アベノミクス批判への反論【データあり】
実質賃金とは
アベノミクス批判の代表的なものに、「実質賃金が下がってる!」という批判がありますよね!
たしかに下の図を見たら、実質賃金が下がっていることが分かります。
実質賃金とは、その賃金でどれくらいのモノが買えるかという購買力を示す賃金です。計算式は、
「実質賃金 = 名目賃金 ÷ インフレ率」
名目賃金とは、実際に貰った額面の賃金です。
その実質賃金が、アベノミクス以降に下がっていると批判されています。
人々が豊かな生活をしているかは、額面の名目賃金より買い物実感の実質賃金が大事というロジックです。
本当のケインズ経済学
賃金の下方硬直性の説明の誤り
ここで重要なのは、「需要と供給」の関係です。
古典派は、不況になった場合、会社が潰れずに失業者を出さないために「賃金を下げろ!」と主張します。
それに対しケインズは、労働者の賃金は、商品の値段のように簡単に下げられないので、不況になると需要と供給が崩れ、失業者が溢れてしまうと主張し、それを「賃金の下方硬直性」と名付けました。
そしてケインズは、不況時に需要を増やし、人を雇えるまで企業の収益を上げさせようとしました。
このように以前のnoteで解説しましたが、実は賃金の下方硬直性を分かりやすく説明したため、正確な説明ではありません🙇
名目賃金の下方硬直性と有効需要の原理
古典派が「不況時には賃金を下げろ」と言ったのは事実です。
しかしケインズは、額面の給料である「名目賃金」が下がることは、労働者に反感をくらうとケインズは考えました。
そのことを「名目賃金の下方硬直性」と名付けたのです。(名目と付いてます!)
それに対し、物価を考慮した実質賃金は、額面上の給料は変わらないので、労働者にバレません。
そのため、お金を増やしてインフレにし、お金の価値を下げれば、額面上の賃金は変わらなくても、実質賃金は下げられるので、、古典派が考えるより簡単に需要と供給が一致でき、失業者をなくせると考えました。
これが本当の「有効需要の原理」なのです!
つまり、ケインズ理論は、失業率改善のために、名目賃金の代わりに実質賃金を”一時的に”下げることを狙った理論なのです!
一時的というのは、完全雇用水準に達するまでのことです。
そのためケインズも、「失業の解消のために労働者の賃金を下げる」という古典派の考え方には賛同しています!
これはケインズ経済学の基本中の基本だそうです!
「実質賃金ガー」への反論
ここからが本題です!
たしかに、インフレによる実質賃金の下落は、労働者とって不都合です。
しかし!
それによって失業率が解消されていき、やがて人手不足になります。
すると、企業間での労働者獲得競争が起こり、やがて賃金全体の上昇が起こるのです!
これがマクロ経済学のロジックなのです!
少子化で人手不足?
よく、人手不足は少子化のせいで、労働者の数が減っていると言われますよね。
実は、これも全くのデタラメです!
まず、人手不足が人口減少のせいなら、失業率は低下するし、就業者数が横ばいか減少傾向のはずです。
では実際にデータを見てみましょう!
失業率は下がってますね!
じゃあ就業者数は少なくなってるはず…
あれ???
失業率が下がっているのに、就業者数は増えてますね!
つまり、人手不足は少子化が原因というのは全くのデマだということです!
仮に人手不足だと言うなら、それは好景気だからです!
これはマクロ経済学において、基本中の基本なはずなのですが…
参考
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