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大自然の神々への信仰とハワイ固有の文化フラの聖なるスピリットの継承。

ハワイの神々は自然界との結びつきがとても強いと言う点で日本にとてもよく似ている。ハワイの神話では、ワケアとパパという男性神と女性神がハワイの島々を産み落としたという国生みの神話も、日本の古事記に登場する伊邪那岐と伊邪那美と非常によく似ているのだ。

ハワイを含むポリネシアの地域には四大神(カーネ、クー、ロノ、カナロア)のほか、火の女神ペレや半神マーウイなどが有名だ。他にも、lā(太陽)、'āina(大地)、makani(風)、ahi(火)、wai(水)など、自然を司る神々が存在する。
ハワイの神々は、自然を擬人化しているものが多く、また人間と神様の間に生まれたマーウイのような「半神」や、ペレの夫であるカマプアアのように動物と神様の両方の姿を持つ神も存在している。

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神々は人を祝福したり、懲らしめたり、呪ったりするパワーを持っていると信じられていたことから、畏怖と崇拝の対象となった。
例えば「ペレが怒ると火山が噴火する」とか、「豊穣を祈願してロノを崇めよう」とか、「戦いの勝利のためにクーをたたえよう」とかいうことだ。
擬人化させることにより自然界の神々を身近に感じられるようになり、共通意識を持たせることができるようになったのではないかという説もある。

初期の頃のフラのチャントの多くはこうした神々に捧げられるものが多く、フラも彼らを崇めるものが主流だった。こうした信仰的儀式であるチャントやフラは気軽に見られるものではなく、人々の生活もカプ(=厳しい規則)によって管理されていたと言われている。
神聖な儀式は生活全般に影響を及ぼすほど重要視されていた。アリイ(王族)が特定の神を崇めるために作られたチャントやフラは門外不出のものとして厳しく秘められていたのだ。

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キャプテン・クックが来島する頃までは、男女問わずフラを踊っていたが、男女は別々にわかれて踊っていたと伝えられており、フラと神々への祈りは密接に繋がっていたのである。
しかし1820年にアメリカから宣教師がやってくるようになると、それまでの神々への信仰や神聖なフラは迫害され禁止されてしまう。これ以降、ハワイの象徴でもあり固有の文化であるフラは厳しい時代を余儀なくされてきた。
しかしそれでも、神々が崇められていた遠い過去との繋がりは、水面下でその文化を継承し続けたフラを愛する人々の血のにじむような努力によって、今もなお生き続け、成長し続けているのである。

古典フラを踊り終わる時に言う言葉がある。

"He inoa no Hi'iaka i ka poli o Pele." ― ペレに抱かれたヒイアカの名によって

この言葉こそフラの伝統を継承する踊り手がヒイアカの魂=フラ魂を継承しようという宣言に他ならないのではないだろうか。女神ペレに可愛がられていた末の妹のヒイアカを暗示し、今なおハワイアンの心の中に変わらずたたえられているのである。

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