鳳明館と蔵書のこと
嬉しいニュース!!
鳳明館がデイユース・貸会場に限りですが、一部再開するとHPにて正式な発表がありました。
とのことです。全文は公式サイトをご覧ください。
嬉しさのあまりにTwitterで叫びそうになりましたが、一旦気持ちを落ち着けまして、鼻息荒く、こちらのnoteを纏めております。
問合せ等が殺到して、業務が滞るようなことだけはないように…と願いたいところです…。
鳳明館は2021年5月に一旦休業しております。休業してから1年以上経つんですね。
鳳明館の休業を知った時は、何かできることはないかと考えたこともありましたが、何をできるわけでもなく。当事者以外が一時的な熱量で、勝手に発信したり動くことが、いかに『本当に動いている方々』の妨げになるかを実感し、古い建物を残すことへの難しさを勉強させてもらいました。
ただファンの一人としてなんとか再び鳳明館でイベントができる日が来ることを祈ることしかできませんでした。
言葉には出せませんでしたが、休業が半年以上続き、中々出口が見えない中で、もう再開は難しいのでは…と不安に思うこともありました。ときどき『鳳明館』を検索して出てくる再開を望む声や、「もしかしたらこのまま閉館するのでは」等の声を見つけては、同じ気持ちでおりました。
なので、少し前に「まずは宿泊なしでの再開に向けて動いている」というお話を聞いて、本当に嬉しくて嬉しくて。
まずは鳳明館関係者の皆様、再開に向けて動かれた方々を崇め奉ります。心の中に『鳳明大明神』を建てて、皆様を祀ろうと思います。
どれだけの大きくて分厚い壁を乗り越えたのだろうと。
想像もできませんし、もうただ、ご尽力された皆様を拝むことしかできませんが、再び鳳明館でイベントをできるという喜びに、打ち震えております。
【祖父の蔵書について】
再開のお話をお伺いする少し前、祖母が亡くなり、祖父の蔵書を改めて確認すると全集で揃っているもの等もたくさんあり「これらをどうしようか…」という話をしておりました。
その後「鳳明館が再開に向けて動いている」というお話をお伺いしました。
祖父の蔵書は古書店に引き取ってもらうことも考えましたが、二度とお目にかかれない形で手放してしまうのは…と躊躇いもあったので、思い切って書籍についてご相談してみたところ、もともとの本郷のご縁等を含め、色々な線が繋がりまして、ありがたいことに文学全集を中心とした蔵書の一部(300冊ほど)を寄贈させていただくことになりました。
祖父が三好達治氏にいただいた短冊等も期間限定で展示したいと思っております。
本郷は祖父が学生時代に青春を謳歌していた場所でしたので、とても良い形でおさまりました。
最後に…
改めて「素晴らしい建物を後世に残す」ことは非常に難しいことだと思います。
「貴重な建物だから残すべき」と部外者の立場から言うのは簡単ですし、クラウドファンディングも支援のひとつだとは思いますが、どれだけの人がその建物への熱量を永遠に持ち続けることができるのか?
一時的に盛り上がった人々が熱が冷めて離れていく中で、建物の所有者はそういうわけにはいきません。莫大な固定資産税、修繕費、維持費…ずっと払い続け、これを次の世代に継ぐのに、またそこに相続税等いろいろとかかってくる。
多くの都内に土地を持つ人々が、古い建物を壊し、土地を売り、マンションを建てるという方向に行くのは、誰にも責められるものではありません。自分や子供たちの生活を護るためには、当たり前のこと。
だからこそ、今回のことがいかに奇跡的なことであるかと勝手に感動し、関わった全ての方に頭を下げて回りたい気持ちです。(※迷惑)
溢れ出る想いを言葉にさせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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