KREVAとMACCHOの未知の先、初めてZORNと出会った日
4年ぶりにnoteを書いています。
突然ですが、僕は1988年生まれの34歳で、
普段は音楽も全然聞かないし、HIPHOPも全然知らない人間です。
家でYouTubeのレコメンドの流れに身を任せていたら、1本のHIPHOP映画を見たんじゃないかなっていうくらいに感動してしまったので、誰かに聞いてほしくなってnoteに書いてみようって思いました。
序章:僕の青春時代
中学時代に聞いていた音楽は「KICK THE CAN CREW」「RIP SLYME」「Dragon Ash」だった。当時はカラオケで友達が歌ってる曲を聞いて「何それかっけーじゃん!」的なノリで音楽を楽しんでいたし、そこで知るものはだいたいテレビ(=当時のJPOPシーン)でも積極的に流れてた。
彼らはアンダーグラウンドのHIPHOPをJPOPのメジャーシーンに牽引してきた存在だったらしい。
そんな彼らは、キングギドラの「公開処刑」で商業主義的なスタイルを痛烈にディスられたりしてて、ラップで罵り合いするカルチャーにドキドキして当時14歳だった僕にはぶっ刺さってた。
KICK THE CAN CREW解散後のKREVAとOZROSAURUSのビーフもあった。
詳しい人からすると、日本語ラップ界伝説のビーフらしい。
それが今回の発端となるOZROSAURUS「Disrespect 4 U feat. ZEEBRA」
のパンチライン
慶應出身のまさにエリートのKREVAを暗にディスる。
KREVAは「THE SHOW」でアンサー。オジロの曲の歌詞を引用しアンサーを返す。
オジロは「THE SHOW」のサビ」の「one for the money, two for the show, three for the people みな調子どう?」を引用して「1 for DA 何? 」という曲でアンサー。
KREVAはそれに対してSEEDAの「TECHNIC feat. KREVA」でアンサー。
ビーフの流れはざっくりこんな感じです。
詳しく知りたい方はぜひこちらの動画をご覧ください。
第1章 「OZROSAURUS / Players' Player feat. KREVA」
そんな2000年代のHIPHOPのビーフなんて忘れかけてた今(2023年)になって、YouTubeに突如現れた「Players' Player」のPV。出会った時にはこの曲がリリースされてから2ヶ月は過ぎた頃だった。
最初はビーフのことすら忘れてたから「懐かしい二人が曲出してて胸熱やんっ!」て気持ちで見始めた。
開始早々…
いや、ちょっと待って待って!オジロさん何言ってるか全然聞き取れんっ!
黒帯呼吸法を手に入れてるやんまじで…!!!
もうなんか世界観えぐいなぁ〜〜〜….と思って聞いていると懐かしいフレーズが飛び込んできた。
え...?これってそゆこと!?
ここでやっとこの曲が二人のBEEFの先にあった曲だということに気づく。
正直HIPHOP素人なので初見ではオジロが言ってる部分は全然聞き取れなかったけど、「1 for DA 何?」の思い出が一気に蘇ってきた….
鳥肌まではいかないけど、変な脇汗が出た。まじで。
KREVA…
KREVAも本気だしすぎだろまじで〜〜〜〜〜
早すぎて素人には聞きとれないよーーー!!
とりあえず歌詞も見ながらもう一度…
最初に聞いた時はマジで「練り片栗粉カタクリコッ!」って言ってると思った。正解はすごい韻踏んでた。
下町の商店街を歩く(=アンダーグラウンド)オジロと大型の商業施設(メジャーシーン)で歌うKREVAがビルのてっぺん(=目指してきた山の頂上)で一緒に歌ってるっていうPVの作りには感動した…
オジロは車に轢かれそうになってるし、天気悪いし。
でも、その感じもまたクールだよね。
※補足
曲の凄さを素人が云々いってもヤボなので、ぜひプロの解説を聞いてほしい。
・晋平太による楽曲解説
https://www.youtube.com/watch?v=406AMyNtLeY
・韻について素人な僕にはこの動画もわかりやすかったhttps://www.youtube.com/watch?v=vrhHhLLQXBI
第2章 KREVA SPECIAL INTERVIEW「Players' Player について」
この休日に見た2本目の動画はこれ。
この中でKREVAはあの伝説のビーフにつては否定していて、
周知の事実として聞くインタビュアーの人との微妙な空気感がハラハラして楽しいし、オジロとの楽曲制作の経緯や背景が語られている。
Players' Playerというのはサッカーの世界ではプレイヤーが選ぶ優秀な選手のことらしく、なるほどなぁ!
