子どもたちの声が聞こえる …詩…

遊ぼうよぅ
一緒に行こうよぅ
お腹もすいた
眠いよ　ねぇ
行きたくないよぅ
怖いよぅ

笑い声も　泣き声も
入り混じっている


耳をこらすと
声はひとつだ


ぐるぐると竜巻のように
その声に飲み込まれて
自分を見失った

砕け散ったか
吹き飛んだか

私は見えなくなった

あの声は　木霊のように
響いている

あれは　
とっくに忘れた
私の声だ



おかえりなさい。

遊ぼうね
一緒に行くよ
お腹もすいたし
眠いしね
大丈夫だよ
怖くないから


ただいま。
ただいま。
とっても遅くなってごめんね。


忘れていた　幼い自分の声を　
ぎゆうっと　抱きしめた

作品No.0018