失敗しない! オールドレンズの賢い買い方
オールドレンズを買うときって、心配ですよね。
ちゃんと動くのかな?
保証は大丈夫かな?
壊れてないかな?
不安はたくさんあると思います。
しかも安い買い物ではありません。
諭吉さんを支払って大失敗したら、お財布だけではなく心にまでダメージを受けてしまいます。
でも大丈夫、このnoteがあれば正しくオールドレンズを買うことが出来ます。
「何を調べればいいのか」と「どこで買えばいいのか」にわけて説明しますので、参考にしてください。
「オールドレンズって何? どう使うの?」という場合は、以前書いたこちらのnoteをどうぞ。
1:何を調べればいいのか
現代は情報化社会、すべては情報が基本。
ましてオールドレンズは熱心なファンが多い分野です。少し調べれば、役に立つ情報はたくさん出てきます。
以下に述べる点を確認すれば間違いありません。
●相場を調べよう!
オールドレンズとはいえ、一点物ではなく大量生産品。
ある程度の「相場」というものがあります。
相場より高すぎたり安すぎたりには何かあるもの。
昔は調べるのも一苦労でしたが、今はcamera fanのような横断検索サイトがあります。
お目当てのレンズ名を入力して、だいたいの価格感を掴んでおきましょう。
いわゆる「オールドレンズ本」にも価格帯が書かれていますが、発刊時期に注意。
数年前の本だと高すぎたり安すぎたりが珍しくないです。
出来るだけ新しい情報を手に入れた方がいいですね。
●レンズの「弱点」を知っておこう!
オールドレンズには「弱点」があります。
技術が未発達だったので、今では考えられないウィークポイントが目立つんですよ。
言い換えれば、買うときの注意点があるということです。
例えばLeitz Xenon 50/1.5。
優しい描写で人気のレンズですが、とにかく前玉が弱い。
ガラス自体が柔らかく、雑に拭くとすぐに傷が付いてしまいます。
「それっぽい」描写でも、実はレンズが傷だらけだったからというパターンがしばしば。
ちゃんと状態を調べる必要があるレンズの代表格です。
例えばAngenuix Zoom 45-90/2.8。
最近になって人気爆発した名ズームレンズ。
構造が複雑なため、「そもそもメンテナンスが出来ない部分」があります。
なので、個体差が大きいんですね。
目を見張るような描写をする個体から、「いやこれはないでしょ」まであるので判断が難しい。
このようなパターンは多いです。
レンズ特有の弱点を知らないと、状態が悪く本来の性能が出ていなくても「古いしこんなものか」になってしまいます。
タチの悪い店だと、このやり方で状態悪いレンズを売りつけてきますね。
あらかじめ弱点を把握しておいて、「このレンズ大丈夫かな?」と確認するようにしましょう。
お店の人に尋ねてもいいですね。
この時、誤魔化したり適当に言ってくるお店はやめておいた方がいいです。
2:実際の買い方
情報を集めたら、後は買うだけです。
ただ、物が物だけに「どこから買うか」が大事。安心のヨドバシカメラでは売っていませんからね。
●中古カメラ屋から買う
一番確実な方法です。
元々我が国はカメラ大国、北から南まで、日本全国にお店があります。
頼るべきお店の判断基準はずばり、「入りやすいこと」。
残念ながら、「常連が駄弁っていたり店主が偉そうだったりで一見さんはお断り」のようなお店はまだ残っています。
そういう店は結局、常連以外のサポートも甘いのであまり役に立たないですね。
一昔前なら独自の販路を持っていたりしましたが今はネット時代、国際的な仕入れが出来るわけで、「クセがあるけど品揃えがいいお店」を選ぶ理由はありません。
私も見せてもらったレンズがいまいちだったので断ったら、露骨に嫌な顔をされたことがありました。
お店や情報が限られていた時代ならともかく、今ならスルーでいいでしょう。
先ほど述べたように「弱点」を誤魔化してくるお店も論外。
とにかく誠実に、差別せずに接してくるお店を選ぶべきです。
後ほどおすすめのショップを取り上げますのでそちらも参考にして下さい。
●知り合いから譲ってもらう
これも確実な方法ですね。
マニアが多い分野ですし、レンズはなぜか増えていくもの。
使わないものを手放すことは私も含め珍しくありません。
ここは正直、人間性勝負。
ある程度付き合って「この人なら大丈夫だな」という人にお願いしましょう。
●ヤフオクやメルカリ
ヤフオク、メルカリ、ラクマ、少しマイナーだとPayPayフリマなどです。
特にメルカリなどは愛用している人も多いでしょう。
が、オールドレンズについてはまったくおすすめしません。
現行のデジカメならまだしも、古いレンズを買ったら基本「外れ」だと思って下さい。
特に「詳しいことはわかりません」的な注意書きをしている相手から買うのは絶対にNG。
状態悪いものを売りつけられて当たり前、です。
オークション、フリマは極力避けてください。
タチの悪い業者があまりに多すぎます。
例外としては、信頼出来る出品者を見つけた場合ですね。
私も「この人なら間違いないな」という方が何人かいます。
こればかりは運と出会い次第なので難しいですが。
繰り返しますが基本的におすすめ出来ません。
最後の手段、失敗して当然、くらいには考えてください。
3:おすすめの中古カメラショップ
●北村写真機店
新宿の有名店。
お洒落度、品揃え共に1級です。
値段は全体的に高めですが、安心感は強いですね。
はじめて買う、という人におすすめ。
●2nd BASE
秋葉原に居を構える、若者向けショップの代表格。
店構え、品揃え共に良く、古いレンズが欲しいなら第一候補でしょう。
お値段も手頃で初心者の方にもおすすめします。
●FLASHBACK CAMERA
海外製のレアレンズならこの店。
先ほど書いたXenonなど、扱いが難しいレンズでも状態の良い物が揃っています。
信頼性重視なら私はまずここを選びますね。間違いがないです。
●Foto Mutori
深淵の中の深淵。まさに魔境。
他では見たことも聞いたこともないレンズがごろごろしています。
ディープさでは屈指のお店でしょう。カメラ屋というよりアンティークショップに近いですね。
個人的にも非常にお世話になっています。
ひっそりとしたお店なので、少人数での訪問をおすすめします。
なお、オールドレンズについては、中古最大手のマップカメラはあまりおすすめしません。
古いレンズに関しては値付けが明らかに高い&状態がいまいちなものが多いので……
専門店を訪ねた方がいいですね。
4:おすすめのオールドレンズ本
以前の記事でも取り上げましたが、幾つかを。
網羅的な一冊。
オールドレンズ世界を一通り見るのに最適ですね。カタログとしての使い方も出来ます。
6年前と、少し昔の本ですが、未だに優れた教科書です。
こういう本はかえって少なくなっているのでむしろ貴重じゃないかな。
通読すればオールドレンズのいろはがわかります。
オールドレンズでのポートレート撮影に特化した貴重な一冊。
映画用のレンズ——シネレンズにもページを割いており、貴重な情報が多いです。
ポートレートメインの方は持っておくべきかと。
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