AutoItによるプログラミング_コンパイル編
コンパイルについて
ソースコードは、あくまでテキストデータですので、そのままではパソコンで動作させることはできません。
パソコン上で動作させるには、コンパイルというソースコードをパソコンで実行可能な形に変換する作業が必要になります。
簡単なソースコードを作成する
コンパイルは上記の通り変換作業であるため、コンパイルをするためには、その対象となるソースコードが必要になります。
今回は1行で済み、またAutoItでプログラミングをしていく上で、デバッグ(不具合がないかを確認する)作業をする際によく使う「メッセージボックスを表示する」というソースコードを作成してみます。
先ずはSciTEを実行します。
起動したら、「MsgBox(0,"TestMessage","Hallow World")」と入力します。
このプログラムの内容を簡単に説明すると、「MsgBox」が括弧内の記述に従ったメッセージボックスを表示する、括弧の中身が、まず「0」がOKボタンのみ表示する、"TestMessage"がメッセージボックスのタイトルを「TestMessage」とする,"Hallow World"がメッセージボックスに表示されるテキストを「Hallow World」とする、となります。
入力したら、任意の場所に保存します。
因みに、ソースコードファイルの拡張子は「.au3」となります。
コンパイルする
ではコンパイル作業を実施します。
メニュー欄にある「ツール」内の「コンパイル」を選択します。
このような画面が表示されます。
まず1つ目のタブの各項目について説明します。
・AutoIt3 version to use
使用しているAutoItのバージョンです。基本的に安定している正規版を使うのがよいと思いますので、デフォルトのままでOKです。
・Source
コンパイル対象のソースコードを指定します。SciTEで開いているソースコードが自動で入力されているので、デフォルトのままでOKです。
・Output type
出力形式です。基本的に誰でも実行可能な形式にすると思いますので、デフォルトのEXEのままでOKです。
・Target x86、Target x64
コンパイルしたファイルの出力先です。何も入力していない場合、ソースコード格納場所に出力されます。
・Icon
アイコンの画像を設定できます。ファイルはico形式です。オリジナルアイコンを設定すると格好良くなるかも。
・FileInstallCompression
出力するファイルの圧縮率です。ここは「Normal」にしておくと、アンチウィルスソフトで誤検出される場合があります。なので、「Lowest」(圧縮しない)を選択します。ファイルサイズが大きくなり、また実行ファイルから中身を解析されやすくなりますが、ウィルス判定されるよりかはマシだと思います。
・Output arch
その他のオプションです。
デフォルトでは64ビットOS用の実行ファイルを作成する「Compile X64 version」にチェックが入っていませんが、32と64ビット両方に対応できるようチェックを入れておくとよいと思います。
「Use UPX」は、UPX圧縮を使うかどうかです。デフォルトでチェックが入っていませんのでそのままでよいのですが、これにチェックを入れるとアンチウィルスソフトで誤検出される可能性が高まるため取り上げました。チェックは入れないままにした方がよいと思います。
上記入力後の画面は以下になります。赤枠内の部分が重要箇所です。
次のタブについて説明します。
まぁ必須入力項目ではないのですが、あると出力ファイルの情報に色々と表示されます。
では各項目について説明します。
・Comment
コメントです。特に書かなくても問題ないです。
・Description
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「ファイルの説明」に表示される内容です。タスクマネージャーのプロセス画面にもここの内容が表示されます。
・FileVersion
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「ファイルバージョン」に表示される内容です。
・ProductVersion
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「製品バージョン」に表示される内容です。
・ProductName
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「製品名」に表示される内容です。
・CompanyName
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「著作権」に表示される内容です。
・LegalCopyright
日本語に訳すと「法的著作権」です。どこに表示されるのかそもそも表示されるのかちょっとわかりませんが、個人で作る分にはCompanyNameと同じものを入力しておけば問題ないかと思います。
・LegalTradeMaerks
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「商標」に表示される内容です。
・Language
Exeファイルのプロパティ内の詳細タブにある「言語」に表示される内容です。
・RequestedExecutionLevel
実行レベルです。デフォルトのままでOKです。
・Extra resource Fields
日本語に訳すと「追加リソースのフィールド」です。どこに表示されるかそもそも表示されるかわかりません。何も入力しなくてもOKです。
・Save a copy of the Scriptsource in the output program resources.
日本語に約すと「スクリプトソースのコピーを出力プログラム リソースに保存します。」です。チェックを入れなくてOKです。
一通り入力した画像が以下になります。
これでコンパイルの設定は終わりです。「Compile Script」ボタンをクリックすることで、この設定の保存とコンパイルが実行されます。
「Save Only」ボタンはコンパイル設定の保存のみを行います。
コンパイルを行うと、Exeファイルが作成され、先程入力した内容がソースコードにも反映されます。
出来上がったExeファイルのプロパティを見ると、先程入力した内容が表示されます。
作成したプログラムを動作させる。
作成したExeファイルを実行すると、以下のようにメッセージボックスが表示されます。
さいごに
コンパイル編の説明は終了となります。
これで、開発環境の構築からExeファイルの作成までできるようになりました。
あとはプログラムを思うままに作成するだけです。
次回以降、AutoItプログラミングの基礎の解説や、私が作成したソフトウェアの紹介等を記事にしていきたいと思います。