【教員発信】STEAMコース~PBL活動報告会を実施~
安田女子高校STEAMコースは、2021年4月に新設されたコースです。
コースの特徴の一つが、週に4時間おこなっている「PBL(Project Based Learning)」という授業です。第二期のPBLは、2022年11月から2023年10月までの予定でSTEAMコースの一期生・二期生の2学年を対象に実施しています。
今回は、2023年9月28日(木)に実施した、PBL活動報告会(高2・高3)についてご報告いたします。
§§§ 開会 §§§
PBL活動報告会は、今回で2回目。これまでにSTEAMコースで関わっていただいた方やPBLでお世話になった方など13名をご来賓としてお迎えし、十数名の保護者の方にもご観覧いただきました。まず、校長からのご挨拶でスタートです。
§§§ 各チームの発表 §§§
全15チームが発表するので、ちょっと短いですが1チーム5分の持ち時間となりました。発表の合間に感想などのフィードバックを書いていただきました。
①食堂メニュー開発チーム(マイプロ・ラボ)
試作を重ねてメニュー開発をし、学校の食堂での提供を実現しました。見映えや地産地消など、こだわりたっぷりのメニューを作ることができました。
②ユニバーサルデザインチーム・女の子トイレBox(マイプロ・ラボ)
同じマイプロ・ラボ内で協働し、女の子トイレに置くBoxをSDGsにも配慮して製作しました。今後改善すべき点を客観的にふり返っていました。
③クラミドモナーズ・京橋川クリーンプロジェクト(コラボ・ラボ)
学校の横を流れる京橋川から採取したクラミドモナスというプランクトンを活用して、水質改善を目指しています。単離培養(クラミドモナスだけにして増やすこと)に成功(!!)、今後は水質改善の実験を進める予定です。
小学校の授業で使えるプランクトン検索表も、試作を繰り返して作成しました。今後、多くの小学校で使ってもらいたいです。
(岩国市ミクロ生物館の末友先生に2年間ご指導をいただきました。ありがとうございました。)
④minagirls・10人の、私の大切なもの展(マイプロ・ラボ)
ミナガルテンという施設と、「10人の、私の大切なもの展」を実施しました。「あなたの大切なものは何ですか?」という問いかけがとても印象的でした。(ご協力いただいたミナガルテン・メンバーのお二人が、来賓としてご来校いただきました。ありがとうございました。)
⑤STEAMコース進路研究チーム(プロモ・ラボ)
STEAMコースの生徒のために、県内の大学について調査し冊子を作成しました。生徒にアンケートを取り、アドミッションポリシーを丁寧に調べました。
⑥チーム ロボコン(コラボ・ラボ)
レゴでロボットを組み立てて、プログラミングでロボットを動かします。WROというロボコンの大会に出場し、見事2位になりました。大会の動画で、ロボコンの様子がよく分かる発表でした。
(広島市立大学情報科学部の先生方に2年間ご指導をいただき、当日も来賓としてご来校いただきました。ありがとうございました。)
⑦ホームページ作成チーム(プロモ・ラボ)
STEAMコース独自のホームページをグーグルサイトで作成しました。デザイン性や記事の内容など、困難を乗り越えて完成させました。
⑧STEAMステッカーファクトリーチーム(マイプロ・ラボ)
STEAMコースの一体感を高めることを目的に、ステッカーを製作しました。コースの生徒からデザインを募集したり、自分たちで投票してデザインを決めたりと、周囲を巻き込んだ良い取組になっていました。
⑨自由を運ぶコウノトリ(マイプロ・ラボ)
ウクライナの問題に対して、食の観点から取り組んだチームです。ウクライナの方と交流したり、食堂でウクライナ料理を提供したり、ラジオに出演したりと、幅広い活動が印象的でした。
⑩まちの保健室チーム(マイプロ・ラボ)
メンタルヘルスを扱ったチームで、ワークショップで使う資料などを自作し、校内でのプロトタイピングも実施しました。そして、失敗体験から学んで次の取組に向かう姿勢がとても印象的でした。
⑪下級生向け広報チーム(プロモ・ラボ)
「STEAMって何?」と聞かれないことを目標として、学校のオープンスクールで体験講座を複数回実施したチームです。小中学生に、デザイン思考やマインドセットなど安田のSTEAMコースで大切にしているものを伝えてくれました。
⑫安田女子大学造形デザイン学部コラボチーム(プロモ・ラボ)
大学訪問をして、サンフレッチェのピースマッチにポスター参加したチームです。みなさんからの感想で「『平和の軸線』のことを知らなかった」というお言葉を多くいただいていました。
⑬U35コラボチーム(プロモ・ラボ)
中国新聞U35と連携し、動画を制作し講演会を開催したことについて報告してくれました。新聞への興味や動画制作のコツなどがよく分かる発表でした。(中国新聞U35の方も来賓としてご来校いただきました。ありがとうございました。)
⑭『女の子トイレ』プロジェクト(マイプロ・ラボ)
学校のトイレに生理用品を設置する『女の子トイレ』という取組について発表してくれました。自分たちで作成したリーフレットを配布したり、寸劇方式を取り入れたりと、観衆を引き込む工夫が印象的でした。
⑮広島テレビコラボチーム(プロモ・ラボ)
広島テレビに自分たちで企画を売り込みに行き、実現させたチームです。映像制作や編集のコツなどを、広島テレビの方に教えていただきました。この行動力・積極性もSTEAMコースの特徴だなぁとしみじみと感じました。2時間近い発表会の最後だと感じさせない元気いっぱいの発表が印象的でした。
§§§ 閉会 §§§
活動報告会の閉会にあたって、ご来賓の方からコメントをいただきました。ありがとうございました。そして、本校の赤川教頭の挨拶で閉会しました。
◎叡啓大学・松浦先生からのコメント・アドバイス(概要)
挑戦が形になっていて素晴らしかった。プレゼンも分かりやすかった。目的を明確にし、課題の本質をとらえようとすると、もっといい活動になります。
◎広島市立大学情報科学部・伊藤先生からのコメント(概要)
さまざまな問題解決があり、おもしろかった。今後必要となるスキルで、高校生からこのような活動ができて、うらやましい。
◎本校の赤川教頭より閉会挨拶(概要)
STEAMコースは21世紀型人材の育成を掲げていて、他コースの生徒にもよい刺激となっているので、もっと活動して発信していってほしい。それが、保護者や応援してくれる方への恩返しになると思う。
最後の最後にみんなで集合写真を撮って解散しました。みなさん、長時間にわたっての活動報告会、お疲れ様でした。
第二期のPBL(2022年11月から2023年10月まで)は、この活動報告会を区切りとしています。あと少しふり返りなどをおこなったのち、活動をいったん終了です。11月からは、高2(二期生)と高1(三期生)であらためてPBLでの活動を再開する予定です。
■ 執筆者:安田女子高校STEAMコース主任(3年目)
教員歴24年(理科と情報、専門は物理)。
趣味は読書、好きなことは謎解き、好きな食べ物は粒あんです。
コロナ禍と同時期に発症した右の五十肩がほぼ治ったと思ったら、左の五十肩が発症、激痛で夜中に目が覚めて寝不足の毎日です。