KREVAのバースで言いたかったことは、俺はMVPでありPlayers' Playerでもあるし、だから孤独なんだぜって意味が理解できた。
個人的には、このオジロ(=マッチョ)とKREVAの関わりを作ったAll My HomiesのZORNという存在にっめちゃくちゃ興味をそそられた。
第3章 初めてZORNと出会った日
3本目に見た動画はこれ。
ZORN何者1?ってなった僕は、たまたま調べてZORNとKREVAの対談に至る。
2021年9月に収録されたものだった。
この動画の衝撃は、なんと言ってもZORNが自分と同い年の人がKREVAとオジロを繋げていた衝撃だった。
めちゃくちゃ落ち着きのあるイケメン好青年で、自分と同世代で、KREVAに一目置かれる存在になってて、23歳という若さで2児を持つパートナーと結婚して子育しながら塗装工の仕事もやって音楽やってるってんだからすげぇよなまじで。
この動画で音源カットされていたKREVAがおすすめしていた
ZORNの「 Letter」がこちら 。
開始早々に胸が熱くなる…
独身34歳いまだに何者にもなれていない自分の顔面をブン殴られたような感覚だった。「過ごした時間は血よりも濃い」くはぁああああああ!!
ZORNという男の人間性に惚れ始めていた…
ZORN / My life
塗装工の仕事まじでしてるし、車も家もすごくリアルで、だけどめちゃくちゃ幸せそうで、目の前の幸せを噛み締めて生きていきたいなってそんな気持ちになる一曲。
しかし、この後少しずつZORNの見え方は変わっていく
ZORN / Rep feat. MACCHO
オジロ(=マッチョ)との楽曲。
あれ?なんか印象変わった?結構ガチ系のヤンキーなの?
てかモザイク入ってる人いるし…歌詞の中にも結構お薬の話題もでてくるし…
なんか俺…結構ZORNのこと勘違いしちゃってたのかな?
もう少し君のことを教えてほしい。
そう思ってたどり着いた「家庭の事情」。
ここでさらに衝撃の告白をされる。
ZORN / 家庭の事情
壮絶な幼少期を過ごしてきたことを知る。
戦後の日本とかの話じゃなくて、同い年の人間の話だと聞くと、見てきた世界がまるで違うことを知る。
最終学歴は少年院を首席を卒業。みたいです。
KREVA /タンポポ feat. ZORN
そしてついにKREVAとのfeaturing。
その前に2020年にZORN / One Mic feat. KREVAという曲も出してるんだけど、やっぱりKREVAで育ってきたからこっちの曲のほうが推しです。
とにかくサビで「タンポポォ〜〜」ってのに対してカッコよく返すZORNがたまらん。冷静に考えると「タンポポォ〜〜」って響きだけでおもろい。
コーヒーだけでどんだけ引き出しあんだ…
タワマンよりエメマンはカッコ良すぎる。
少年院卒のZORNと慶應卒のKREVAが肩を並べて
志を語ってんだからもう最高ですよね。
ということで次はこの楽曲の1時間半に渡る解説。僕自身はラップにも韻にも全く造詣がないですが、同じ物を作ることを生業にしてるからなのか、めちゃくちゃ興味深く聞いてしまいました。
いやもうとにかく二人が楽しそうに、自分たちの作品への愛が溢れてきて、聞いてるこっちまで幸せになってしまう動画でした。韻の踏み方とかって色々あって本当に面白いんですね。
ちなみにZORNは目標としていた日本武道館での単独公演もしたらしいんだけど、そん時に演者でもない地元の仲間をステージに上げて、日本武道館を出禁になったらしいです。
「In The Neighborhood」という楽曲の中ではこんなリリックもあるらしい。
「洗濯物干すのもHip Hop」とのギャップが半端ないって…
最後に紹介する動画は日本武道館の次に行われた横浜アリーナのZORN / Letter
ここまでの成り上がりまでがこのドラマのエンディングになります。
以上で僕の休日の日記を終わりにしたいと思います。
そもそも普段から音楽たくさん聞くタイプじゃないから、周辺知識とか全くないないけど、これからZORNのことゆっくり知っていきたいと思ってます。
休日YouTubeで知るのもHip Hop!