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『SeaBed』新作発表について
先日、『SeaBed』の翻訳・移植版に関わっているFruitbat Factory社より、本作のオリジナルオーディオノベルコレクションが今冬発売されるとの発表があった。予定通り発売されれば、2020年3月19日に『SeaBed』がSwitch版に移植されてからおおよそ3年近く経ってからの新作ということになる。そもそも、本作が最初に発表されたのがDLSite版の2016年の1月ということを踏まえると、6年の歳月が流れたことになるが、今でも『SeaBed』は多くの―人によっては何度も―プレイされている。
パレオントロジー&フルーツバットファクトリー共同制作のボイスドラマ作品「SeaBed Audio Novel Collection」発売決定!
— Fruitbat Factory (@FruitbatFactory) September 17, 2022
佐知子役は #近藤唯 さん、貴呼役は #松井恵理子 さんにご担当いただきました。
■作品紹介https://t.co/uBdzGX5WDv
■TGSスペシャルトレーラーhttps://t.co/bR7xy4UJY3
正直に言えば、オーディオノベルというあまり耳慣れない形式での新作発表は、個人的には手放しに喜べるものではなかった、というよりも、企画そのものに対して懐疑的とならざるを得なかった。以下、三つの点に絞った上でその疑問を要約してみた。
①佐知子と貴呼それぞれに声が付いたのはおそらく喜ばしいことなのだろう(調べてからかなり名のある方だと知った)が、あまり合っているとは感じなかった。そうした印象も込みで、ナレーションも違和感があった。おそらく、このナレーションの存在をして「オーディオノベル」という形式たらしめているのだろうが、どういった目算なのだろうか、と企画者の意図を図りあぐねた。
②イラストもより大衆受けしそうな絵になり(私はAKIRAさんの味のある絵がとても好きだったからこの点も残念だ)、さらにオーディオノベルという形式上は、佐知子や貴呼の立ち絵も表示されないのだろう。
③加えて、ストーリー自体も、佐知子と貴呼の「高校時代」に焦点が当てられており、言ってしまえば挿話的で、本編の枠を広げるというよりも、その枠内に収まってしまうような話の展開しか望めないのではないかという点も気になる。せっかくの新作なら『SeaBed』本編に一度だけ名前が挙がった「沢渡アンネリース(アン姉)」の話とかもあれば良かったのに、と思ってしまう。
……と、本当に企画そのものに疑問符が付く形になってしまった。個人的には①完全な新作―とはいえこれは予告の段階でないことが分かっていたが―か、アン姉や本編ラスト付近に出てきた楢崎&梢が登場するような、②『SeaBed』のサイドストーリー、あるいは③文庫化のいずれかが望ましかったように思う。本当にいわゆる「お気持ち表明」になってしまったが、それでも『SeaBed』の新作それ自体はやはり素晴らしいことに変わりはない。ここしばらく聖地巡礼記を書いていなかったが、大阪編、福岡編、立山黒部編に加えて、先日の引越しによって東京編も巡ることができたため、逐次書いていきたいと思う。
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