【ひぃじーちゃん】(3) はじめての靴
昭和中期。戦後の話。たぶん。きっと。
当たり前のように何もない時代。牛や馬を買い、クワで耕し、オノで木を切る。そんなに時代。そんな馬に乗れない元騎馬隊隊長のひぃじーちゃんの元にあるものが届く。それが
【靴】
配給されたらしい。
世にも珍しい靴。それはそれは喜んで大切にしたそうな。
ある日の事。
ひぃじーちゃんはいつものように薪を割りに。オノで薪を割っていると手元が狂いオノは薪を外れひぃじーちゃんの足へ。なんと足に直撃したオノの刃は指の間を深くえぐった。
『どうしたのじぃちゃん!』
足から血を流して帰ってきたひぃじーちゃん。ばぁちゃんはビックリ。とにかく早く止血を。手当てを急ぐばぁちゃんにひぃじーちゃんが一言。