【徹底解説】Webディレクターの役割を10分類してみた!
どうも、マツバラヤスユキ(@yaspontax)です。
今回は、Webディレクターの役割を再整理し10種類に分類した記事となります。
早速ですが、最近、少し悩んでいることがあります。
それは、『PjM(プロジェクトマネージャー)の国際資格PMPを取得したWebディレクターというポジションで働いているけど、やっている業務はPdM(プロダクトマネージャー)だと自分では思っている。そして、5月から転職して入る企業の求人にはたしかWebプロデューサーと書かれていて採用された僕は一体何者なのか?』ということ。
「自分が思っているPdM(プロダクトマネージャー)で良いじゃないか。」
「役割なんてただの箱だから、そんなことを気にすることに時間を使うな。」
「今後はWebプロデューサーでしょ。」
「役割なんて関係ない、お前はマツバラヤスユキだ。」
と思った方が万が一いたとしても、声にはせずに飲み込んで少しの間お付き合いください。もしくは、今すぐそっとブラウザを閉じてください。。。笑
もしかするとWebディレクターとしての今後のキャリアにお悩みの方のお役に立てるのではないかと思い、Webディレクターを中心とした役割を再整理し10種類に分類した記事を書いてみたいと思います。
役割の意義
これは僕の個人的な考えですが、役割というのはスキルアップしたりキャリアを形成する上での手掛かりになる羅針盤だと考えております。
例えば、チームリーダーという役割になったから、チームメンバーのパフォーマンスを最大化しチームの目標を達成する為に尽力するようになる。
初めは上手くいかなくても、チームリーダーとして必要な学びを得たり、試行錯誤しながら、役割を全うできるようなチームリーダーとして成長していく。
言い換えると、当初はチームリーダーのスキル要件を満たしていない人でも、チームリーダーに求められるスキル要件を理解した上であるべき姿をイメージし、現状とのギャップを把握して足りない部分を埋めようとするからこそ、リーダーとしての責務を果たすことができるようになっていくのです。
つまり、理想像(役割)を明確にすることで、現状とのギャップを把握することができ、自分の取り組むべき課題が明確になるのです。
また、役割名を正しく理解していないことによって、自己紹介で損をしていることがあるかもしれません。
本当は、Webプロデューサーとしての役割を担っているのも関わらずWebディレクターと名乗ることで、相手が自分に対して想像する責任範囲や業務内容にズレが生じてしまうのです。
そして、役割にも需要が増減するトレンドが存在するので、事実と相違の無い範囲で何という役割名で自己紹介するかは変えていく必要があるのだと思っています。
名乗る役割名は最もレバレッジが効くものでいいんじゃないでしょうか?
多岐に渡るWebディレクターという人
Webディレクターという役割名で呼ばれている人が行なっている業務が多岐に渡り、人それぞれで業務内容や業務範囲が異なる為に、Webディレクターという役割が分かりづらい状態になっていると感じています。
現職の企業(事業会社のIT関連部門)におけるWebディレクターが担当している業務を挙げると、
新規/既存サービス・プロダクトの
企画要件定義、UI/UX設計
システム設計
プロジェクトマネジメント(予算、スケジュール、品質など)
KPI設計
目標設定
マーケティング戦略策定
SEO施策立案
プロモーション施策立案
SNS運用
効果測定
データ分析
レポーティング用資料作成
新規商品企画
マネタイズ検証
成果報酬売上管理
サービス運営・プロモーション等にかかる予算策定・管理
などがあり、サービスの規模やフェーズ、体制によって担当者毎の担当範囲が異なります。
そもそもディレクターとは
そもそもディレクターとはどのように定義されているのでしょうか?
