【騎手】 大物馬主も危機感! 障害の騎手不足問題と若手の”二刀流”挑戦について
中山大障害を勝ったマイネルグロンは強かったですね!
ニシノデイジーとビレッジイーグルが競り合う展開を3番手で上手く折り合っての勝利。ゴールドシップ産駒ということもあり、オジュウチョウサンを継ぐ新スター候補の誕生となりました。
そして同じ“マイネル“でもマイネルレオーネに騎乗した平沢健治騎手は本レースがラストラン。筆者はまだまだ障害ビギナーで、正直あまり詳しくは存じ上げていなかったのですが、筆者の知り合いの例の障害マニアが貴重な障害ジョッキーがまた1人去ってしまう影響と水沼騎手の存在について昨日飲み屋で語っていたので、今回は障害騎手について書いていきたいと思います。
大物馬主も警鐘を鳴らす問題
「障害の騎手不足問題」
ネットで調べていくと、2000年台のJRAによる番組数・賞金数の減少 → 引退による騎手の減少 → 騎乗可能騎手の減少に伴うレース数・開催の減少と負のスパイラルに陥っているように見えます。
事実、現在不動の障害リーディングである石神騎手のインタビュー記事でもこのように書かれておりました。
この競馬バブル時代、地方競馬ですら改革が行われている状況下において、この待遇は異常ですよね…
そして「ニシノ」「セイウン」の馬主として有名な西山氏もタイムリーにこんな投稿を行なっておりました。
netkeibaの投稿を引用している辺り、強いメッセージとして競馬ファンに発信したかったものと個人的に理解をしております。
若手騎手の挑戦
熊沢元騎手、平沢騎手が去っていく中、今年から障害レース騎乗にチャレンジしているジョッキーがおります。それが水沼元輝騎手です。
今年2年目で同期では佐々木大輔騎手が大活躍しておりますね。
まだ20歳ということで、一目に置かれる平地のG1ジョッキーを目指したい年頃ではないかと思うのですが、記事のコメントにもあるように自分のキャリアを現実的かつ客観的に見て判断できるのは凄いと思います。
平地と障害の二刀流をするメリットとして、障害レースがローカル開催だった場合、他の障害騎手とは異なり平場でも乗ることができる(=騎乗数が増える)のは大きいのではないでしょうか。
また記事にもある通り、競馬学校で学んだ後、ブランクを空けずに障害騎乗をする方が習得度合は早いでしょうし、平場と障害のそれぞれ良いところを活かしていくという意味でも、今後の水沼騎手の結果次第では若手騎手の1つのモデルコースになっていくかもしれません。
水沼騎手、来年も応援しております!
関係者たちが残してくれたもの…
話は中山大障害に戻しまして、平沢騎手がラストランで騎乗したマイネルレオーネは来年で12歳になります。
乗馬施設の関係者からよく聞く話として、若い馬(ここでは競走馬を引退後の6〜10歳頃を想定)は気性の難しさから、ビギナーが乗れるレベルとなるまでに時間を要するようですが、マイネルレオーネは仮に引退するとなってもリトレーニング後、すぐに乗馬として活躍できる可能性が高いです。
そして素晴らしいのは馬主のラフィアンと出資者。
これって今も出資者が毎月維持費を支払ってくれているのですよね?
どうしても競走馬引退から第二の人生を繋ぐためにはお金が必要となりますが、クラブがここまで繋いでくれたおかげで、マイネルレオーネは貯蓄がなくとも余生を過ごしていけるのではないかと想像します。
もちろん競走馬の能力があってこそではありますが、出資者が納得できる最低ラインの賞金を稼げるのであれば、現役生活を引き延ばしていくことで競走馬を余生に繋げるロールモデルを作っていけるのではないかと考えている次第です。
障害レースの活性化を目指して
芝のスピード、ダートのパワー、そして障害の飛越。
ある競走能力だけ求めてしまうと活躍できる馬が限られてしまうため、それぞれがバランス良く発展していく必要があると考えております。
ダートは地方を中心に少しずつ再編が進んでいる中、取り残されつつある障害にスポットが当たるよう障害特有の魅力について発信し、馬券を購入することでJRAにも意思表示ができればと思います。
そしてマイネルグロンが次世代のニューヒーロー、水沼騎手が平地・障害でリーディングジョッキーになる未来があれば…
障害レースが注目されレース数が増加 → 若手の挑戦によって騎手増加 → 出走馬確保のため未勝利・高齢馬の受け皿が拡大 という好循環になっていくのではないかと願っている次第です。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございます!