10時間歩いて謎を解いたりした日
給料日の翌日、土曜日、快晴!!!!!!
こんな日に外に出なくてどうする!!!!!!
今日の俺は最強!!!!!!!!!
金夜のイベントでレッドブルを飲み過ぎたせいでぜーんぜん寝れなかった。しょうがないからそのまま早起き。カーテンを開けると空は雲一つない快晴。青すぎる。若者のすべて。
せっかくだから特に予定を決めずに朝10時に家を出た。
とりあえず近くのカフェがやってるモーニングで休日を感じながら今日の予定を立てる。なにしよう。あーー、そういえば大阪メトロ乗るときに謎解きの張り紙みたいなのがあったな。
気になる。
調べると去年始まった企画で、今月末で終了するらしい。やばいじゃん。
やるしかね~~~~~~~~。
思い立ったが吉日
ナンプレおばあちゃんと新聞おじいちゃんを横目に会計
謎解きセットが売ってある梅田駅のローソンに直行
議事録みたいな体言止め※1をしている間に手に入れました謎解きキット。
思ってたよりデカイ。持ち歩き前提だからポケットサイズかと思ったら全然A4よりデカイ。リュックで来てて良かった。
※1議事録なんか録音も作成も全部AIにやらせなさい。
彩度が高いデザインだから持ち歩くのが恥ずかしくて急いでリュックにしまって足早にその場を離れた。改めて考えるとこの動きのせいで余計にいかがわしい本を買った人みたいになってしまっている。
近くのベンチに座って謎解きの全体像を把握する作業に取り掛かる。
目の前には休日の梅田駅の人流(じんりゅう)が夥しく流れており、ポスターと同じデザインのファイルを持っている人への好機の目線をやや感じるが、知らない。俺はこれから大阪の新人探偵になるだけなのだから。
どうやら謎を解くために大阪のどこかに実際に向かう必要があるパートが3種類、その3種類をクリアした後に家で解くパートが1種類、の計4パートあるらしい。想像よりもボリュームがあって驚いた。周遊パートの完全クリアを目指すだけでも最低6時間くらいかかるらしい。
ふーん。おもしろそうじゃんか。今日は特に他にする予定もないから1日で全部解き切ってやります。燃えてきた。
順番は推奨ルートをそのまま辿るように、青(歴史探偵編)→赤(食い倒れ探偵編)→紫(アート探偵編)で行くことにした。
どうやら次の目的地を知るための最初の謎を解いてから行動しなければいけないらしく、さっそく解き始めた。
物語は新人探偵である主人公(わたし)と、それぞれパートごとの担当探偵と、その依頼人の3人の会話で進んでいく。1つ目の物語は歴史探偵の話で、歴史にまつわるスポットを巡るらしい。いいね。
公共機関の全年齢対象の謎解きだからかキャラの喋り口調が常に変なノリで「コラボ企画っぽさだなぁ」と感じて嬉しくなった。こういう挑戦はどんどんされていって欲しい。こういうのは質より熱だから。
最初の問題ということもありあっさり解けた1問目の回答に従って「淀屋橋駅」に向かう。謎解きキットには「大阪メトロ1日乗り放題券」も付いて移動にいるため、なんと移動にはお金がかからない親切設計。あとで計算したところ全ての移動費は1500円くらいになったので、謎解きキット自体の価格は1500円くらいになる。後々体験するこの謎解きのクオリティで1500円は正直安すぎる。
新しい場所を歩くときに音楽を聴いているのはもったいないと思ってイヤホンをリュックに閉まっているうちに淀屋橋に到着。まあ梅田から1駅だし。乗り放題券なかったら歩いてた。
ホームから改札に上がるエスカレーター、地上に上る階段までしっかり案内されていて、かなりストレスフリーな設計になっている。
手間に耐えてよく頑張った!感動した!
