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ベルギーで強盗に遭った話
ヨーロッパ周遊の始まり:アムステルダムからベルギーへ
2024年の年末、一人でヨーロッパを周遊していたときの話です。年末に安い航空券を探していたところ、上海経由のアムステルダム行きが片道約50,000円で見つかりました。「これは良い機会だ」と思い、旅行を決めました。
アムステルダムに行くのは楽しみでしたが、「ずっとオランダだけでは物足りないかな」と思い、近隣の国を調べると、ベルギーが意外と近いことが分かりました。そこで、ベルギーも訪れることにしました。しかし、どこの国でも同じですが、安いバスを選ぶと、出発や到着が深夜になるのが難点です。
私が選んだバスは、アムステルダムを深夜12時に出発し、午前3時半ごろにブリュッセルに到着する便でした。料金は約3,500円で、ヨーロッパでは比較的良心的な価格です。しかし、到着した午前3時半のブリュッセル中心部の駅周辺は、お店もほとんど閉まっており、治安が良いとは言えない雰囲気でした。そこで、観光地を歩いて回ることにしました。徒歩1時間ほどで2か所を回ることができましたが、その後は時間が余り、興味本位で治安が悪いとされるエリアにも足を踏み入れることにしました。
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恐怖の始まり:ブリュッセル北駅での強盗事件
その治安が悪いと言われるエリアは、ブリュッセル北駅でした。夜中ということもあり、街灯はそれなりにありましたが人通りは少なく、「怖い」とは感じませんでした。しかし、夜道を歩いていると、少し前にすれ違った男性が後ろからついてきていることに気がつきました。「声をかけられそうだな」と思い、進行方向を変えると、彼も方向を変えて「ブローブロー」と声をかけてきました。
外国では物売りが声をかけてくるのはよくあることなので、特に珍しいことではありません。今回も同じだろうと無視していましたが、その男性は目の前に回り込み、ライターを見せてきました。おそらく薬物を売ろうとしていたのでしょう。それでも無視していると、突然私の肩掛けバッグを掴んできたのです。
そのバッグには、パスポートや現金などすべての貴重品が入っており、「これだけは絶対に守らないと!」と瞬時に判断しました。私はキャリーケースから手を離し、全力でバッグを守りました。「ヘルプ!ヘルプ!」と叫びながら近くにいた二人組の男性に助けを求めましたが、面倒ごとに関わりたくないのか助けてくれませんでした。
それでも相手はバッグを引っ張り続け、私はただ叫びながら必死に抵抗しました。そのとき、後ろから声が聞こえ、振り返ると近くのお店の人が「中に入れ!」と声をかけてくれました。全力でバッグを守りながらお店の中に飛び込みました。強盗はまだバッグを掴んでいましたが、お店の人が追い払ってくれました。
しかし、キャリーケースがないことに気がつき、取りに行こうとすると、お店の人が「まだ外に出るな」と止めてくれました。数分後、外を見るとキャリーケースはすでになくなっていました。
駅でのさらなる恐怖
ひとまず落ち着いたものの、まだ夜は明けておらず、駅で時間を潰そうと思いました。しかし、周りの人を信用できないほど緊張していました。電話で彼女に「強盗にあって荷物が全部なくなっちゃった」と話して笑い話にしていたところ、妙に視線を感じるようになりました。
すると、一人の男性が声をかけてきました。怪しい雰囲気だったので無視しましたが、その男性が仲間らしき二人を連れて再び現れ、声をかけてきました。明らかに危険だと感じた私は、すぐに逃げ出しました。そのうちの一人が私に触れようとしたのを見て、駅から外に出ることにしました。
偶然にも、先ほど親切だった二人組と再会しました。私は「駅の中も危ない」と伝えると、「近くの交番に行け」と教えてくれました。しかし、交番に行って強盗の被害を伝えても、「被害届を出すには予約が必要」と言われ、その場では何の対応もしてもらえませんでした。
全力で逃げた大通りの攻防
交番を出た後、なんと先ほどの三人組が私を見つけて追いかけてきました。全身に危機感を覚えた私は全力で逃げました。振り返ると、三人組も全力で追いかけてきていて、心臓が破裂しそうなほどの恐怖を感じました。
大通りに出てタクシーを探し、振り返る余裕もないまま必死で走りました。なんとかタクシーを見つけて乗り込むことができ、ようやく助かりました。タクシーの中では恐怖でしばらく言葉も出ませんでしたが、落ち着いてから運転手に状況を説明し、安全な地域に連れて行ってもらいました。
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保険のありがたみと反省
その後、帰国してから海外旅行保険を申請しました。クレジットカードに付帯している保険でしたが、このときほど「入っていてよかった」と思ったことはありませんでした。後で調べてみると、ブリュッセルはヨーロッパで窃盗犯罪が最も多い都市の一つだと分かりました。
ネットで「危険」と言われている場所には、やはり近づかない方が良いと痛感しました。今回の出来事は本当にトラウマ級で、しばらく海外旅行は控えるかもしれません。また新しいエピソードがあれば、ここでシェアしたいと思います。この話が、ブリュッセルやヨーロッパ旅行を計画している方の参考になれば嬉しいです。