見出し画像

鳳明館の休業について(再開しています)

HPに掲載された通り、鳳明館は5月末日より暫く休業されることになりました。
https://www.homeikan.com/

この決断を聞いた日は、涙が枯れるほど泣きました。
結局何もできなかった無力さ、悔しさ。言葉に表しきれない様々な想いが溢れました。

しかし、コロナ禍関係なく、実際に関わらせていただく中で、文化財や大切な建物を守っていくために、建物の所有者が負う責任があまりにも大きすぎるのではないかと感じていました。
社長や鳳明館に関わる方々の、苦悩と覚悟と決断に、まずは心から敬意を表します。
今まで何度もの経営危機を乗り越え、100軒近くあった旅館が次々と閉めていく中で、昔の姿をそのままに維持し続け、素晴らしい建物を令和の時代まで残してくださったことを、深く感謝いたします。

こういった情報がどこかで漏れてSNS等で発信されてしまうと、瞬く間に広がり、情報が錯綜して、お客様や取引先を含め、様々な混乱を招く可能性もあり、公式な発表があるまでは口にできませんでした。
「文豪缶詰プラン、次回はいつですか?」「コロナ収束したら絶対に行きます」とありがたいお言葉をくださった皆様にも、「実は…」と言ってしまいたくなる気持ちをおさえ、言葉を濁しながら御礼をすることしかできず、本当にごめんなさい。
ギリギリまで、弊社スタッフにも知らせておりませんでした。

「もっと早く知っていれば行ったのに」と怒る方もいらっしゃると思います。本当は「来てーー!」と叫びたい気持ちでいっぱいでしたが、それができない状況だったことをお察しください…。申し訳ございませんでした。

旅館ホテル関係者様にも、打ち合わせ等の際に、事情をお伝え出来なかったことをお詫びいたします。

最後の最後にこの緊急事態宣言で、どこまで何ができるかはわかりませんが、無理のない程度に、ご利用いただけますと幸いです。


鳳明館と八十介

弊社は、2018年、『妖怪の宿』ができる場所を探して、イベント会場として鳳明館を利用するようになり、素晴らしい建物と雰囲気に惚れ込み、そこからじょじょにHP管理や社外企画営業として関わらせていただくようになりました。時には弊社スタッフが団体旅行のお手伝いをしたり。
ファンからスタッフ見習いに昇格した感じです。

鳳明館を「古い旅館」という方もいれば「素晴らしい建築」という方もいます。どう思うかの感覚は人それぞれ。
価値とはそういうもので、私にとって鳳明館は唯一無二の価値と魅力をもった旅館でした。

色々な企画を「やってみなはれ」の精神でやらせてくださった社長や女将さん、お世話になった鳳明館の皆様には感謝しかありません。


皆様へのお願い

ここからは、誠に勝手ながら、お願いです。
弊社はあくまでも社外の人間ですので、重要な決断の会議には出ておりませんが、ギリギリに告知するのか、1ヵ月に告知するのかは、内部でもだいぶ分かれたと聞いています。
事前に告知してしまうと、問合せ等の対応に追われて、普通に利用してくださるお客様にご迷惑をおかけしてしまうのではないか。見学希望者が来てしまい密になってしまわないか等。
それでも「ギリギリの告知は鳳明館を好きと言ってくださった方を裏切ってしまうことになる」となり、GW前の告知になりました。

鳳明館の今後については、経営陣やその他関係者の間で既に色々な話はされていると思いますので「今後どうするの?」「こうしたらいいのでは?」等の質問やアドバイスは、今は避けていただけると助かります。

また取材等も何卒ご遠慮ください。
この結論に至るまでには、ひとつやふたつの理由だけでなく、様々な要因が重なっているかと思います。
それを整理してお話しできる状況ではないと思いますし、あと1ヵ月という短い期間を、お客様との時間を大切にしたいという想いもあります。

今まで番組やニュース等で取り上げてくださった皆様には感謝しておりますが、どうか、ご理解いただけますと幸いです。


文豪缶詰プランについて

『鳳明出版社』という架空出版社の名前は、今後どこが舞台になるとしても使わせていただきたい、とお願いし、許可をいただきました。

鳳明館は鳳明出版社の出発点。たくさんの素敵な先生方と出会った場所。
架空の『鳳明出版社』を大切に育てていきたいと思います。

『文豪缶詰プラン』については、都内の他の旅館ホテルさんと進めているお話もあります。鳳明館と同じようにはなかなか難しいですが、場所や旅館ホテルさんの形式に合わせた展開を考えておりますので、引き続き、『鳳明出版社』を何卒宜しくお願いいたします。


株式会社八十介
海津智子

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?