こういうUIが整っていないコンテンツってめちゃくちゃあるから本当に偉いこと。
「右手に1番線、左手に2番線がある状態で一番端のエスカレーターを上がり、」とかもはや「意地でも迷子にさせない」という気概を感じる。
その気概を感じつつも堅い道案内さとカジュアルな謎解きの物語の空気感を共存させていてライターの手腕が光っている。ありがとねほんと。
謎解きコンテンツって誰でも参入できる企画だからこそ作りが甘くなって「謎」以外の部分でストレスを与えてしまう設計をされがちなんだけど、この企画は全くそんなことがなくて、謎のクオリティにも期待してしまう。かかってこい。
淀屋橋に着いてからは街中に点在しているとあるモノとそれに関連する文章をヒントに謎を解いていった。
企画終了最後の週末だからか、意外と同じファイルを持った人がたくさんいた。ヒントっぽい場所に近付くと人だかりができていて面白かった。
お互いがお互い、他の人が見えていないかのように「あ、ここがヒントポイントなんだ~~」とわざとらしい態度でヒントポイントにたどり着いていて面白かった。もちろん俺もそうしていた。
こういう時に「なんだよ答えバレバレじゃん」と思うこともそれを態度や声に出すことは簡単だけど、誰もそういうことをせず温かくコンテンツを楽しんでいる景色にほっこりした。改めていい土曜日だ。
勝手に温かい仲間意識を感じている中、こっそり競争意識も持っていた俺はスタスタと謎を解き次の駅に向かう。他の人は友達や恋人、家族と楽しんでいるのにね。
人だかりで答えがメタ読みできるとはいえ、最終的には現地のヒントを頼りに筆記で謎解きをしなくちゃいけないのでキーワードは自力で求めなくちゃいけない。人だかりというメタ要素がヒントのヒントにしかならない部分に、観光PRだけできればいいという気持ちを一切感じなくて熱い。
そして指定された次の駅、谷町四丁目へ。
この駅は初めて来た。マップをわざわざ開いていないからここがどこか分からない。でも「自分がどこにいるかわからない状態」って令和で体験することってあんまりないから敢えてマップは見ずにいた。
謎解きですぐに「北に歩いて大阪城の修道館に向かえ」と指示されてすぐに脳内マップにピンが立ってしまったけれど。
ということで着いた。大阪城。
この前家族と来たけど、家族で観光するときって見た目だけを楽しむ時間になってしまって、その観光地の歴史とか文脈を知る時間がないので楽しくないですよね。(家族旅行アンチ)
俺の家の家族旅行がそうなだけなのかな?
話は逸れるけど旅行って難しい。「目新しさ」とか「異世界み」だけを求めるんなら俺としては音楽でも十分すぎるくらい楽しめる。だから観光地にそれだけ求めても物足りない。そう思って観光地によくある「解説パネル」とか読んで「へ~~」って思ったりする。実際それは面白いしさらに面白くしてくれる。ただその行動は「自分のために旅行を楽しいものと自分に思わせる行動」であって二度手間というか旅行本来の楽しさじゃない。来ちゃったからしょうがなく楽しもうとしてる。元々それを知りたくて来てることは実際少ない。俺が活字から得られる情報が好きなだけ。
だから一人旅行とかも行けるけど好きではない。わかんないから。
旅行って消費するモノが色々とデカすぎて「楽しまなくちゃ」の呪縛が強くてそれがしんどかったりする。
「私はここの住人でこの道はただの散歩コースですけど」みたいな顔で歩く以外楽しみ方が分かりません。誰か教えてください。
でもこの前めちゃくちゃ楽しい旅行もしてるから結局一緒に行く人なのかもしれない。俺は俺の感性とだけ行く旅行が楽しめないだけか。がはは…。
閑話休題ンゴ
大阪城に着いてからはいつものセオリー通り解説パネルを読み漁りながら修道館に向かう。
城壁に何個か横幅10mくらいのでっかい石(もはや岩)があって大きさランキングも付いてるんだけど、第一位の石は岡山の花崗岩らしいです。へ~~って感じですよね。でもこのトンの重さの物体を500年前にどうやって運んだか気になりません?気になりますね。多分海だね。知らないけど。そういうことを考えると面白みが増すというわけです。
