ラナイ島の聖地。
以前、『ほとんど情報がない日本人にとって一番未知のハワイ・ラナイ島のこと』というタイトルでラナイ島のことを綴った。
この島のことはほとんど情報がないが、実はこの島には聖地やパワースポットが点在している。今日はこの地の聖地やパワースポットについて紹介したい。
プウ・ペヘ(スイートハートロック)
ラナイ島の南、フォーシーズンズ・ホテルが面しているマネレ湾の近くに「プウ・ペヘ」と呼ばれる岩が碧い海に浮かんでいる。通称「スイートハートロック」という名前がついていて、以下のような伝説が残されている。
ラナイ島にいた若い戦士マカケハウは、マウイ島ラハイナで暮らしていた少女ペへと出会い、彼女の美しさに惚れました。
マカケハウはペへをラナイ島に連れて帰ると、ほかの男たちに見つからないようマネレ湾の崖の下にある海食洞に彼女を隠します。
ペへをひとり置き、食料を調達するために出かけたマカケハウ。
ところがその時、島には嵐が近づいていたのです。嵐の存在に気がつき、急いで彼女のもとへと引き返しましたが、そこで目にしたのは大波に飲まれたペへの亡骸でした。
深い悲しみに打ちひしがれたマカケハウは神々と先祖たちへ助けを求めます。24メートルある険しい岩を登るため力を貸して欲しいと。
ペへを抱え岩の上まで登るとそこに彼女を埋めます。そして後を追うように荒波へと自ら身を投げたのでした。
『アロハストリート』の記事より
https://www.aloha-street.com/article/2015/07/134087/
プウ・ペヘの頂上には石造りのプラットフォームがある。
考古学者の調査によると、ここからは神話にあるような人が埋められた跡は発見できず、たくさんの鳥の骨と貝殻が出土したと言われている。
ここは鳥を祀る祭壇でハンターたちが祈りの場として利用していたものかも知れないという見解が述べられている。
プウ・ペヘの別の解釈では「フクロウに罠を仕掛けた丘」と言われており、周辺は鳥の聖地であり、古代ハワイアンのハンターたちにとって神聖な土地だと考えられていたそうだ。
プウ・ペヘ周辺の海は海洋生物および野鳥保護区域に指定されている。
フォーシーズンズ・マネレベイ・ホテルが面しているフロポエビーチパークには野生のイルカが群れをなしてやってくることで有名だ。
ときには足が着く程度の浅瀬にまでやってきて数少ない観光客を歓迎してくれる。実はラナイ島はイルカ天国なのである。
イルカを見るならラナイ島。知る人ぞ知る、穴場情報かも知れないが、もちろんここのイルカは野生動物なので見られない時もあるので悪しからず。
カイオロヒア(シップレックビーチ)
ラナイ島の北部を通るルート440は、荒涼とした平野を抜け、美しく海を一望できる非常に気持ちのいい道だ。
この道路を最後まで走り、海岸沿いの未舗装の道路を突き当りまで走るとカイオロヒアがある。全長約13kmにおよぶカイオロヒアは別名「シップレックビーチ」と呼ばれている。
ラナイ島とモロカイ島に挟まれたこの海峡は礁が浅いことと流れが強いことで知られ、過去に数隻ここで船が難破しているのだ。
1824年、イギリス船アルダーマン・ウッド号はトラブルに見舞われ座礁したという初めての記録が残されている。
その2年後、金や銀の地金を積んだアメリカ船ロンドン号もまた同じ場所で座礁。
さらに第二次世界大戦中に座礁したリバティー号にいたっては、今もなおその錆び付いた船体を下の写真のように沖合いに残している。
かつてはここに灯台があったようだが、今ではその姿はなく、土台だけがひっそりと残されている。この土台がある付近にはペトログリフが残されており、この周辺一帯にかつては人が居住していた痕跡が残されている。
カウノルー・ビレッジ
