ダロワイヨ My Maca(マイ・マカ)の考察
先日のFacebookで投稿したダロワイヨのMy Maca(マイマカ)について、マーケティング施策としての感想を簡単に書きましたが、あの時考えていたことをもう少し解像度高く分解して言語化してみました。
My Macaの概要
・1,000円でMy Macaカードを店舗の店頭で購入。
・1ヶ月間、1日1個、カードを購入した店舗で好きなマカロンを受け取れる。
・期限が切れる5日前から翌月の継続購入が可能
といういわゆるサブスクのモデルです。
(ちなみにこのMy Macaはこの9月で開始から1周年を迎えるとのことです)
ここでのキモは、言うまでもなく「カードを購入した店舗でのみ受け取れる」と言うリアルの施策に落とし込んでいる所でしょう。
ビジネス面での考察
さて、この商品(サブスク)がビジネスとしてどうかと言うのを考えてみます。
(ここではビジネス面=売上・利益の観点とします)
・商品価格:1,000円
・ダロワイヨのマカロンの単価:200円
と言うことは、ユーザからすると5個受け取れば元が取れてしまう訳ですね。
逆にダロワイヨ側から見ると…
仮に1ヶ月30日として毎日もらうと30個。
200円×30個=6,000円
1,000円-6,000円=▲5,000円
(▲はマイナスを表します)
なんと、1人あたり月に▲5,000円の赤字になるリスクがある訳です。
これはキツい!
しかし、ここで効いてくるのが先ほど書いた「カードを購入した店舗の店頭でのみ受け取れる」と言うかなり限定したリアルに落とし込んでいる所。
実は、生活の動線状にダロワイヨの店舗がないとなかなか行けないし、当然毎日店頭に行ける人はほぼいないでしょうから、月間の1人あたり受け取り数がいくつになるかが、このビジネス単体で考えたときのポイントになります。
さて、冒頭でこのサービスが1周年を迎えたと書きました。
つまり会社としてビジネスになっていると判断している訳ですね。
この場合、以下3つのパターンが考えられます。
❶実はこのMy Macaビジネスの月間の1人あたり平均受取個数は5個未満である。つまり単体で黒字化=ビジネスになっている。
❷流石に単体では黒字化していないが、実はクロスセル※も含めると黒字化している。
※クロスセル:ユーザがマカロンを受け取りに店頭に来た際に、「あ、これも美味しそうだから買っちゃおう」と思って他の商品を購入したり、店員さんが「こちらの商品も評判ですよ」と言う感じで声掛けして追加購入が発生すること。
❸クロスセル分を含めても赤字かトントン、もしくは若干の黒字程度だが、マーケティング面でのメリットが大きい。
個人的には❶はあまり考えられず、❷も短期的なクロスセル分でそれほど大きな黒字になるとは考えづらく、本命はやはり❸なのかなと思います。
そこで以下❸のマーケティング面を深堀していきます。
マーケティング面での考察
マーケティング面で考えた時に、My Macaの大きなメリットは、一人のユーザが店頭に来店する回数が増えることだと推察します。
通常、企業はタッチポイントを増やし、さまざまな施策を行って、ユーザとの接触回数を増やそうとしています。
それがMy Macaでは、一番おいしいリアルのタッチポイント(=店舗)で接触回数を増やせるのです。
一人のユーザーが一つの店舗(嗜好品販売のお店)に月5回以上来店するなんてことはなかなかないことですよね。
ではリアルのタッチポイントで接触回数が増えると何が嬉しいか?
・ブランドの認知度が向上する。
・リアル店舗への来店回数が増えることで、ブランドへのロイヤリティが向上し、ロイヤルカスタマー化しやすい。
・店頭でのコミュニケーションが増えることで、ユーザの生の声を拾うことができる。
などが考えられます。
さらには、店頭で従業員がユーザから喜びの声を直かに聞くことが増えているようです。
(日経クロストレンドの記事でダロワイヨジャポンの吉岡社長が答えられていました)
これは従業員満足度(ES)の向上にも寄与しますね。
まとめ
このように改めて言語化すると、My Macaはマーケティングの観点で非常に大きなメリットがあることが分かりました。
そして何度も書いていますが、このサブスクのキモは
「カードを購入した店舗でのみ受け取れる」
と言うリアルの施策に落とし込んでいる所ですね。
さてさて、長々と書いてしましましたが、自分の思考を分解して言語化する良い練習になりました✨
最後まで読んでいただきありがとうございましたm(_ _)m