一番最初にくぐる門の横に「千貫櫓」というガチヤグラがあるんですけど、これは橋で水堀を渡ってくる敵を横から弓でやっつけるための櫓です。へ~~ですね。
当時の活用法とか理屈、設計者の思想が伝わってきたり感じ取れると見た時の印象も変わるね。
謎を解く以外は特に目的が無いので誰も見てないけど確かに整えられている歩道沿いのお花を見ながら歩く。シロツメクサしか名前がわからないね。
けどお花って当たり前のように世界に色を落としているのでとてもすごいと思う。人間ってほとんど一色だし。在るがままで彩度が高いって尊い。
まんまと大阪メトロの思惑にハマって観光しながらも大阪城内の謎を解き明かした。
最初の淀屋橋駅で「銅像と話せるアイテム」が登場していて、谷町四丁目では一切使っていなかった。最後の問題に悩んでいるときにそのことを思い出した。案の定それを最後の最後でもう一度使うという謎解きだった。
そりゃ当然「うわ~~~~お前か~~~!!」になる。謎解きコンテンツはこういう伏線回収が気持ち良すぎる。
ここで1パート目終了。現時刻12時半。残りプレイ時間が4時間半くらいと考えると「良い一日像」が浮かび上がる。よしよし。
次の「食い倒れ探偵編」を開封。今回も最初の行き先を示す謎だけはその場で解く。それから移動する。
早速解いた。まだヒント無しでも余裕な段階だけど確実に少しずつ難しくなっている。大衆向けの謎解きだからと舐めていたけど嫌な予感がする。最終章の難しさに今から少しビビっている。
それでは早速指示通りに次の駅へ。
と、行こうとしたけどなんとなく近くにあった大阪歴史博物館に入館。ポスターに載っている展示が本当なら凄そうだと思った。600円。このような寄り道によってタイトルの10時間が製造されているんですね。
大阪歴史博物館は古くは高句麗が滅んだりした600年代に建てられた難波宮の展示から、天下の台所として大変賑わった江戸時代の展示、既存の大阪の文化と欧米の文化がごちゃごちゃになった戦前の展示などが書物や遺物だけでなく模型などでも展示されていた。
難波宮の大極殿を実寸大で再現するという狂気の展示から始まった。
狂気にあてられてその写真を撮るのを忘れた。気になる人はぜひ。
・江戸時代の展示。この博物館は立体的に空間を使うので、鑑賞というより没入型アトラクションのカテゴリに片足踏み込んでいる感じがする。
・ミニチュア模型の文字を見ると、見覚えはあるけど読めはしないっていうAIが生成した文字と全く同じ感想を抱く。
・でも江戸時代って400年前なんだよな。意外と最近な感じもする。平成時代までは20代前半で子供を産むのが一般的だったとしたら、両親含め先祖を20人辿れば江戸時代開幕に戻れるんだよな。そう言い換えるとやっぱり遠いかも。3人辿った80過ぎのひいおばあちゃんで1940年かぁ。遠いというより人類の文明発展の密度が高いだけなのかもしれない。文明開化以後は特に。やっぱり400年前は最近に感じる。でも言葉の意味が変わるのに1週間は十分に長い。変な世界だな~。相対性理論は分かりません。
それでも洗濯物を乾かす方法は何千年も変わらない。人類は布を太陽に照らすことで発展し続けている。1億と2000年前から干している。禁断の実を食べたアダムとイブが恥部を隠した葉っぱは天日干ししたのかな?
次のエリアへ。
大正時代辺りの大阪の展示。当時の風景やお店、家の中を再現した模型が所狭しに配置されている。活字はかなり少ない。それでも伝わってくる情報量としては十分すぎるほど精密に作られていると感じた。
この魚屋の展示に関しては文化とか関係ない魚の模型が大量に並べられている。大阪関係無いよ。ねえ。この博物館の中にただ模型が作りたい変態がいることは確定した。机から垂れている尾の質感が本当に本当。賛辞の言葉として本当にキモい。
てか魚はカラーなのに人間は白色かよ。白人への憧れの表現???
