ張り切って買ったんですけど、動きがもっさりしていてあまり使わなくなってしまいました。ネットワーク上でストリーミングサービスから直接再生できないのもつらい。いちいちCDを取り込むとかデータで内臓HDDに入れる必要があります。一時期はハイレゾ音源を買って内臓HDDに入れて聞いていたりしましたが、手軽さに負けて最近はストリーミングサービスがほとんどに。
で、4つ目。iPhoneです。「ここでiPhoneかよ」というところですが、操作が楽なんだもの。反応も速いし。iPhoneをコネクタでUSB出力に変えて、オーディオインターフェースを通してDACに入れる、という力技を使っています。これはPCでもいいので、いわゆる「PCオーディオ」にあたると思っていたければ。
iPhone10(まだライトニングケーブル)からカメラコネクタでUSBを出します。
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それをオーディオインターフェース向けに変換します。USBのType-AからType-Bへの変換コネクタ。
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そのままではDACに入力できないので(うちのDACは古いのでUSB入力がない)オーディオインターフェースをかまします。音楽制作用のオーディオインターフェースがもともと家にあったので流用。
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で、ここからデジタル出力(コワキシャル)してDACへつなげる、というちょっと複雑な構成。PCからつなげる場合はカメラコネクタが不要ですね。あと、最近のDACなら直接USB入力できるのでオーディオインターフェースは不要。
ここまでが再生機器です。次はDAC、デジタル信号をアナログに変える機材ですね。デジタルアナログコンバーター(DAC)、通称ダック。
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1999年発売のモデルで、うちにあるのも00年代初頭に生産されたもの。まだデジタル黎明期なので入力が20bit/48Hzまで。この当時としてはものすごくハイスペックだったと思いますが、基本的にはCD想定。CDしかありませんでしたからね。CDは16bit/44.1Hzなので、ややオーバースペックにして余剰を持たせた製品。メーカーはMcIntosh(Iは「i」の大文字)。パソコンのマッキントッシュではなく、オーディオにもマッキントッシュというメーカーがあって(綴りが違う)、その筋では有名な趣味性の高いブランド。これがDACです。製造から20年以上たった今も元気に稼働中。
次がプリアンプ。McIntoshのC34V。
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1986年発売開始のモデルで、CD全盛期の製品ですね。うちのものも90年代のプリアンプ。Phono(レコードからの入力)端子もあるので、レコードプレイヤーからは直接プリアンプに接続しています。レコードは最初からアナログですからね、DACを通す必要がない。それ以外はDACを通ってプリアンプに接続されます。一応5バンドのイコライザーがついていて、ラウドネスとかリミッターの調整もついている、簡易エフェクターみたいなことができる作り。入力にVCR-1、2というのがありますがVCRはビデオカセットレコーダーの略。当時はまだビデオテープの時代でしたが、ホームオーディオの再生機器がいろいろ増えていく中でオーディオセンターとしてあらゆる入力ソースの信号を受け止めようという設計思想が見て取れます。これは今のホームシアター向けオーディオの先駆的思想。ただ、時代が時代なのでサラウンドはなくステレオ出力だけですが。
そしてパワーアンプ。McIntoshのMC7300。
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左右でそれぞれ音量調節ができるのが面白い。こちらは1991年発売。CD全盛期ですね。だいたい30年前のラインナップ。パワーアンプってあまり壊れないのでバリバリ現役稼働中です。
最後が音の出口、スピーカー。JBLのS101。
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ちなみにこの前の木製グリル(格子)は着脱可能で、外すとこんな見た目になります。
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外した方がスピーカー感はありますが、僕は格子をつけたまま使っています。昔のJBLはこのデザインがトレードマークでした。日本のSunsuiもレプリカを出すほど。昔の映画館をイメージしていたんでしょうかね。もともとJBLの歴史は劇場用スピーカーから発達したので。今でもジャズ喫茶とかに行くとJBLのパラゴンが鎮座していることがありますが、これなんかまさに劇場用の発想を家庭用に持ち込んだものですね。
