レディーファースト(67)

唐突ですが、私は「レディーファースト」という考え方があまり好きではありません。というのも、この思想の根底には「女性は憐れむべき劣った存在であり、だから守ってあげなければいけない」という男尊女卑の考え方があるらしいと、どこかで聞いたことがあるからです。

レディーファーストの是非論はおくとして、ここで指摘したいのは「患者さんをいたわろう」という、誰もが否定しないだろう考え方の中に、「患者は我々よりも劣った存在だ」という奢った考え方がもぐりこんではいないかということです。

患者さんが劣っているわけでも、医療者が偉いわけでもないのは言うまでもないことですが、知らず知らずのうちに、そういった「上からの目線」が身についてしまっていないかと心配します。

全くの私見ですが、「薬を出してあげる」「話を聴いてあげる」など、「○○してあげる」という言い回しが無意識に出てくるときには要注意だと思います。

文章：精神科やすだ　（２００７年１０月２６日初公開）
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