口先ばかりのダイバーシティからの脱却を!

日本は、残念ながらダイバーシティー後進国のようです。
女性の社会進出は進んだと言いますが、
相変わらず非正規雇用が多く、女性の管理職登用は驚く程少ない数字です。

世界経済フォーラム(WEF)が2021年に発表した
「ジェンダーギャップ指数」は、国別の男女格差を数値化した調査です。
日本は世界156 か国中120 位(前年は153か国中121 位)で、
主要先進7か国(G7)では最下位です。

日本では、2015年に成立した女性活躍推進法等によって、
女性就業者数や上場企業の女性役員数が増加、
民間企業の各役職段階に占める女性の割合が着実に上昇しているなど、
管理職に就く女性が増える土壌が形成されて来たとされています。
しかし、諸外国と比較すると、まだまだです。
女性人口に占める女性就業者の割合(51.8%)こそ大きな差はないものの、
管理的職業従事者に占める女性の割合(13.3%)はとても低い水準です。
また、上場企業の女性役員の割合は10.7%と、
諸外国と比べて著しく低いのが現状です。

性別から年齢差に目を移してみます。
例えば転職市場。
ここでは、ある転職サイトのTVCMのコメントのように
『お〜この年齢で、この経験かぁ』という人物を求めているようです。
40歳という年齢が一つの基準で、50歳以上の転職となると
ヘッドハンティング以外は非常に厳しいというのが現実です。
まずは、年齢でふるいにかけられます。

LGBTに関しても、未だに偏見が多いように思います。
どこかアンタッチャブルな扱いにしている事が、
私には寧ろ違和感になっています。

若くて、給料が安くて、自走出来て、
雇用側は気を使わなくても良いけど気配りが効いて、、、
そんな人、いますか?

この状況は、バブル崩壊後の日本経済の停滞の象徴のように思います。
『安くて良いもの』が正義のように扱われ、
結局30年も給料が上がらない国になってしまいました。

『若くて給料の安い人材』
若いと経験が浅いのは当然です。そのため育成が必要になります。
しかし、育成人材の採用には興味が無い企業がほとんどです。
『自走』するには、トレーニングが必要です。
これもオフィシャルな研修で済ますケースが多いのでは無いでしょうか?
本当は、日々の実務を通じて指導してくれる人材が必要と思います。
『放っておいても、稼いでくれる人材』
そんな若手や中堅は、すぐに他社に抜かれます。
こうして企業のダイバーシティは表面的な物に止まっていると感じます。

口先ばかりで
『ダイバーシティ』、
『SDGs』
と綺麗事を見聞きするのには飽きてしまいました。
国際競争力を失った日本の再生には、
腹の中から湧き出るような『ダイバーシティ』が必要なのでは無いでしょうか?

私は、正社員管理職・顧問・業務委託・役員という立場を経験しています。
その全てにおいて、支えてくれる方に恵まれて来ました。
生意気な若造時代に、真面目に喧嘩して育ててくれた車椅子のベテラン上司、
駆け出し管理職の私を懸命にサポートをしてくれた女性社員、
スタートアップ企業の組織作りという取組みに挑戦させてくれた若いLGBTの社長、
女性ならではの気配りで、私の不足を埋め合わせてくれる在宅勤務のママさん社員、
今の私を育て、支えてくれたのは多様性に満ちた方々との出会いです。

転職も登用も、性差や年齢、指向を超えた
人物と能力を見極めて行く必要を感じています。
会社の成長、働く者の目の輝き、
日本の元気のためには真のダイバーシティが必要だと感じています。

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