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リアルポートレートNAGOYA2022について

去年のリアポを観に行った時に、レベルの高い作品が多数あるし、出展者も観に来た人も楽しそうにしている姿を見て「来年は絶対に参加しよう」と心に決めました。

そんなリアルポートレートNAGOYA2022も全日程を終えたので、思い出しながら感じだことを書いていきます。

作品撮りについて

実は申込み当初に予定していたモデルさんが活動を休止することになったので、夏頃からイメージを作り始めました。

僕が思っているリアポのイメージは作り込みの作品。そして僕が撮っているのはナチュラルなポートレート。

どんな路線で行くべきか?というのを凄く悩みました。普段の感じで足を止めてもらうことは出来るのか?でもやった事のない作り込んだ撮影をして良い作品が撮れる気もしない。もしやったとしたら「あの人、頑張ってHASEOさん風に寄せたんだろう」なんて思われるような気もして。

それで考えたのがその中間。作り込まない、けどコンセプトを考えてそこに寄せる。

それで最初に考えたのが、1990年代くらいのアメリカのギャングスタ。金ネックレス、ハット、葉巻、ティアドロップのグラサンなど。

リアポでこんなコンセプトの人はさすがにいないだろう?

そして今回モデルをお願いした蜜林檎さんとの撮影の時に、少しだけギャングスタっぽく撮影しました。悪くはないけどなんか違う。女性に男の格好をしてもらってもコスプレ感が強くなりすぎる。

それで路線を変更してオードリーヘップバーンのころの時代の女性のイメージにしました。

展示作品のセレクトと額装

今回はモノクロを1枚を印刷面でA1、マットを入れてB1の額装になっています。

リアルポートレート展示作品

僕が申込んでいたのが2枠なので幅が180cmありました。最初に悩んだのが、どうやってこの幅を埋めるのか?申込んだ当初は3〜4枚の写真をA2でプリントすればちょうどいいかな?なんてくらいしか考えてなかったんで。

でも複数枚で表現することの難しさに直面しました。撮影した写真を何回も何回も見て考えましたが、ぜんぜんピンとこない。

リアルポートレートは自分で自由に展示をする写真展でプロの評価や人気投票もある。その中で爪痕を残そうと思ったら中途半端な事はできないからかもしれません。

なので複数枚で見せるなら、パッと見たときに違和感を感じさせないことも重要かな?なんて考えながらレイアウトをイメージしたとき、上手く配置が出来ないのであれば複数枚展示は難しいだろうって思ったのです。

それなら1枚勝負。横写真を大きめにプリントしよう。でもそれでもハレパネでは弱い気がするから額装も必要だ。

ということでセントラル画材で相談して額装まですることにしました。

額装している写真を想像したときに、額もマットも白か黒が多いイメージでしたので同じ事をしてもきっと目立てない。

セントラル画材フレームセンターでいろんな額を見てシンプルだけどインパクトのある額装をと担当してくれた女性と話していたときに「このシルバーとキセルのハイライトを合わせては?」と提案をしてくれて決定。

見事に展示を観た方から「キセルとこの額が合ってる」って言ってくださる方がいたり、すごく好評だったので額装して良かったです。(高かったけど。)

おかげさまで入賞することができました!

リアポを見て感じだあれこれ

初参加のリアルポートレートNAGOYAだったので、なるべく観る時間をたくさん作って何かを感じようって思っていたので何回も観てまわりました。

リアポは初心者からベテランまで申し込めれば誰でも参加出来るのがいいところ。

なので当然クオリティの差が出る。リアポ常連やパシャスタイル系の人達は写真も展示の見せ方も上手い。ものすごく気合の入った展示をする人もたくさんいた。

そんな中で感じたことがいくつかあったのでまとめてみました。それを来年の展示のための教訓としたいと思ってます。

①展示がシンプルすぎると見劣りする

Twitterでは「手を抜くと」という表現をしたんだけどペラペラのパネル加工すらしていない写真を1枚みたいな展示だと言い方は悪いけどショボく感じました。

すごく気合の入った展示をしている人が多いなか、さすがにペラ1だと印象が薄い。それが昨年も展示していた人とかだと「この人、今年手を抜いたな」って感じたり。

やっぱり最低でもハレパネだと思う。みんな気合いが入ってるから、下手したらぜんぜん見てもらえない可能性もあると思う。

②枚数が多い組写真は難しい

僕は写真喫茶エスに入っているし、shinya写真塾1期生だから高橋伸哉さんの講評は何回も聞いています。

その中でよく言っているのが「この1枚なかったら」という言葉。トータルバランスで観るからこそ1枚の違和感ですべて終わる。だから枚数が多い組写真は何かを感じられやすい気がします。

