ハワイの創世神話『クムリポ』は日本の古事記にも通じるものがある。
日本にも古事記のような創世神話がハワイにもある。
『クムリポ Kumulipo』と呼ばれるもので、ハワイ王朝7代目の王カラカウア王によって公表されたものだ。
クムリポとは「起源」という意味で、もともとは代々王家に口承で秘密裏に語り伝えられてきた2102行から構成される神話の叙事詩で、1700年頃にロノイカマカヒキという王子の誕生を祝って作成されたと伝えられている。
その中で伝えられているハワイ諸島が誕生した神話の一部を覗いてみたい。
暗闇と光が出会い、海と陸地が分かれ、海と陸に多種多様な動植物が誕生し、そこから神々が産まれた。
父なる天の神は「ワケア」、母なる地の神は「パパ」と名付けられた。
やがて世界が明るくなり、神々が地上に降臨した。
ワケアとパパが 「みとのまぐわい(SEX)」 をしてハワイ島が誕生し、それに続いてマウイ島とカホオラヴェ島が誕生した。
その後、パパはタヒチに戻り、残されたワケアは2人の女性と浮気をしてしまう。
ひとりの相手はヒナで、彼女との間に誕生したのがモロカイ島だ。
もうひとりはカウラワヒネで、 彼女との間に誕生したのがラナイ島である。
そんな中、妻のパパはハワイに戻ってくる。
そこでワケアの浮気が発覚。
激怒したパパ。
なんと今度は自分がルアという男性神と浮気をし、オアフ島が誕生した。
その後、ワケアとパパは和解。(なぜ? どうやって?)
そしてさらにパパがワケアとの間の子としてカウアイ島とニイハウ島が誕生した。
とまぁ、「???」炸裂のすごい話なのだが、神話上のことなのでこれもよしとしよう。
実はワケアにはさらに後日談がある。
そちらもなかなかどうしてビックリな話なのだ。
ワケアとパパの間にはホオホクラカニという女の子も生まれた。
父であるワケアは、こともあろうに自分の娘に恋をし、子供まで作ってしまう。
最初の子、ハロアナカラウパリリという男の子は死産だった。
ホオホクラカニはその子を丁寧に埋葬したが、その場所から芽を出したのがハワイで最初のタロイモだった。
2人目の子にはハロアと名付けた。
このハロアはその後すべてのハワイアンの先祖となった。
ハロアは兄が埋葬された場所から発芽したタロイモを兄そのものだと考え、大切にして愛したおかげでハワイは繁栄していった。
古代ハワイでは主食されていたタロイモだが、ハワイの人たちがタロイモをとても大切にするのは、彼ら自身がタロイモの遠い子孫でもあると考えているからである。
創世神話は本当にすごい話だが、日本の 『古事記』 とどこか似ている。
遠く離れたハワイと日本だが、ハワイの歴史や文化を紐解くと不思議なことに日本との共通点がたくさん見られる。
そもそもの祖先は同じだったのではないだろうか。謎は深まるばかりだ。
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