これを「ビッグモーターの聖地?」って文と一緒にストーリーに載せようとしたけどつまんないからやめた。あとちゃんと調べたら記念碑じゃなくて慰霊碑だったから本当にやめた。本当に教育を背負ったすごい塔でした。
最後のは関係ないけど大阪歴史博物館はこんなところでした。面白かった。
全体を通して感じたのは「日本って常に外国の文化に寄せながら文化が発展しているな」ということ。奈良時代までは仏像とか宗教とか大陸の文化を取り入れ、開国後は欧米の文化を無尽蔵に取り込みつくした。だから興味深いのはその間で、「武士」の存在。
調べると、中国は軍や武力があってもトップになるのは知力が髙い者という風習があったらしい。なのに、日本にはそこまでは伝わらず、日本では武力があるやつが偉い奴という文化が定まった。このタイミングで大陸との文化の乖離が起きている。日本文化であるSAMURAIの起源。知力のある者がトップになるという文化はどうして定着しなかったんだろう。日本人は野蛮だったかな?ていうかこの疑問って日本史の授業の段階で抱いてても良かったはずだな。はぁ。
そしてその後はどんどん西洋に寄っていく。
これは展示であからさまに明確に表現されていたけど、これを見た欧米から来た外国人はどういう感想を持つのだろう。「うんうん、ここにも植民地思想が伝わっているな」とか思われてたらヤバすぎて面白い。日本文化はどこかを憧れてばっかりだから、憧れられる側、真似される側の気持ちを知らない。他国の文化をひっくり返すパワーを持つ文化があった国に生まれた人は何を思うんだろう。気になるね。ふふ。
じゃあ、謎を解こうか….
指示に従い「恵美須町駅」に到着。
またもや初めて来る駅。それでも駅の案内版ですぐにどこか分かった。ここは通天閣の最寄り駅だ。
最悪だ。俺は謎を解きたいだけなのに。
給料日後の快晴土曜日の新世界周辺なんか竹下通りに決まっている。
嫌だ~~~~~~。
しかも謎解きを見る感じ、お店の外観の観察なんかが必要そうで、立ち止まる必要がありそうな感じだ。「道の両側にある★★のお店の右側の外観を参考に解いてみよう」じゃないんだ。新世界のごちゃごちゃしたマーケティングくそ喰らえみたいなお店の外観からの内容判断するの難しいんだから。
「あ~~~~~~~~」と思いながら駅を出る。案の定通天閣に近いほど人が多い感じがする。とぼとぼ歩き始める。
その後はヒントとなる外観が全く分からなかったり左右を間違えたり指示された十字路がどこかわからなかったりなんとか集めたヒントを人が少ない路地で解こうと思ったらやたら難しくて全然長時間取り組むことになってちゃんと恥ずかしかったりしました。
もう新世界はこりごりだ~~~~。ヒュ~ン。ポン。
そういえばなんで大阪の観光地って絶対でかめの薬局があるんですかね。
次に指示された駅は「扇町駅」
扇町公園には行ったことがあったので梅田に近付いてきたことが分かる。まだもう一つパートが残っているので意味ないけど。
そしてこの時点で時刻が16時前。博物館や新世界の濁流に呑まれるなどしてかなり時間が経っている。そして昼ご飯を食べていない。食い倒れ探偵編で昼ご飯を食べていないのは空気的にマズい。
謎解きの方も紙を実際に折ったりして解く必要がある物理パズル系だったため腰を据えて取り組みたい。そんなぜーぜーの状態のとき、最後に必要なヒントが都合よくカフェの外観についてだったので、ヒントをメモした勢いでそのままカフェに入店。あまりにもPRの動きをしている。
じんわり床がぬるぬるしてるとか気にならないくらい足が痛くて痛くて痛くてだったので、まず座れたことが最高だった。
寝不足で体調が中の下だったから食欲もあんまりなかったけど、この消費カロリーで食べないのはマズいと思ってカレーを注文。お肉の塊がごろごろ入ってて美味しかった。牛肉入りのカレーはやっぱりうまい。しかも700円とかでかなり安かった。ごちそうさまです。