・この写真いる?
・この枚数必要なの?
・これとこれ似てるからどっちかいらなくない?

などなど。たぶんこんな違和感を感じられた瞬間にプロからの評価対象から外れるんじゃないのかな?リアポは出展者が多いから変なマイナス評価のない人もたくさんいると思うから。

正直、複数枚展示している作品を観て、僕ならこれいらないって感じた人も何人かいたし、プロの人からそんな事を思われてる人もたくさんいただろう。

③SNSウケを狙ってる人のプリントは破綻していて酷い

もちろん誰とは言わないけど、Twitterで見かける人が展示していました。その人はフォロワー数も多くて、すごくいいねされてる人。

でも展示をみたら酷かった。たぶんSNS映えを気にしすぎてレタッチしまくってる。

過剰にレタッチしたモデルさんの顔、鮮やかに見せようと頑張った色合い、あとはきっとディテールを出そうとも頑張ったのだろう。

見事にプリントに耐えれてなくて、ものすごくプリントが汚い。しかもそんな写真を大きくプリントするから余計目立つ。

やっぱ写真はプリントして観ることが1番いいとも思っているからこそ、プリントした後を考えていない人の写真は見る価値もなかった。

SNSと展示は分けて考えた方がいいし、せめてプリントが仕上がったあとに作品を自分で見て「この写真は展示出来るのか?」くらいは考えた方がいいと思う。

④大きくプリントすれば良いと思ってる人もいる

リアポでどうやって目立つか?たぶん参加者の全員が考えている事だと思うのですが「大きな写真で目立とう」と考えてる人もたくさんいます。

もちろん僕もその考え方の1人ではあります。けど、そのサイズのプリントに耐えれるか?くらいの事はもちろん僕は考えました。今回はむしろちょっと荒くていいかな?って思ってたくらいだし。

セントラル画材に入稿したときも「A1でプリントして大丈夫だと思いますか?」って確認もしました。

たぶん大きくプリントをして荒くなりすぎた人達はそこまでは考えてなかったのだろう。自分が使ってるカメラの画素数、トリミングしてプリントに耐えれる画素数は残るのか?とかくらいは考えてサイズを選んだ方がいいと思う。

⑤展示をパッと見たときの違和感も割と気になる

猛者揃いのリアルポートレートだからこそ、ちょっとした事もすごく気になりました。

縦写真と横写真がチグハグでぱっと見で整理されていない、水平がズレている、写真のサイズが揃ってない、微妙に高さが揃ってない、色味が揃っていない。など。

仲間内のグループ展とかなら気にならないかもだけど、気合い入った人の多いリアポだとちょっと気になるな。

来年のリアポに申込たら

まだちょっと早いけど、もう来年のリアポについても少し考えてる。

今年は雰囲気重視でいきました。昔の雰囲気を出すのにあまりディテールがありすぎたらダメかな?とか考えて開放で撮ってるから割とボケてる写真です。

それでも雰囲気が良ければいいかな?なんて思っていました。

なんとか入賞できたし、たくさんの人から良かったとも言ってもらえたし、入賞出来ると予想をして伝えてくれた人もいました。

そういう意味では今回は正解だったとも思うのですが、来年も同じ事をやると今年以上の結果にはなれないと思う。2年連続で参加をすれば「去年の自分との比較」もされてしまうし。きっと、それなりに良くても「去年の方が良かった」と思われたら評価は下がるでしょう。

だから来年は雰囲気ではなくて、しっかりバチっと撮った写真を出したい。細部のディテールまでこだわった強い写真。

今までとは違う新しいチャレンジで、来年のリアポでも爪痕を残してみせる。

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