J2 21節 東京V vs盛岡 総評

最終スコア
東京ヴェルディ vs いわてグルージャ盛岡
2 - 2

全42試合のうち20試合目、コロナで延期した分をまだ未消化であるが勝ち点17で21位につけるグルージャ盛岡

ざっくりと総評
秋田監督お得意のターンオーバー兼コンディションの良し悪しでスタートを選ぶ指揮方法で今節はDFラインから牟田、田平、蓮川
中盤が左から南、石井、小松、宮市
3トップに色摩、オタボー、頭にモレラト

fc東京から移籍してきた蓮川、中盤の制圧に貢献できる小松あたりは注目の選手として試合を通してパフォーマンスを期待していた

前半

23分
東京V先制。1-0

試合は東京vの先制から始まる。DFラインの頻繁な変更と東京Vの選手を捕まえ切れない盛岡に対してオウンゴールというラッキーな形から東京Vが先行する。盛岡から見ればアンラッキーだという見方もできるが、直接オウンゴールした蓮川の前で南の無責任なランには反省してほしい。あの位置でゴール方向にただ通り過ぎるだけのランをされると後ろに遅れて走った蓮川の身としてはボールが見えなくなりゴール方向に動いているDFの選手に当たると、そのままゴール方向に流れてしまう。蓮川は頭を抱えていたが、割合的に言うと7割は南の失点だろう

前半終了 1 - 0

後半
オタボーに変えて奥山がin。今シーズン出番が少ないゆえ、アピールの機会。しかし投入直後には悲惨なパスをしてしまい絶望感を撒き散らしてしまう。J2の盛岡において、利き足ではない足でスーパーなクロスなんて期待していない。投入直後ということあり堅実にプレーしてほしい

そして70分
東京Vが追加点 2-0

蓮川の探りながらの持ち上がりをカットされショートカウンターから失点。どこか決定的なところにパスを通して役者になりたい、その気持ちと2点ビハインドで前がかりになるメンタルは分かるが、DFとしてただ奪われて数的不利を作り出すのは最もやってはいけない愚行である

86分。途中から入った和田が決めて
2-1

2-0にすっかり安心してしまったヴェルディの隙をつき、充孝のパスを同じく途中から入った和田が冷静に流し込み反撃の狼煙を上げる
続けて89分。クロスから流れたボールを中村充孝が押し込み

89分。2-2

ここまでトップ下の位置で試合の流れを読みポジションを取り続けていた充孝だったが、まさかあんなところにいるとは、といった驚きのポジショニングとゴールへの嗅覚を見せた素晴らしいシーンだった。ちなみに盛岡1点目のアシストも彼の仕事である

試合終了 2-2

現地に行ければ楽しい試合だっただろうと思う試合。ああいう粘り強い試合をホームでもやればまたスタジアムに行きたいというファンも増える。次は中3日で山形戦。残留のために順位の近いチームにこういった粘り強い戦いをみせ、勝ち点を削ぎ取ることは残留を狙うチームにとって必要なことだろう。

それでは最後にスコア評価

松山 6.5
東京Vの前に立ちはだかった。試合を重ねるごとに成長し、今日も彼のお陰で負けなかったといっても過言ではない
牟田 5.5
少し全体の統率に時間がかかった。攻撃面では決定機を2回作ってゴールを脅かした。
蓮川 4.5
1失点目は悔やむ必要なし。表面的に見ればオウンゴールをした選手として残るが、現時点で蓮川が盛岡の攻撃を牽引している。しかし2点目のやられ方は繰り返してはいけない。引き分けに持ち込めるスコアで負けているならもっと慎重にボールを運ぶべきだろう
田平 5.0
直接失点に絡む機会はなくところどころインターセプトを狙い全体を引き締めていた。危ないタックルでカードをもらうシーンがあった。厳しくアプローチするところの判断の精度をもっと上げれるか
南 4.0
1失点目、前半のFK。責任感の見えないプレーはチームに悪影響を与える。
石井 5.0
可もなく不可もないプレー。主導権を握られている、または中盤を省略するサッカーのときは彼の持ち味を表現しにくいだろう
小松 5.5
あまり目立たなかったが中盤の組み立てとボールの回収にじわじわ効いていた。運動量も後半あがり、パス回数も盛岡では唯一ランクインしていた。
色摩 5.0
特に目立たず。前半は東京Vに押し込まれたせいで攻撃において彼の持ち味はほとんど出せなかった。
オタボー N/N
あまり印象に残らず。特徴のないプレーは視聴者からすると見ていてあまり楽しいとは言えない
モレラト 5.0
フルパワーでプレーしても存在感を出せず。サイドに流れる動き、色摩、オタボーとの連携、全体の戦術を深く理解すること、効果的なポストプレー、それらを事前に準備するとやることは盛り沢山だが、うまく自分を活かす方法を模索してほしい。

途中出場
和田 7.0
途中からの出場で試合への入りも難しかったかもしれないが、貴重な得点を決めた。確実性のある彼のシュートは今の盛岡に必要なエッセンスである。インパクトのある特徴はないが、彼の落ち着きと確実性のあるシュートセンスは大きな武器だろう
中村充孝 7.5
1ゴール、1アシスト。Man of the match
1点目のアシスト。2点目のシュート。ともに落ち着きを見せた素晴らしいプレーだった。得点シーンはハーフバウンドで身体を被せればそれなりのパンチ力のあるシュートになるシチュエーションとはいえ、ニア上にコントロールし89分という緊張感が高まる時間帯で決め切れる彼の経験値と技術の高さはプロの技そのものだった

秋田監督 6.5
毎試合のメンバーローテーションで不協和音な箇所も出ていたが、交代で流れを手繰り寄せた。和田と中村充孝を60分という早い時間帯で投入したことは試合の主導権をじわじわこちらのものにして、来るべき反撃の機会に必要な下準備だったのだろう。結果的に2点差をひっくり返し同点でJ2の番人に引っ掻き傷を残した

次は15日、山形戦。したたかな戦い方で勝ち点を積み上げる山形に対しどんな策で挑むのか、とても楽しみである

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