で、これらの間をつないでいるのは基本的にベルデンのケーブル。パワーアンプからスピーカーはウェスタンエレクトリック(WE)のものです。電源タップやケーブル類は先ほど書いたプロケーブルでそろえました。こういうオーディオアクセサリーを変えてみるのはなかなかワクワクします。オーディオ趣味の醍醐味。
これがメインシステムですが、普段はあまり使っていません。ヘッドホンで聞くか、BGMならBlutoothスピーカーで流してしまう。夜、レコードをじっくり聞きたいときに使うことが多いですね。エクストリームメタルをこのシステムで鳴らせる機会はなかなかない。すぐ家族からクレームが来ます。だいぶ古い、90年代メインのシステムなので今のハイレゾ指向とは別方向ですし、低音が強いというよりは中音域が強調された音作りですが、やはり独特の味わいがあって好きです。というか、このクラスになると「聴きなれた音」に自分の嗜好が調整されていく気もします。僕の中の音のリファレンスになっているのはこのシステム。良くも悪くもリファレンスなので客観視できませんが、コスパという点で言えばピュアオーディオは悪いです。生産数が限られるので大量生産できないからコストが跳ね上がるし。高級車みたいなもの。値段が10倍になっても性能が10倍にはなりません。
コスパ ★
音質 ★★★
構築難易度 ★★★
再生環境5.スピーカー(ホームシアター)
メインシステムの他に、ホームシアター、いわゆるサラウンド(ウーハーは入れていないので5.0ch)があります。というか、もともとホームシアターがメインシステムでそれを拡張していたんですが、ひょんなことからメインシステムを親族から手に入れたんですよね。なので、こちらがもともと自分が組んでいたメインシステム。構成はユニバーサルプレイヤー → AVアンプ → スピーカー という構成です。
まずはプレイヤー。DenonのDVD-A1UD。
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2009年発売で、発売された問いは「世界初のブルーレイ対応ユニバーサルプレイヤー」だったんですよね。CDはもちろんDVD、ブルーレイ、SACD、DVD-Audioが再生できる、「当時の音楽ソフトの全フォーマット」が再生できるプレイヤー。その後、プレステ3も全部再生できるようになりましたが当時としてはこれが初だし、デノンとしてもフラッグシップモデルとしてかなり力を入れていました。ヨドバシの展示品が安くなっていたのを買った記憶があります。だから2010年か2011年に買ったのかな。店頭展示を入れ替えるタイミング(つまり後継機が出た)で展示品セールが出るはずなので。買ってしばらくしたらディスクドライブに不調が出ましたが保証期間内だったので無償修理。したもののそこからまた半年以内にドライブがおかしくなったので新品にドライブだけ交換してもらい、それからは快調に動いています。展示品はけっこう酷使されるので、いちばん弱いディスクドライブ(構造的に回転しているしパーツも多くて壊れやすい場所)がやられるんでしょうね。保証期間内の故障で2回とも無償修理してもらえてラッキーでした。
このプレイヤーからAVアンプへ。同じくDenonのAVC-A1HD。
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これは上記のDVD-A1UDよりちょっと前(2008年)に出たんですが、当時のオーディオショップの展示では一緒にセットで「Denonのホームシアターフラッグシップ」として評価されていた気がします。
買ったのはプレイヤーの方が先。当時、SACD(スーパーオーディオCD)やDVD-Audio(DVDに音だけを記録した高音質の規格)が出ていて、自分の中でブームだったんですね。単に高音質というだけではなくてサラウンド(5.1ch)のサウンドが入っていた。Queenの「オペラ座の夜」とかもサラウンド化されて、音の渦に飲み込まれる感じがして「すげー!」と。最初は安価なSACDプレイヤー(Pioneerの3万円ぐらいのやつ)を買って、そこにDenonの5万円ぐらいのAVアンプをつなげて、部屋(当時は八畳一間のワンルーム)の四隅にスピーカーを置いていました。ちょうど「ホームシアター」「サラウンド」が流行っていた時期だったんですよね。で、上のプレイヤーが展示品割引されていたので「これだ!」と思って買って、しばらくして「やっぱりアンプもそろえたい、あの頃展示品で組み合わせていたハイエンドをやってみたい」と思って後からAVアンプもこちらにアップデートしました。SACDって規格的にデジタル出力できない(コピー防止のため、プレイヤー内でDACに強制的に通されて、アナログでないと出力できない)んですが、同じメーカー同士だと暗号化されてやり取りすることができる。Denonの場合は「Denon Link」という規格があって、それをするとSACDがさらに高音質!みたいな謳い文句もあってワクワクしたんですね。そんな思い出の機器。このプレイヤーとAVアンプははじめて自分で買った高価なオーディオ機器なので思い入れもあります。
