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ハワイアンの祈りの場所『ヘイアウ』。
ハワイアンの祈りの場『ヘイアウ(heiau)』。ヘイアウは日本で例えると神社のように人々が神々に祈りを捧げるための場所だ。日本と同じように自然界すべてのものに神々が宿ると考えられており、特に四大神と呼ばれる神々に対して祈りを捧げていた。四大神とは以下の通り。
カーネ - ハワイの森と木の神。 カーネは、ハワイアンによって名付けられた偉大な神々の中でも最も重要な神であり、創造を象徴している。 カーネは夜明け、太陽と空、また生命を与える水、雷、虹に関連付けられている。
クー - クーは一般的に戦いの神として知られているが、ハワイの繁栄の神でもあり、深い森、山、農業、漁業の神でもある。 東(太陽が昇る方角)と男性(男根)や直立したものと結びついている。
カナロア - 海と黄泉の地(霊界)を司る神。
ロノ - ロノは平和、豊穣、農業、降雨、音楽を司る神。
日本の神社でも「勝負運(必勝・出世)」とか「金運・商売繁盛」とか「健康(病気平癒)」など、祀られている神々の専門分野があるのと似ている。
ハワイには畳半分ほどの小さなヘイアウから、サッカー場くらいの巨大なヘイアウまで実にたくさんのヘイアウがある。
実はヘイアウも同じで、代表的なものが以下の3つのタイプである。
① 「ルアキニ(luakini)」タイプのヘイアウ
このヘイアウは、政治や戦いを司る神である「クー」を祀り、高い身分のチーフたちの手で造られた。神に人間の神聖な魂(生贄)を捧げて祈願する場所であり、規模も大きく、精密に造られているヘイアウである。
代表的なものにオアフ島の「プウオマフカヘイアウ」(写真)、ビッグアイランドの「プウコホラーヘイアウ」などがある。
② 「ワイハウ(waihau)」タイプのヘイアウ
このヘイアウは、平和と豊穣を司る神である「ロノ」を祀り、このヘイアウのある場所では農作物が作られていた。ヘイアウの祭壇には貢物として、バナナ、ココナツ、豚肉などが捧げられていた。
代表的なものにオアフ島の「ハレオロノヘイアウ」、ビッグアイランドの「ヒキアウヘイアウ」(写真)などがある。
③ 「ホオーラ(hoʻōla)」タイプのヘイアウ
このヘイアウは、病を癒し治療するためのヘイアウとして、ポリネシア諸島の中でもハワイにだけ存在する。代表的なものが、オアフ島のケアイヴァヘイアウ(写真)。
かつては村に必ずひとつは必ずあったとヘイアウだったようだが、今では取り壊されてしまっている。
④ 「クーウラ(kūʻula)」と「コア(Koʻa)」
クーウラもコアもヘイアウではないが釣り人にとっての聖地。クーウラは海の近くに建てられた祭壇で、魚がたくさんやってくるように祈願して建てられた。釣り人はこの祭壇に貢物を置く習慣があった。
コアは石や珊瑚で作られた小さな祭壇で、海岸沿い、養魚池、川沿いに作られていた。釣り人はここでたくさん魚が獲れるよう祈りを捧げていた。
もちろん他にも、たくさん用途や目的に応じて造られた。
航海の安全や航海での星の位置を学ぶためのヘイアウ(下写真)、避難所(プウホヌア)として機能していたヘイアウ、また変わったところではヘエナル(サーフィン)のヘイアウなどもあった。また王族ともなるとその王族専用のヘイアウなどもあったらしい。
現在、ハワイにあるヘイアウはその土台だけが残されている場所がほとんどで、瓦礫のようにしか見えないかも知れない。しかしその土地のマナ(聖なる波動、氣、エネルギー)は今なお残されており、ハワイアンはいまでも祈りの場として活用している。
ハワイアンにとっての聖地であるヘイアウを訪れる際は、日本人にとっての神社仏閣を巡る時と同じような清らかな気持ちで、その土地の神様に祈りを捧げ、その土地とご縁をいただけたことに感謝の気持ちを持って訪れて欲しい。見えなくとも漂っているマナはきっと意識レベルを上げてくれるはずだし、ハワイと繋がるには古代ハワイの祈りの地を巡るのが一番早い方法かもしれない。
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