Wikipediaで検索すると、以下のように定義されています。
制作物の作品としての質に責任を持つ者のこと。その責務を全うするために、企画・立案・制作に関与して業務全般をつかさどる場合もある。この場合は「ディレクター職の者がプランナー職・プロデューサー職も兼任することが多い」と言うこともできる。ディレクター本来の担当範囲は企画・制作に及ぶものではない。制作物の経済的責任を持つプロデューサーと対をなすポジション。Wikipedia「ディレクター」
「ディレクター」の定義の中に登場する、「プランナー」と「プロデューサー」の定義も確認しておきましょう。
Wikipediaにある「プランナー」の定義は以下の通りです。
計画 (Plan)の立案者。Wikipedia「プランナー」
Wikipediaにある「プロデューサー」の定義は以下の通りです。
制作活動の予算調達や管理、スタッフの人事などをつかさどり、制作全体を統括する職務。ディレクターよりも広範囲な管理指揮権を有し、制作物の商業的な成否について責任をもつ。Wikipedia「プロデューサー」
Wikipediaの「ディレクター」の定義を正しいとするのであれば、ディレクターは企画・立案は役割範囲外(プランナーの役割)となります。
また、制作物の経済的責任(商業的な成否)については負わず(プロデューサーの責任)、「制作物の作品としての質」に責任を持つこととなります。
つまりWebディレクターとは
つまりWebディレクターとは、
Webプランナー
Webプロデューサー
と区別され、
企画・立案は役割範囲外(Webプランナーの役割)であり、
制作物の経済的責任(商業的な成否)は負わず(Webプロデューサーの責任)、
「制作物の作品としての質」に責任を持つ役割となります。
ここで「制作物の作品としての質」を具体化してみましょう。
「制作物」は、Webサイトやスマートフォンアプリ、ITサービスですね。
「作品としての質」は、Webサイトやスマートフォンアプリ、ITサービスの質(品質)と言い換えられますが、その質とは何でしょうか。
デザインの良さでしょうか?
操作性の良さがでしょうか?
ページ表示速度の速さでしょうか?
Googleで「品質」と検索してみると、以下のような情報が見つかります。
JIS Z 8101では「品物又はサービスが、使用目的を満たしているかどうかを決定するための評価の対象となる固有の性質・性能の全体」と定義されている。
ISO 9000では「本来備わっている特性の集まりが、要求事項を満たす程度」と定義されている。
ウェブアクセシビリティ規格「JIS X 8341-3:2016」では、高齢者や障害のある人を含む全ての利用者が、使用している端末、ウェブブラウザ、支援技術などに関係なく、ウェブコンテンツを利用することができるようにすることを目的として、ウェブコンテンツが満たすべきアクセシビリティの品質基準を定めている。
個人的な経験も含めて質(品質)に含まれると考えられるものを挙げてみると、以下のように様々な観点が存在します。
機能が充足している
デザインの良さ
ユーザビリティの高さ
アクセシビリティの高さ
ページ表示速度の速さ
管理のしやすさ
不具合発生率の低さ
ソースの可読性の高さ
セキュリティリスクの低さ
コンプライアンスの遵守
Googleガイドラインの準拠
反響(集客・問合せ)の大きさ
など
しかし、これらの品質の観点について、ご存知の通り、守らなければインターネット上に公開できないという明確な基準は存在しません。
Webディレクターが行う『「制作物の作品としての質」に責任を持つ』とは、
「制作物」であるWebサイトやスマートフォンアプリ、ITサービスの利用目的に応じて、自社サービスであれば自社が定める品質基準やプロジェクト毎に定める品質目標、受託で制作するのであれば発注元企業の受け入れ基準や自社の品質基準に基づき『制作物の目標とする質(品質)を計画し、達成することに責任を持つ』ということができます。
Webディレクターの業務内容
次に、実際に制作物を作る上でのWebディレクターの業務内容を見ていきます。
Webディレクターの役割である『制作物の目標とする質(品質)を計画し、達成することに責任を持つ』を果たす上で、ディレクター1人では制作物を作ることができません。
UI/UX設計やクリエイティブ制作等は「デザイナー」が行い、機能を実装するコーディングや制作物を運営する環境の構築等は「エンジニア」が行います。
(※スキルや各組織・チームの役割分担で差異がある)
つまり、それ以外のことをWebディレクターが行うこととなります。
具体的には、
情報設計(IA)(サイト構造やカテゴリ分類等)
プロジェクトマネジメント(スコープ・マネジメント、品質・マネジメント、タイム・マネジメント、コスト・マネジメント、リスク・マネジメント、コミュニケーション・マネジメント等)
KPI設計・管理(目標設定、効果測定等)
となるのではないかと考えます。
Webディレクターを分類してみる
Webディレクターの本来の役割が少しは明確になったのではないでしょうか?
