ロルバーンが買えない大人

東京駅のJR改札内にTRAINIARTという鉄道グッズのお店がある。
その店内に、東京駅の駅舎モチーフのロルバーンが売っていた。

とても可愛くて反射的に手に取った。
が、すぐに戻した。

だめだ。ロルバーンは買えない。買っちゃだめだーーーー!

ロルバーンは万年筆で使えるノートと聞いている。
ゴムで留められるので、雑に鞄に放り込んでもページがめくれる心配がなさそうだ。
きっと良いノートなんだと思う。

ロルバーンはお洒落な表紙の新作が次から次へと出る。
私はコレクター気質があるので、おそらく1冊買ったら無限に増やしてしまうと思う。
まぁ、買うのはいいとして。
問題なのは「使わないのがわかりきっている」からだ。

中学生時代、お洒落な表紙のノートを時々買っていた。
キャンパスノートなど学生がよく使うノートに比べたら少し高いノートだ。
しかし使わなかった。使えなかった。
使っても2,3ページ書いて終わってしまう。
お洒落でちょっと高いノートだから「ちゃんと使わなきゃ!」とか「綺麗に使いたい!」などと思っていた。
そういう意気込みが心理的な負担になって使えなかった。と今ならわかる。
お洒落なノート作りとかデコとか憧れるけど、私には全く向いていないのだと思う。

結局、大掃除などの断捨離時に、母に渡して買い物メモなどに使ってもらっていた。
母は「切ってメモ帳にしていいの?」と聞く。
私は「お願いします!」の一択である。
なにしろ、もったいなくて使えない。使わない方がもったいないのはわかっているんだけど……!
そんな矛盾と罪悪感で非常に困っていたのだ。

綺麗に表紙を外され、使いやすいサイズに切られていくノート。
筆記用具としてちゃんと使ってもらえて、母には感謝している。

あれから時が流れて、去年。
可愛い表紙のノートを一冊買ってみたが、ものの見事に使えていない。
大人になった今ならちゃんと使えるはず!と思ったのに……。

なので、ロルバーンも同じことになるだろう。
悪い歴史は繰り返してはいけない。

Suikaのペンギングッズは違うものを買って、ロルバーンは諦めよう。
そうしてロルバーンを買わずにお店から出た。
大人なので余裕で我慢できる。


嘘です!ほんとはものすごくほしかったです!
その後、ロフトに寄ったらロルバーンコーナーがあって、なかなか離れられませんでした!!
子供か!?


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