お店は混んでいなかったのでカレーを食べ終わってから謎解き開始。疲労で頭が回りにくくなってきたのも相まってかなり苦戦した。だんだんと高反発な謎解きになってきたので解けたときの爽快感も高くなってきた。ここからが面白い。
というわけで第二章クリア。
早速次の「アート探偵編」の行き先を支持する謎を解いた。
次の駅は「梅田」駅。
次の問題を先に見てみると特徴的なロゴの下に「〇の〇〇」を埋めろと書いてあった。そのロゴも見覚えがあって、完全に「泉の広場」で面白かった。
梅田駅に到着。相変わらず人が多いな。全員Iターンしなさい。
泉の広場のさらに奥にあるアート作品からヒントを得よとのことだった。
パートの序盤にしてやや難解な問題だったためか、その作品の周囲には見覚えしかないファイルを手に持ってしゃがみ込むグループがチラホラ視認できた。もちろん俺もそうした。線を引いていくタイプのパズルだもんしょうがないね。
泉の広場中心からはやや離れているから人混みとはぶつからないものの、大阪駅直結の地下道でしゃがみこんで謎を解く時間というのはかなり羞恥的なものでした。非日常楽しいね。
そして次の駅に向かう指示。「北浜駅」。
最初に向かった淀屋橋駅に近いっぽい。あの川沿いの雰囲気はかなり好きだから嬉しい。何度でも行きたい。
到着。
指示された出口から地上に降り立ち早速謎解き開始。
近くにあるオブジェと手元の紙を見比べて解くらしい。
ん???????は?????????
北浜駅の近くの橋で5分くらいウロウロした。
意味が分かった瞬間もうめちゃくちゃ嬉しかった。やっとこの羞恥プレイから逃れられるので。この大阪メトロの謎解き、一人で自分のペースでゆったりできるとは良く言ったもので、悪く言えば「分からなかったらずっとそこにいろ」になることをここで理解した。恐ろしいゲームだ。
次はすぐそばの花壇や小川が流れている散歩スペースを迷路に見立てていて、正しいルートを選択して答えを導くというもの。「こういうマッピングするの好きなんだよな~~~」と思ってうきうきしていたら、ちょうど俺の目の前に時速1kmくらいゆっくり歩くカップルがスタートの小道に入っていった。まずい、このままでは時間がかかる上にネタバレを喰らってしまう。しかも後ろには明らかに探偵をしていそうな人たちが数人並んでいる。カップルは気付いていない。おら、もう、、、。
しょうがないのでカップルを追い越し、頭をフル回転させて正解の道を選びつつ謎解き集団から距離を取った。謎解き集団という言葉をクイズノック以外で使う時ってあるんだ。
それでも後ろには先ほどのカップルなどのプレーヤーが複数組いる事実は変わらないし、これではネタバレをする人が俺に変わっただけである。
ここでこの問題のRTA解を思いつく。
問題の指示は「右手に見えるスロープを進む」であったり「一番近くの階段を降りろ」であったりするので、厳密には実際に歩く必要はない。目視で確認さえできればマッピングが可能であることに気が付いた。
ならばと思った俺はあえてハズレの曲がり角でまがった。これは後ろの人にネタバレを与えないためでもあるし、俺にとってはもはや正解の道を歩く必要すらないからでもある。ちょっと混乱させたいという気持ちもありました。
そして目視でマッピング完了。その答えから導かれるヒントを元に、次に行くべきオブジェのもとへ。人の大きさくらいでっかいリンゴのオブジェだ。
ほ~~~ん。
これで現地で得る必要のあるヒントは全て入手し、第三章はクリアした。あとは家で解くだけなので、実質クリアのようなものだ。
よしゃ~~~~!!!!
クリア~~~~!!!!!!!!!
ありがとうございます!!!!!!!!
おかげさまでございます!!!!!!!
