カッパ伝説の正体は、川底に向かう流れ「ダウンフォース」だった
こんにちは!元激流カヤックガイドが、川の楽しさと安全に楽しむコツをお届けするシリーズです。
今回は「溺死につながる危険な水理現象」についてご紹介します。
溺死につながる危険な水理現象
カッパ伝説の正体
昔から、川遊びしていた子どもが水中に引きずり込まれて、浮いてこなかった…という水難事故があった際、”カッパの仕業だ”と言われることがあります。
そんなカッパ伝説ですが、川には「ダウンフォース」と呼ばれる川底に向かう流れが起きる場所があり、水面から見てもわからないような流れが形成されていることがあります。
”カッパがよく出る”といわれる川は、ダウンフォースが形成されている箇所がある、という説明ができると思います。
ダウンフォースが形成されるエディライン
流れが速い川の真ん中に、大きな岩があるところを想像してみてください。
川の真ん中に岩があると、水の流れは岩にぶつかり、岩の両側に流れようとするのはわかりますよね?
岩の両側に流れた水は、岩が無いところより流速は早く流量も多くなっています。
その岩の際(きわ)のところと、岩の裏側だけ、他の箇所とは違った流れが生み出されます。
岩の際の流れをエディラインといい、岩の裏の流れ(淀み)をエディといいます。
エディライン(岩の際)は、ダウンフォースが形成されます。
エディ(岩の裏)は、上流に向かう流れが形成され、渦のようになっています。
ここに、人がライフジャケット着用せずに入ってしまうと、ダウンフォースで川底に沈められ、浮上してきたとしても、エディの渦で戻されて、ダウンフォースで川底に沈められる。という無限ループに陥ってしまいます。
ライフジャケットを着用していれば、浮上のタイミングで、頭が水上に出てくる可能性が高まるので、外から見えるかもしれません。
ですが、ライフジャケットを着用していないと、水面まで浮上できないままダウンフォースと、エディの無限ループにはまり、誰にも発見してもらえない可能性があります。
これが、カッパ伝説の正体と言えます。
アウトドア製品開発コラム
ここからは、新製品開発のコラムです。これまで下請けに特化していた板金加工会社のアトツギである僕が、今回初めて新製品開発に挑戦しています。開発の裏側や現在の進捗状況などをお知らせします。
ジムニーにターゲットを絞る理由とそのメリット・デメリット
今回は、ジムニー向けに製品を開発することのメリットとデメリットについて整理してみました。まだ見えていない部分もありますが、全体としては前向きに捉えています。
メリット
ユーザーの声を直接聞ける
ジムニー専門店のスタッフから、ユーザーのニーズを直接ヒアリングできるのは大きい。紹介でユーザーインタビューも可能です。試作をすぐに試せる
弊社から車で20分のところにあるので、すぐにジムニー実車に取り付けてテスト可能。フィット感や使い勝手を比較的早く確認できます。プロのアドバイスが得られる
車検や安全面について、専門的なアドバイスをもらえるので、信頼性の高い製品が作れそうです。2車種に対応可能
ジムニー(軽自動車)とジムニーシエラ(普通車)は車内の空間が同じであるため、1つのキットで両方に対応できる効率性があります。
デメリット
他のユーザーにアプローチできない
ジムニーに特化すると、他の車種には展開しづらくなりますが、逆にジムニーオーナーには深く刺さる製品が作れそうです。コンパクトな車内スペース
ジムニーの狭い車内を有効活用する収納設計が求められ、デザインの工夫が必要です。2列目シートとの兼ね合い
引出しキットをセットする際、2列目シートを倒す必要がありますが、車検に通るためには取り付けたままシートが立てられる設計が必要です。
まだ課題もありますが、まずはジムニー向けにしっかりと製品を作りこんでいくのが良さそうです。これからクリアすべき課題がたくさんありますが、可能性はある気がしています。
次回もお楽しみに!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
(表紙写真:Yuya Nojiri、文中の写真:全て河川財団「No More 水難事故2020」より引用)