2022 The Best Movies & Streaming Series
今年観た中で年末まで印象に強く残った映画とストリーミングのドラマ、10作品ずつ選びました。詳しい感想はそれぞれの作品のFilmarksまでどうぞ。
映画
RRR
Nope / ノープ
マイスモールランド
私ときどきレッサーパンダ
画家と泥棒
アテナ
THE BATMAN-ザ・バットマンー
カモン カモン
THE MOLE(ザ・モール)
スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
・RRR
これは選ぶ人も多いと思うのですが、観るエナジードリンクというか活力源というか。自分が鑑賞中に今年一番驚いて笑って泣いて燃えた作品でした。いまだに下のナートゥナートゥ映像を観るだけでちょっと涙ぐみます。こんなご時世じゃなかったら、応援上映とかめちゃくちゃ盛り上がれたんだろうな。ここまで圧倒的なパワーで寄り切られる心地よさを劇場で感じたことはなかったです。最も好きなシーンはお屋敷突入、からのアニマル大放出。劇場で、横1列誰もいなかったので人目もはばからず手を叩いて大笑いしていたのですが、ふと『こんな幸せな映画体験が今後どれくらいできるんだろうか…』という想いからそれが号泣に変わってました。悔やまれるのはIMAXで観てないこと…俺のバカバカバカ。
・Nope / ノープ
考察系の今年最高峰。観終わって『なんじゃこりゃ?』で色んな人の考察を見聞きし、思い出してはどんどん好きになる作品でした。うちで飼っている犬(トイプードル、2歳)がある時しつこく自分の親指を舐めてくるなーと思ったら、ささくれからうっすら血が出ていたのを一心不乱に舐めていた、ということがあり、チンパンジーのゴーディくんを想いながら『あぁ、この子も動物なのだなぁ…油断してたらこの子に襲われて喰われる可能性もゼロじゃないよなぁ…』と今までとは違う目で見るようになりました。そんな映画です(どこが?)。とにかく「あれ」の造形には開いた口が塞がらなかったです。変なこと考えるよなぁジョーダン・ピール。
・マイスモールランド
年末のベストでこの作品の名前をあまり見ない気がしますが…素晴らしい作品でした!で終わってはいけないし、今、苦しんでいる人がいるのを忘れてはいけないし、自分にも何かできることについて考えるのを止めてはいけないと思わせる力強さがありました。鑑賞後の川和田恵真監督と西川美和監督のトークイベントがとても良く、それも印象に強く残っています。
・私ときどきレッサーパンダ
もう少し時期が遅かったら劇場公開もあったのかな…大きなスクリーンで暴れまくるレッサーパンダが観たかったですね。この作品製作の中心的な役割を担った4人の女性にスポットをあてたメイキング/ドキュメンタリー『レッサーパンダを抱きしめて』もあわせて視聴推奨です。
・画家と泥棒
ラストに一番驚いた作品。『これ、ドキュメンタリー、でいいんだよね…』といまだに信じられないんですが。とにかくこのバルボラ・キシルコワという画家の行動力(と言って良いんだろうか?)が凄すぎて…絵の雰囲気は写実的で好きなんですが、彼女の描く絵に現実が飲み込まれていくような恐ろしさがありました。
・アテナ
こちらもNETFLIXで一緒に配信されているメイキングと合わせての視聴を推奨します。冒頭の長回しの緊張感からぐいぐい引っ張られ、エンディングで「あぁ…」と言葉を失うという。完全な悪人はいないけど、悪人と善人の間でそれぞれを利用しようとする者、平和な状態では困る者が真の悪人に最も近い気がしました。やはり今年観た『ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い』というドキュメンタリーにも同じような勢力がいましたが。相手を理解しようと努めること、連鎖を止めるために赦すことについて思いを馳せます。
・THE BATMAN-ザ・バットマンー
決して誉められない危うく脆い闇のヒーロー誕生譚。最高じゃないですか!カーチェイスのシーンが大好きです。クリストファー・ノーラン版のようにハイテク系ではないけど、あの炎の中から再度現れたバットモービルに惚れました。Filmarksの感想では「劇伴が良かった」って書いてるものの1ミリも思い出せないので年末年始にもう1回観たいです。
・カモン カモン
正直なところ、表面的な人付き合いになりがちな自分にとって、この作品を観た後は『嫌なところをついてくるなぁ…』という気持ちでいっぱいでした。自分のことを曝け出すなんてまっぴらごめんだし、逆に人に曝け出されても困るだけ。でも、気が付いたら自分の人生にまともにぶつかって向き合ってくれる人ってどれくらいいるんだろうか?ただ人にナイスにしていればそれでOKの事なかれ主義でやり過ごしてない?自分さえ良ければ、になってない?そんなことを考えさせられる作品です。
・THE MOLE(ザ・モール)
「政府は自分を見捨てていない!」とか「俺はこの国に生きていて良いんだ!」と国民に思ってもらえる政治や政策がいかに大切かを思い知らされる作品でした。そう思えなかった人達が行き着く極端な行動がいかに危険かをここ数年見てきたし、選挙で国を変えようとしても多数政党の政策から取り残されたと思う人達は結局過激な行動を起こすという…どうすりゃいいの?状態です。そんな行き場のない人達に手を差し伸べ支援するふりをして近づき利用する組織、それを裏で糸を引く国…。
・スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