ラナイ島の南西部に古代ハワイアンの住居跡が残るカウノルー・ヴィレッジという場所がある。ここは昔からたくさん魚が獲れる海としても有名だった場所で、カメハメハ王族の釣り場や居住エリアでもあったようだ。
そんな場所にカネアプア・ロックと呼ばれる大きな岩がある。この岩には次のような神話が残されている。
ハワイの四大神であるカーネとカナロアは島中をよくふたりで旅をしていました。ふたりはその昔、ラナイ島の南西部にある小さな村カウノルーに住んでおり、彼らと一緒に年の離れた弟のカネアプアも同居していました。
ある日カーネとカナロアは、乾いた喉を潤そうと弟のカネアプアにお使いを言い渡します。
「この島で一番高い山、ラナイハレにある泉まで行って水を汲んで来い」
ふたりの兄の面倒な注文に逆らえるわけもなく、カネアプアはしぶしぶ水を汲みに出掛けて行きました。
泉に着いたカネアプアですが急におしっこがしたくなってしまいます。我慢できなくなった彼は思わず泉の中にしてしまいました。
まだ水を汲んでいなかった彼は「しまった、まずいことをした」と思いましたが後の祭りです。
彼はそのまま水を汲むとふたりの兄が待つところに帰っていきました。
カネアプアの帰りを待ちわびていたカーネとカナロアは、あまりに喉の渇きに耐えられず、濁った水だなとは思いつつも一気にそれを飲み干してしまいました。
ほっと一息ついたところで、カーネとカナロアは泉の水にカネアプアのおしっこが混じっていたことに気がつきます。そんな水を飲まされたことにふたりは怒り心頭です。カネアプアをひとり置き去りにしてカーネとカナロアはラナイ島を出ていきました。
カネアプアのアプアという言葉には「反逆する」という意味があるそうだ。
兄のカーネに逆らうという意味でもあるカネアプア、その名前は今もカウノルー・ヴィレッジの大きな岩の名前として残されている。
ルアヒヴァ・ペトログリフ
ルアヒヴァ・ペトログリフは島の中央部にあるパラヴァイ盆地から島の西側へ向かって傾斜する標高1027mのラナイハレ山の麓に点在している大きな20の岩(玉石)に刻まれている。
このペトログリフのある場所はとてもわかりづらく見つけづらいが、場所さえ特定できれば約400ものイメージが描かれているので、一度にたくさんのペトログリフを間近で見ることができる。
彫られているイメージは年代ごとにテーマが分かれているようで、島内で一番バラエティに富んだペトログリフを見ることができる場所なのだ。
人が乗った馬や銃を持った人、鹿、尻尾が丸まった犬、アルファベットの文字など、新しい時代に彫られたイメージは、天地逆さの三角形を人型としたものなど多数ある。
ラナイ島は小さな島にも関わらず、神が降臨した土地としてハワイ諸島の中でも重要な位置を占めている。神話によると、四大神のひとりクーとその妻のヒナ、そして後になってカーネもこのラナイ島に舞い降りたと言われている。
聖なるクレーターと言われているパラヴァイ盆地は、島を形成した創造主たちの誕生の地だと伝えられているのだ。
ルアヒヴァ・ペトログリフのある場所には雨乞いのヘイアウがあり、肥沃な土壌を司る神を祀っていたと言う。
ペトログリフが彫られた石はヒナのパワーが宿っていると信じられており、また斜面の上のほうにある森にはクーのパワーが宿っていると考えられていたようだ。多くの農民たちは雨乞いと豊作を願ってこの地を訪れ、神に祈りを捧げていたのである。
パラヴァイ盆地は肥沃な土壌を生かし、古代ハワイアンの時代にはサツマイモが栽培され、20世紀初頭には世界最大のパイナップル農園が広がっていた場所で、ラナイ島の農作物のメッカだった。
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