この後、Webディレクターを分類したいと思いますが、まだ登場していない役割である「Webマーケター」について、その役割と業務内容を見ておきましょう。
その前にWebマーケターとは
WEB STAFFというメディアに以下のような説明がありました。
Webマーケターとはどんな人?Webマーケティングというのは、その名の通りWebを利用したマーケティングのことをいいます。そもそもマーケティングというのは商品を売るために企業が行う行動全般のことをいい、そのなかには広告宣伝や市場調査、販売戦略などの活動が含まれます。一概にマーケティングといっても企業や業種、業態によってその定義はさまざまです。基本的には商品が大量かつ効率的に売れるようにすることを指しますが、Webを駆使してこの業務を行っていくのがまさにWebマーケティングということです。インターネットは検索をするだけであれば無料でできますし、スマホやタブレット、PCなどの端末を持っていれば誰でも気軽に検索をすることができます。これにより、今までは難しかった遠方の見込み客にも効果的にリーチすることができ、媒体を用意しておけば完全無料でトラフィックを集めることも可能です。このように、Webの特性を十分に理解して最大限にマーケティングの分野に応用して企業の利益獲得に貢献する人たちのことをWebマーケターと呼んでいます。WEB STAFF「Webマーケターの仕事内容と求められるスキルとは?」
登場した役割を整理すると
今回、登場した役割を再整理すると、以下のようになります。
※業務内容を全て書き出している訳ではありません。
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Webプロデューサー:制作全体の統括と経済的責任を負う
Webマーケター:Webを駆使して商品が大量かつ効率的に売れるようにする(広告宣伝や市場調査、販売戦略等)
Webプランナー:制作物の企画・立案を行う
Webディレクター:制作物の目標とする質(品質)を計画し、達成することに責任を持つ
デザイナー:UI/UX設計やクリエイティブ制作等
エンジニア:機能を実装するコーディングや制作物を運営する環境の構築等
また、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャー、プロダクトマーケティングマネージャーの役割も追加しておきました。
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プロダクトマーケティングマネージャーについては、SlideShareの『「プロダクト マネジメント」と「プロダクト マーケティング」の違い」』の資料が参考になります。
プロダクトマーケティングの役割は、世界に対して製品を語ることである。
今の自分の役割の把握はできましたでしょうか?
Webディレクター10分類
一括りにWebディレクターと呼んでも、その業務内容や責任範囲は様々だと思います。
整理した役割を元にその様々なWebディレクターを分類してみました。
正真正銘のWebディレクター
実はWebプロデューサーなWebディレクター
Webプロデューサー兼Webディレクター
Webマーケティングに強いWebディレクター(兼Webマーケター)
プランニングが得意なWebディレクター(兼Webプランナー)
デザインもできるWebディレクター(兼デザイナー)
開発もできるWebディレクター(兼エンジニア)
プロジェクトマネジメントに強いWebディレクター(兼プロジェクトマネージャー)
実はプロダクトマネージャーなWebディレクター
プロダクトマーケティングに強いWebディレクター(兼プロダクトマーケティングマネージャー)
Webディレクターの皆さんは、自分がどの分類に該当するのかぜひ確認してみてください!
もし該当するものが存在しない場合でも、上記以外にも様々な掛け合わせが存在すると思いますので、ご自身の役割を明確化してみてください。
そして、ぜひtwitterなどに投稿して僕にも教えてください!
最後に
Webディレクターをはじめその他の役割について、少しは理解が進んだのではないでしょうか?
冒頭でも書きましたが、役割というのはスキルアップしたりキャリアを形成する上での手掛かりになる羅針盤だと考えております。
しかし、逆に役割を強く意識しすぎることで、役割範囲で線引きし、役割範囲内に収まろうとして挑戦しなくなってしまうこともあります。
正しく役割を理解し上で、さらに役割を広げていくのか、その役割の専門性を高めていくのか、自分が歩むキャリアの方向性を決めることが大事なのではないでしょうか?
この記事が、少しでもWebディレクターの皆さまのお役に立ちましたら幸いです。
現状は、僕の狭い知識や人脈の中で整理した情報なので、この記事をお読みの皆さんからのフィードバックをいただき、更に精度を上げていけると嬉しいです!
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