スピーカーは同じものが7つ。BoseのModel 121です。
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これは社会人になったとき、就職祝いにプレゼントしてもらったスピーカーなんですよね。最初の「ちゃんとしたオーディオ」との出会いというか。その時からずっと使っているのですが、当時ちょうど中古相場で手ごろで(2個セットで2万円ぐらい)そろえやすかったんですよね。ずっと使っているので音もなじみがあったし。あとはけっこうヒットしたのか、中古オーディオショップにも在庫が多くてそろえやすかった。そんな理由からこれが家に6機(1機は予備)あります。もしまだ手に入るならBoseの入門機には手頃でいいスピーカーだと思います。
構成的に最初はウーハー(0.1ch)も入れていましたがうるさいので外しました。映画にはいいんですが、もともとBoseは低音が強めにでるので音楽鑑賞にはバランスが崩れるんですよね。近所に響くし。なので現在は5.0chです。ライブビデオを見る時は活躍中。結局音楽はステレオで十分という発見と(耳は二つしかない)、ストリーミングで新しい音源を掘ることが圧倒的に増えたのでSACDやDVD-Audioはあまり再生しなくなりましたが、ライブのBlu-rayやDVDは今でもちょくちょく見ています。スピーカーとの回線が違うのでメインシステムとは別系統。
ホームシアター黎明期の製品なのでスペックは現行機に見劣りしますね。とはいえこの時代のフラッグシップ機なので随所にDENONの挑戦が感じられる機種です。もちろん音もAV機器ながらピュアオーディオのクオリティ。デジタルのチップはすぐ進化しますがアナログ回路の部分はそうそう進化しないので高級機の物量(大きい、重い)は音質面ではなかなか陳腐化しません。短所は機能を詰め込みすぎたのか立ち上がりまでの時間が長いことと、多分機構が複雑だからでしょうがドライブが故障しがちなこと。2回壊れたのでトラウマになっていてなかなか気軽に使えずCDプレイヤーを別に買うことになりました。メーカーの実験的精神を感じる機種なので癖が強くあまりオススメはできませんが、それゆえに不思議な魅力がある製品。まぁ、自分の持っているものには愛着が湧くし、愛着があるから使っているわけで。
コスパ ★
音質 ★★
構築難易度 ★★
再生環境6.カーステレオ
これは音楽機材ではありませんが、車を運転するときは音楽を聴くのが楽しみですね。ディフォルトのスピーカーで特に改造していませんが、ドライブというシチュエーションもあって音楽が楽しめます。朝、昼、夜という時間帯、どんな場所を走るか、どんな天気か、変化していく外界のBGMとして音楽が機能するのが好きです。あまり運転そのものは好きではないのですが、音楽を聴く空間として車が好きです。
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コスパ -
音質 -
構築難易度 -
再生環境7.スピーカー(iPhone)
いろいろ書いてきましたが、けっこうiPhoneのスピーカーで聴くことも多い。特にnoteの記事を読む時ですね。iPhoneで人の記事を読むことが多いですが、文中の音源とかはiPhoneでそのまま流してしまうことが多いです。やっぱり気楽って大事ですね。そこで「おっ」と思ったものは後でヘッドホンでアルバム全体を聞きなおす、みたいなことをしていますが、最初の出会い(試聴的なもの)はiPhoneで聴くこともけっこうあります。小さいのにそこそこきちんと鳴りますよねiPhone。
コスパ ?(音楽専用機ではないので)
音質 ★
構築難易度 ★
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まとめ
以上、2022年現在の再生環境をまとめてみました。人それぞれ音楽を聴くシーンや機材は違うと思いますが、僕の環境は今はこんなものを使っています。機材を変えると音質が変わるし、それによって音楽の体験も変わるのが面白いところ。音楽のある暮らしとは、つまるところ再生機器がある暮らしだし、さまざまな再生機器を使い比べてみるのも楽しいものです。高い機材が音がいいというわけでもないし、ライフスタイルに合わせた機材がいろいろとあるので今は選ぶのが楽しいですね。ブルートゥーススピーカーが今は一番多様に進化しているかも。デザイン家具みたいなものもたくさんあるし、ワクワクします。
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それでは良いミュージックライフを。
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