25/01/26 【感想】ストーンサークルの殺人

M・W・クレイヴン『ストーンサークルの殺人』を読みました。
面白かった!!

イギリス、カンブリア州のストーンサークルで次々と焼死体が発見された。マスコミに「イモレーション・マン」と名付けられた犯人は死体を猟奇的に損壊しており、三番目の被害者にはなぜか、不祥事を起こして停職中のNCA(国家犯罪対策庁)の警察官「ワシントン・ポー」の名前と「5」の字が刻み付けられていた。身に覚えのないポーは上司の判断で停職を解かれ、捜査に合流することに。そして新たな死体が発見され……英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。

ストーンサークルの殺人: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト

ストーンサークルで連続して焼死体が発見されるという奇怪な連続猟奇殺人が発生、NCA(FBIのような国家直属の警察組織)を停職中だった主人公ワシントン・ポーは職場へと呼び戻されます。ポーは天才肌だがコミュニケーションに難のある天才エンジニア捜査官を職場のいじめから救い出して起用し、独自の視点で事件に切り込んでいくのです。こんなん絶対みんな好きなやつじゃんね!

本書のいいところは、主人公が警察組織の手続きをすっ飛ばす一匹狼タイプである作品でありながら警察組織側の人間も普通に有能であること! もちろん手続きをちゃんと踏む分だけ一手遅れるんですが、先行したポーを後からカバーするような形で機能していることが多く、むしろうまく連携しているんですよね。このスピード感やストレスフリーさは本書の高いリーダビリティーに大きく貢献していたと思います。

読者も推理に参加するというタイプの作品ではなく、小気味よいサスペンスドラマを見るように楽しめる作品です。この気持ちよさはやっぱり主人公ワシントン・ポーのキャラクター造形から来ているものでしょう。手がかりに食らいつき、粘り強く真実を求めるひたむきさ。ときに独断専行しハッタリをかまして捜査するワイルドさ。悪を許さず、コミュ障だが有能な部下を信頼する人情味。実に好いたらしい主人公です。

巻を重ねて更に面白くなるシリーズだと聞いているので、これは読み進めるしかありませんね。早速次巻を買いに行くぞ!