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Black Sabbathが去って行く ヤァ!ヤァ!ヤァ!

Black Sabbathの最終公演が発表されました。

1970年、Heavy Metalの原点にして原典と言えるバンド。一時期リユニオンを行い、その時点でファイナルショウを行っていたのですが前回はオリジナルドラマーのビル・ワードが不参加。今回は、4人のオリジナルメンバー全員がそろってのラストライブとなります。

1970年のサバス(上)
現在のサバス(下)
出典

ここ数年、オジーオズボーンはパーキンソン病に苦しんできました。ツアーは延期に次ぐ延期。本当な2019年、Download Japanのヘッドライナーとして来日しているはずでした。

だけれど病により公演できず、急遽Judas Priestが代替ヘッドライナーに。

この頃からほぼライブもできず、闘病生活に入ります。

その後、レコーディングはできるまで復活し、2枚のアルバム「Ordinary Man(2020)」と「Patient Number 9(2022)」をリリースしたもののライブへの本格復帰は遠く、2022年にはいくつかイベントで数曲披露したものの、補助に支えられてのパフォーマンスでした。トニーアイオミと演奏したライブがこちら。

オジーの本格的な引退の前に「最後、Black Sabbathのオリジナルラインナップで一度演奏したいんだ。前回のリユニオンはビルワードがいなかっただろ。オリジナルメンバーで最後に一回ショウをする、それがかなえばいいと思っている」とたびたびインタビューで述べていましたが、今回はそれがかなった形。

2013年、オジーが復帰したBlack Sabbathのアルバム(にして現在までの最終作)「13」のオープニングナンバーは「End of the Beginning」でした。

その歌詞は

Is this the end of the beginning?(これは終わりの始まりか)
Or the beginning of the end?(それとも始まりの終わりか)

でスタートする。オリジナルラインナップ=beginningのリユニオンでありBlack Sabbathの終わりでもある。そうした曲でスタートし、ラストアルバムとして終焉を迎えたわけですが、今回オリジナルドラマーのワードが参加したことにより本当のBeginningに戻ってきた。だからショーのタイトルがBack to the Beginningなわけです。

おそらく最後となるショウのタイトルが「Back to the Beginning」というのはいいですね。長い時を経て始まりに戻る。円環。

7月5日はバーミンガムは大騒ぎになるでしょう。会場は4万人ぐらいのキャパのようなので即完売でしょうね。さすがに現地には行けませんが中継チケットが出たら買いたいと思います。

しかしメンツが豪華です。

Metallica、Slayer、Panteraといった大御所に加え、今年グラミーを取ったGojiraやAlice In Chains、Halestormといった「90年代、00年代、10年代のメタルバンド」もしっかり配置。Lamb Of Godといった激烈なバンドも加え、メタルの新旧、Black Sabbathのバトンを引き継いでいくミュージシャンたちから選ばれた代表者たちがが介する一大イベントです。Perfomances Fromとあるのでそれぞれのバンドのショウが続く通常のフェスではなく、さまざまなバンド達がゲストを迎えて数曲づつ演奏する、Live AidやFire Aid的なイベント色の強いものになるのでしょう。

しかし、スラッシュ四天王の中でMegadethだけ呼ばれていないんですね。やっぱりまたMetallicaと喧嘩してるのかな。Big4ツアーで和解したものの、「やっぱり嫌い」みたいな感じなのでしょうか。あと、AnthraxがHalestormより下なのは少し驚き。上の3組はわかりますが。

また、盟友とも言えるJudas Priestが今回は不参加。代わりに脱退したK.K.downingが「Additional Performance From」のところに書かれています。JPとKKは仲たがいしていますが、Black Sabbathのメンバーにとっては両者とも旧友。JP、ロブハルフォードとは何度も共演しているから、最後はKKに華を持たせたというところでしょうか。

ただ、JPはめちゃくちゃ活発にツアーを回っていて7月5日はドイツで自分たちのライブをやっているんですよね。シンプルに予定が合わなかったのかも。KKは参加できてよかった。バーミンガムを代表するメタルバンドの2つ、Black SabbathとJudas Priestのそれぞれのオリジナルメンバーが最後のステージに立つのはSabbath史の締めくくりにふさわしいと思います。

1970年、バーミンガムから響いた不吉なトライトーンがその後の音楽シーンと多くの人生を変えてきました。

それから55年。ついに暗い日曜日が終わります。The Beatles解散の年に現れたBlack Sabbathが去って行く。ヤァ!ヤァ!ヤァ!

しかしこれは終わりではなく、新たな始まりです。なにしろ彼らは始まりに戻る(Back to the Beginning)のですから。2025/7/5、メタル史の一つの章が終わり、新たな章が始まる。

それでは良いミュージックライフを。

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