ここまでのプレイ時間は朝の11時から18時までの7時間。
ほぼずっと歩き続けていた。本当に足がへとへと。
もう帰るべきだ。った。
クリアで脳汁が出まくったせいなのか、今日一日謎解きしかしてないからか、家に帰るのが無性に惜しくなった。「古着屋でも行ってみるか」「そういえばスーツのシャツ買わなきゃだったわ」とか考えて、家ではなく梅田へ。そのままだらだらとウインドショッピングをしていたら時刻は20時。家を出た10時から10時間が経過している。ばかすぎ。
さらに、というか、首回りのサイズとか測っていなかったので結局服は何も買わなかった。一人で外に出てるとこんなことばっかりだ。足が折れそう。頭おもい。ねむい。ねむい。あーーーー。むり。むりかも。くるしー。今一番死に近いのはこの男~~俺~~~。
で、なんとか帰ってきた。ベッドに打ち上げられたときはのび太の0.98秒を上回りそうだった。
なんとか0.5秒で寝キャン(就寝キャンセル)をして、
残った最終章。完結編に取り掛かる。
(ここ12話目次回予告)
(ここから13話目)
最終章、開封。
なんか嫌な予感がする。
え、なんかなんか紙の種類多くないですか????
切れ込みが入った紙とか折れ線がついた紙とかあるんですけど。図工始まる?
(ここでピザを注文。給料日後なので。)
結論から言うと、図工始まりました。
相変わらずのストレスフリー設計だから特に準備するものはいらなかったけど、紙を分離させたりシール貼って固定させたり今まで使った紙を組み合わせたり。
ここから最重要のネタバレになるから気を付けてほしい。
今までの物語で読んだ会話の紙を2枚、半分に折って、それぞれ左右に配置する。すると、書かれている文章自体は変わっていないのに、新しい物語が読めるとかいう意味の分からない体験をしました。多分文字じゃ意味わかんないと思う。実際に一部始終見てた俺も分かってないから。
一番最初に「会話のノリが大衆向けっぽい」と言ったけど、完全に仕組まれた文体でした。これは明らかに大人向けに作られている。
あと先ほど「特に準備するものはない」と申し上げましたが、訂正させて頂きます。「賢い頭」が必要です。
北浜駅で「クリア!!!!!!!!!!!」と思っていましたが、違います。ここからが「謎解き」です。今まではヒント集め 兼 観光 兼 謎解きのストレッチでした。
正直この完結編、謎解きに慣れている人なら割とスムーズにいけそうな感じがするけど、謎解きにまだ慣れてない人はヒント無しクリアできないと思う。ほんとに難しかった。
「難しい」はなんか違うな。完結編は「そのヒントここでも使うの!!?!??!?!?!」の集大成だった。歴史探偵編で「像と喋れるアイテム」を時間を空けて使うギミックがあったと言ったけど、それの総合版。10時間の記憶の引き出しを全て確認しなおす作業が入る。
疲労困憊乃介はそんなことできるわけもなく、一つ目の難問で3つ目くらいまでヒント(ほぼ答えが表示されたそれ)を見て絶叫してピザ食って就寝※2。ていうか9時間寝たあとに問題を見返すと全然難問じゃなかった。馬鹿野郎。
※2 ピザって家に届いた瞬間がピークであとは文字通り消化試合。
そして起床したあとの朝の3時間を使って、
ようやくクリアです。今度こそ正真正銘のクリア。長かった。
もう後半はヒント見まくりでした。だって無理だし。ばかが。
いやでも本当に面白かった。高品質な謎解きって諦めて答えを見た時に「こんなの絶対自力で分かったじゃん!!!!!!!!!!!!!!」って思うんだよね。ヒントの出し方とか読みやすさが本当にフェア。低品質なものは「いやでもそれって見方によっては違くない??」と思う隙がある。
この大阪メトロの謎解きは明らかに高品質側。謎の質だけじゃなく、ギミックによる体験的な面白さも含めて最高だった。紙の謎解きでここまで創意工夫が込められた遊び心を体験できるとは思わなかった。
あっぱれです。大阪メトロ。はやく「大阪メトロがかんがえる最強のスマートシティ」を実現してください。応援しています。
私は今日こそは首回りを計測してシャツを買ってきます。
ていうか今日からまた地下鉄乗るのにお金かかるの最悪だ。
大阪メトロファンチになります。
さようなら。