「勝手にしやがれ」

今夜も彼女から電話
たわいの無い話題でも楽しい

話題が途切れた時
何気なく懸案の転職先の質問する
やはり向こうが採用なら就職と

あれほどボランティアまがいで
最低賃金にボーナスも出ない
講演会に呼ばれるのに生きがいを求めるオーナー
職員には奉仕の精神を求め
手当ての無い時間外業務や休日出勤も

でも
怪しさがあるほど魅力的
悪い男にほどハマる心理
あの人を助けられるのは自分しかいない、と

そして金に困る彼女を
横で見ていられない私は
助けてしまうのだろう

感覚で生きる動物的彼女
他人には理解出来ない事ほど楽しい
誰もが欲しがる高価な物が嫌い
住まいは寝られれば充分と

変な人を好きになった
電話を切った後
未来の別れを想像してしまう
アウトローで野蛮な男について行く
彼女の姿が透ける

自分はちょっと上品過ぎた
今更危険な男になれない

沢田研二の
「勝手にしやがれ」
が頭の中で流れた…