もう約1年前の事なのか…上映前に劇場があんなにも興奮に包まれているのを感じたのは初めてでした。お客さんの一体感、そして期待を上回るいくつものサプライズ。劇場で息をのむ音が聞けたのも初めて。MCUにおいてスパイダーマンがいかに特別な存在かを痛感しました。2022年はフェイズ4の映画作品がこれ以降『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』『ソー:ラブ&サンダー』『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』と3本公開されましたが、スパイダーマン後はいずれも話も作品も停滞している感がありました。年明けの『アントマン&ワスプ クワントマニア』から始まるフェイズ5ではまたフレッシュな展開を見せてくれることを楽しみにしています。
という10本でした。話題になったもの、気になったものでも見逃している作品も多く、2022年はフットワークが軽くなかったのを反省しています。2023年は計画的に時間を作って劇場に足を運ぶ回数を増やしたいです。
ストリーミング(ドラマ)シリーズ
今年はドラマあんまり観てないんですよね。同じ時間を使うなら映画を観ようかな?って考えてしまって…でも観たら観たで超面白い作品が沢山あったので以下10選です。
ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4
ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
ウェンズデー
ザ・ボーイズ シーズン3
リンカーン弁護士
ナルコの神
ムーンナイト
シー・ハルク:ザ・アトーニー
39歳
一流シェフのファミリーレストラン
・ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン4
シーズンが進むごとにパワーダウンは否めないのがこの手のシリーズものの常だけど、シーズン4にきてまだぐいぐい引き込まれるなんて!判明する謎、更なる混沌、キャラクターの成長譚、結束、新しく加わる者、退場する者、全てが魅力的。今回も音楽の使い方は神がかっていました。今回も「Running Up That Hill (A Deal With God)」「Master Of Puppets」の全世界的なリバイバル・ヒットが生まれることに。それ以外にもMusical Youth「Pass The Dutchie」の掘り起こしは個人的に嬉しかったです。
・ウ・ヨンウ弁護士は天才肌
今年のドラマ弁護士その1。自閉スペクトラム症という発達障害については名前は知っていましたが、こういうことかと。ただ、第3話「ペンスでいきます」でも語られていたように、障害の程度は人によるので、自閉スペクトラム症だから同じようにできるとか、同じようにできないとかではなく、個々を見て考える必要がある、というのはこのドラマを見て改めて感じました。それは障害の有無関係なく、人間同士なら皆そうなんですよね。他人と同じようにできるとかできないとか比べるのがナンセンス。ただ、そうなると対峙するのは自分になり、実はそれが孤独で一番厳しい。でも自分なら自分で変えられる…なんてことを考えました。このドラマが人気になる世界は捨てたもんじゃないな、と思います。急に健康に不安を覚える上司、共感します…健康が一番。ウ to the ヨン to the ウ!の振りはTikTokで何度見たことか。そんな影響の広がり方も面白かったです。
・ウェンズデー
『アダムス・ファミリー』といえばMCハマー、というくらいには『アダムス・ファミリー』に思い入れのない自分もハマった一作。ウェンズデー&イーニッドのコンビがとても好き。ホラーが苦手な自分にしては今年はホラーをたくさん観た気がします(世相を反映してか?ホラー作品の制作が増えているのでは?)。どっちかというとミステリー方向で楽しんだ気も。謎解き的な。
・ザ・ボーイズ シーズン3
安定の面白さでした。完全にMCUやDCをおちょくりに来ている姿勢が好きです。あらゆる方向へのバカさ加減(誉め言葉)がシーズン3にきて振り切れたなと。スーパーパワーVSスーパーパワーのインフレに次シーズンでどう決着をつけるか?スピンオフも楽しみ。
・リンカーン弁護士
今年のドラマ弁護士その2。あんまり話題になってないのが不思議。こんなに面白いのに!色々問題を抱えた弁護士大杉問題。
・ナルコの神
韓国エンタメ界の芸達者な豪華キャストによる潜入もの。ファン・ジョンミンは良い役でも悪い役でも優勝。宗教が果たす役割について考える2022年。
・ムーンナイト
考察系ドラマとしてとても面白かった作品。考察しきれたとは言えないけど。闘うシーンがここまで極端に少ないヒーローものも珍しいかも。続編あってほしいですねぇ。カバちゃんがかわいかったですねぇ。スカーレット・スカラベがかっこよかったですねぇ。
・シー・ハルク:ザ・アトーニー
今年のドラマ弁護士その3(正確にはマット・マードックもいるのでその4含む)。Megan Thee Stallionのカメオ出演もあり、楽しんで観ていたら最終話でまさかの展開でした。これまでの型を壊す試みがいくつか示されたフェイズ4。シー・ハルクも早めに次の作品での登場をお願いしたいです。
・39歳
韓国ドラマでは必ずと言っていいほど登場するいくつかのテーマ(友情・恋愛・貧富の差・不治の病と死・子供の生き方を否定する親。あと財閥が入ってればコンプリート?)を揃えても、ありきたりの作品にはならないのが韓国ドラマの面白いところ。俳優さんが魅力的なのが最強。
・一流シェフのファミリーレストラン
安易に思えた最終回にどうしても乗れなかったけど、レストランのみんなが嬉しそうだったから良いラストなのかな…それを除けば楽しく観ました。
以上、2022年の映画・ドラマ各10選でした。ありがとうございました。2023年もガンガン観るぞ~!おー!