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世界共通のファーストエイドについて知ろう

こんにちは!元激流カヤックガイドが、川の楽しさと安全に楽しむコツをお届けするシリーズです。
今回は「世界共通のファーストエイド」についてご紹介します。


世界共通のファーストエイド優先順位

では、水難事故が起きたとき、私たちはどんな順番で行動すればよいか、応急処置の優先順位は世界共通とされているマニュアルがありますので、それを参考にお伝えしたいと思います。

1.Danger(状況把握・二次災害防止)
まず、周囲の状況を確認し、自分の安全や周りの人や被害者がさらなる危険に追い込まれる状態にないかを確認する。
可能であれば、安全な場所や安全な状態になるように、移動などを行う。

2.Responce(意識レベルの確認・意識の喚起)
次に、被害者の意識状態を確認します。
①正常な状態である
②混乱状態である
③眠っているようだが、声をかけると反応する
④声には反応しないが、痛みを与えると反応する
⑤声にも痛みにも反応しない
※ここで救急車を呼ぶかが決まりますが、救急車を呼ぶ基準については、後述します。

3.Airway(気道の確保)
口の中の異物を除去し、気道を開放する(顎をクイッと上にあげる:頭部後屈あご先挙上法)。
特に意識レベルが低いときには、反応があっても気道を確保しておかないと、意識の低下と共に気道が閉じてしまい(舌根沈下)、息ができなくなる恐れがあります。

4.Breath(人工呼吸)
胸の上下運動があるかを、見た目や呼吸音・吐息等を、視覚・聴覚・触覚を使って確認する。
自力呼吸をしていない、呼吸が弱い場合は人工呼吸を行う。※感染症予防のため、専用のマウスピース推奨。

5.Circulation(胸骨圧迫)
胸骨圧迫を行う。人工呼吸と胸骨圧迫を行うことをCPRと呼ぶ。CPRを一度始めたら、救急隊に引き渡すか、自分の体力が尽きるまで行う。

6.Bleeding(出血のコントロール)
出血の有無の確認。止血の方法は、直接出血箇所を圧迫する「直接圧迫法」、出血箇所を心臓より高い位置に揚げる「高揚法」、出血箇所より心臓に近い動脈(止血点)を手や指で圧迫する「止血点圧迫法」があるが、その3つを組み合わせて行うと良い。

3~5(CPRに当たる)を繰り返して観察しながら行い、同時に、6(出血が無いか)の確認を行い、必要があれば止血。という流れで行っていきます。

注意として、消防などで推奨されているファーストエイドの方法は年々改善が加えられています。
より最新の情報や、より実践的な内容を知りたい方は、各地域の消防署などで開催されている救命救急講習会を受講されてみることを強くおススメいたします。

アウトドア製品開発コラム

ここからは、新製品開発のコラムです。これまで下請けに特化していた板金加工会社のアトツギである僕が、今回初めて新製品開発に挑戦しています。開発の裏側や現在の進捗状況などをお知らせします。

「プロトタイプを持ってデザイナーさんに相談した話」の続きです。

やはりデザイナーさんはすごい

僕がプロトタイプを作ったところ、想像よりも引出しを取り付けるフレームが小さくなってしまい、当初のコンセプト実現が難しくなってきました。どうしたものかと悩んでいると、デザイナーの新さんは間髪入れずにこう提案してくれました。

「そのサイズ感だったら、いっそのこと持ち運べるようにした方がいいかもしれませんね。」

新さん曰く、ユーザー目線で考えると、ジムニーの限られた空間の中でそれが常にそこにあることが、むしろマイナスになる場合も多いとのこと。それなら、レールを車側に取り付けておいて、必要なときに引出しを取り付けられるようにし、使わないときは取り外して持ち運べるようにした方が、利便性が高いのではないか、というアイデアでした。

僕は以前、ジムニー専門店「テイクオート」さんにヒアリングした際、引出しを取り外さずに2列目シートを起こせることを売りにしようと考えていました。その理由は次の通りです。

① 引出しの取り外しを面倒だと思うユーザーが多いだろう。
② ならば、取り外さずに2列目シートを立ち上げられる設計にしよう。
③ そうすれば、販売の際「取り付けたまま2列目シートが立ち上がる=車検もそのまま通せる」というセールスポイントになる。

当初はそれがベストな考えだと思っていましたが、プロトタイプができて実際に使用シーンをイメージしてみると、新しい案が浮かび上がってきたわけです。

オンラインミーティング開始からわずか15分でここまでアイデアが広がったのを見て、改めてユーザー視点から発想するデザイナー新さんのすごさを実感しました。


次回もお楽しみに!最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

(表紙写真:Yuya Nojiri、文中の写真:全て河川財団「No More 水難事故2020」より引用)


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