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川で遭難。低体温症なら1時間、溺れて息ができなければ1分で死亡

こんにちは!元激流カヤックガイドが、川の楽しさと安全に楽しむコツをお届けするシリーズです。
今回は「低体温症の危険」についてご紹介します。

前回も書きましたが、川には「水」があります。水があるということは息ができない=「溺死」と、水が冷たい=「低体温症」の2つの大きなリスクがあります。

溺死は当然ですが、重度の低体温症も命に関わります。

川で遭難した場合、低体温症なら1時間で死亡、溺れて息ができなければ1分で死亡と言われています。

低体温症とは

低体温症(Hypothermia)は、体が冷えすぎることで体温が低下し、さまざまな悪影響を及ぼす状態です。たとえば、夏に川で遊んでいるとき、水温が20℃以上でも水の流れがあるため、体の熱がどんどん奪われていくことがあります。
最初は元気に泳いでいても、気づいたら体が冷え切って、動けなくなることも。この状態が進むと、命に関わることもあるため、注意が必要です。

ハイポサミアの段階

  • 初期: 川で遊んでいて寒気を感じたり、鳥肌が立ったり、体が震え出したりします。手足の感覚が鈍くなり、「水が冷たくなってきたな」と感じたら初期症状のサインです。

  • 中期: 震えが止まらず、会話がしにくくなります。川の浅瀬から上がっても、頭がぼんやりしてきて、思うように体が動かなくなったり、疲れ果ててしまうことがあります。友達と笑いながら遊んでいたのに、急に黙り込んで意気消沈してしまうような状態です。

  • 重症: 震えが止まると、むしろ危険信号です。体は冷え切り、皮膚が青白くむくみ、混乱や異常行動を取るようになります。例えば、川から上がった後、再び水に入ろうとするなどの異常な行動が見られることも。最悪の場合、意識を失い、心肺停止に至ることもあります。

ハイポサミアの対処法

  • 初期~中期: 乾いたタオルで体を拭き、乾いた服に着替えさせ、温かい場所に移動させましょう。川辺では火を使って温かい飲み物を作って飲ませるのも良い対策です(ただし、アルコールやカフェインは避けてください)。寒さが強いときは、体温が高い人と一緒に寝袋に入り、体を温めるのも効果的です。

  • 重症: 重症になると、適切な処置をしなければ命の危険があります。無理に体を動かさせず、速やかに病院に搬送し、救急隊員の指示に従いましょう。

例えば、川遊びの最中に急に寒くなって体が震えだしたら、それはハイポサミアのサインです。早めに川から上がり、乾いた服に着替え、温かい飲み物を飲んだり、火に当たるなどして体温を回復させることが大切です。

特に子どもの場合、身体が冷えていることに気付かず遊びに夢中になって低体温症の初期状態になっていたということがよくあります。
次回はウェットスーツの重要性についてお伝えします。

アウトドア製品開発コラム

ここからは、新製品開発のコラムです。これまで下請けに特化していた板金加工会社のアトツギである僕が、今回初めて新製品開発に挑戦しています。開発の裏側や現在の進捗状況などをお知らせします。

「それって、ジムニーじゃないですか?」

先日、アウトドア製品作りをお手伝いしている乗富鉄工所の川久保さんが来社されていたので、近況報告かねて現在チャレンジしている自社製品開発について相談。

車のトランクルームに取り付けるベッド兼引出しの製作を考えている旨を伝えると、川久保さんより「安永さんそれって、ジムニーじゃないですか?」「テイクオートさんに話してみたらどうですか!?」と言ってすぐに取り次いでくれました。

テイクオートさんは、同じ市内にあるジムニー専門店。もともと弊社が製作をお手伝いしている乗富鉄工所さんの焚き火台(ヨコナガメッシュタキビダイ)のテイクオートオリジナルロゴを発注いただいた発注元でもあります。

弊社のレーザー加工機で、テイクオート様ご要望のデザインをステンレスを焚き火台に加工するというもので、なかなかやりがいのある仕事の一つ。担当の川久保さんとはあーだこーだとやり取りを行いながらやり切ったお仕事でとても記憶に残っていました。

僕も直観的にこれは面白いかも!と思い、すぐに川久保さんにご紹介いただいたテイクオートの大地さんに訪問のアポをとらせていただきました。


次回もお楽しみに!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

(表紙写真:Yuya Nojiri、文中の写真:全て河川財団「No More 水難事故2020」より引用)

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