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1番辛かったことを振り返る 借りてないのに借用書編

過去の清算、振り返りをすべく、自分勝手ではありますが、1番辛かったことを振り返るnoteを書いております。

前編となる ボーイ編 はこちらです

中編はこちらの 時給500円編 となります

「「「「「「「「「「

2005年6月の終わり。
ようやく手にすることが出来た、船出の切符。
出口を照らす明光。ただ父親の病もあったので心境は複雑ではある。

出発は1か月先。
この2か月も長く感じたがここから先の1か月を思うととても長く感じられる。

先にあがっていたKさんにも部屋に戻り報告。
「ホンマかwwwよかったなぁ。」
今日は祝杯!

冷や汗をかくような緊張感も薄れてしまった。
開店準備もスカウトもこの時間はお金は出ないけど、淡々とこなす。
そこはもはやどうでもいい。

辞めさせてもらえる。
と思うと感謝の気持ちで、身が入っていく。
不思議だった。
ルンルン♪ていうんでしょうか。

無理をせず、無難に、日々を過ごす。
通りにお客さんが少なくて、閉店も早まって早く帰れればラッキー。
この頃の布施ってすでに人がいなかったんですよね。

クラブやキャバクラのキャッチとの取り合い。
常連さんを見つけると声かけさせてもらえれば大体来店いただけるのでありがたかった。

不思議だったのが、よく来てくれるお客さんこそ1セット目から通常料金なこと。値引きなしだし、税サ別。
「いつもありがとうございます!お安くしときますね!」
とはならないのです。
あと、指名がある人も通常料金。
(消費者目線でしか見れてなかったですね)

いよいよ。7月最終日。
今日が終われば自由になれる。
仕事が終わったら早朝に実家に帰る算段。

外回りが終わって今いるお客さんが帰られれば終わりとなるため、店内で過ごす。

店内は割と埋まっているので少し長くなりそうだ。
僕は2人組のお客さんの延長交渉に向かった。

「お時間10分前です。延長の方、いかがでしょうか?」

会話をしながら、何度か
「いかがですか?」
と聞いてしまったようだ。
このあたり記憶がないのだが、お客さんは延長をせず、帰ることとなった。

少しあとに、インカムで副店長が店内の様子を確認後、落ち着いてるとのことで、「ちょっとオマエ。フロントに来い」と呼ばれる。

(なんだ。。。??)

「お前さっきの客に何したんや。」
イキった感満載で僕に言い寄る。

「延長交渉に行きましたけどダメでした。すみません。」

お客様がお帰りの際、フロント(店前に突然お客様が入って来たりしないように一人必ず立っている)の副店長に

「(居たかったが)あいつの延長交渉がしつこかったから帰る。」

と言って帰ったというのだ。

「お前どうしてくれんねん。」

どうしてくれも何も帰っちまったもんはどうしようもないから
「キャッチいきます!」
って言ったけど、
「もうええ。」ってなって。

帰ったお客さんは不機嫌な素振りもなかったから、まさかでした。
いや、そういうものなのか???

最後の最後に。なんでこうなるのか。

このことは店長にも当然伝わる。今日はオーナーもいる。

もうええ。ってミスを挽回することも出来ず、
夏の暑さとこの状況にべったりとした冷や汗をかく。

その後、お客様は全員帰り、閉店作業を終える。
キャストさんや他のボーイ達は先にあがらされ、僕は残された。

対面の2人掛けソファー席の片側に僕、向かいに店長。
通路を挟んだ同じ向きのソファー席にオーナー。
壁によりかかりこちらを見ている副店長。

「詰められるっ。。。」
冷や汗が出尽くして脂汗。

店長、開口一番。
「どないしてくれんねん。」

いや、どないするも何も今となってはどうしようもできない。
「しつこくいったつもりはないのですが。。。」

言い訳するしかできなかった。

オーナーが珍しく口を開いた。
「1人の客が逃げたら10人の客を逃がしたようなもんや」
「あの客逃がしたんはデカい」
みたいなことを言っている。
(ふざけんな、どんな理屈や。。。)

と内心思いながらとにかく黙ってこのまま時間が過ぎ去って解放されるのを待とうとした。

「おい、Sやん。(副店長のこと)借用書持ってきてや」
店長がいう。(この「10人の客」のワードでピンと閃いたのかな。。。)

話がエスカレートしていく。
「10人の客が逃げた言うことは100人の客が逃げた。」
それは言い過ぎやないか?!)

逃げたお客さんの友達やそのまた友達も来なくなったってことなんだろうけど、わかるけど、でも空想で詰められると何も言えなくなる。

その理屈で、借用書に50万書かされることになった。
最初は書かなかった。というか書けなかった。
書いたらダメだと思った。

10分、15分ほど時間が過ぎたころ。
オーナーがペットボトルでバァン。。バァン。。とテーブルをたたき始めた。
「はよせ~やぁ~。」

結局、書きました。拇印も。。。
罰金として50万。

また(8月のなかばになったら)連絡しろ。
と店長に言われ、開放された。

もやもやした不安を抱える中、早々に実家に戻った。

親には何も言えなかった。

そして、たまたま見つけた広報の広告に出ていた弁護士さんへの法律相談。
5000円/時で安かったから少し話だけでも聞いてもらえれば安心できると思い申し込んだ。

結果、罰金50万は違法。(罰として与えられるのは支給額の10%以内だそうです。)
借用書も無効。(現金をもらいましたか?もらってませんよね?控えもない。)
これを聞いてとても安堵しました。

その帰りに、ドコモへ寄って携帯電話番号を変更してもらった。
もうこれであちらからかかってくることはない。

8月の半ばになっても僕は連絡をしなかった。
最後の給料。手渡しの為、取りにいかなければならなかったが、怖すぎて取りにいけなかった。1か月分給料飛んだので本当にきつかった。

もう関わりたくはないけど、
給料は残念だね。で済むが、
連絡をしなかったということは、やり残してしまったことと同じようにずっと心に残るものですね。
まるで卒業する時に告白出来なかった中学の頃のように、
【もししていたらという未来】について知ることは出来ない。

僕は店長に連絡することをやり直しすることはもう出来なくなった。
その後、店長、副店長もやめてしまい、再開発がされ、今はお店もない。
再開はかなわない。勝手ではあるが、今となるとちょっと残念である。

こうして振り返ることで自分の中で細かい部分までようやく消化出来た気がする。

僕はこの辛いことがあったから今日まで体を使ってやってこれた。
辛い環境はあの頃に比べれば全然大したことじゃない。
あれを乗り切った俺はどんな辛い仕事でもやれるぞ!と自信に満ちていた。
落ちこむことはあっても、仕事のハードさに対する耐性はここでついた。

今まではそれでよかった。
連勤。ハードに働いていればよかった。

体はいつまでも若くはないから今後について考えなければならない時に来てしまいました。

今までを否定することになります。
となると変わるには勇気が必要です。

変わるには変わろうとしないと変われない。

少しでもいいからはじめてみませんか。


ここまでお読みいただきありがとうございました。
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明日、月曜日はきみーです!



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やっしー
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