ボールの蹴り方について

いつものように、フットサルについてあーでもないこうでもないと考えて過ごしています。
今日は蹴り方、キックについて、僕の経験を踏まえて言語化していこうと思います。

キックにおける「良さ」とは

フットボールにおいて、キックはすごく重要。ロングフィードを上手に蹴れる選手はそれだけで重宝されるし、速いシュートを撃てる選手はセットプレーでシューターに選ばれる条件。
そんで、あいつのキックはすごい、となるのはどんなことだろうか。アマチュアレベルだと今のシュートは何キロ出ていた、などと計測する環境が無いので当然、速い、とか、重い、とかそういう抽象的な表現になる。ただ、その目算は大抵当たっていると思っている。そうだとしたら、何をもって僕らはあの人のキックを「良い」と思っているのだろうか。

私見を最初に言うと、速さの一点。それでしかないと思う。野球のストレートで「あいつの球は重い」なんてよく言うけれど、ボール重い・軽いという概念は今の物理学上存在しないらしい。スピードがどれだけ出ているか、スピードが出れば出る程、受け止める側への衝撃は大きくなるだけで、投げる (あるいは蹴る)人によってボールの重量が変わることは無い。まぁ僕も、ガタイの良い人が蹴ったボールは「重いなぁ」なんて思うから、体感としてはすごく分かる感覚なのだけどね。まぁともかくキックが(ボールが目的地まで届くという範囲での)「良い」は、速さの一点である。


身体の重さとの関係

良いキックはこの記事で言うと速いボール。当然コントロールできるか、とか回転がかかっているかなどの要素もあるんだけど置いておく。そして結論から先に言うと、「ボールに重みを加えるフォームで行う」となる。なんだ、結局重みかよ、となった皆さんすみません。でもキックは足とボールの衝突エネルギーをつかって飛んでいくので、そこはどうしても避けられない。
僕は2年位前まで、足をブンブン振り回して足に力を入れてキックしていた。足の筋力はある方だと思うのだけれど、何かビューンと飛んでいかない。ジュニーニョペルナンブカーノみたいなキックができない。そこで同じチームでキックが上手な人のフォームを見続けた。youtubeでも色んな動画が上がっているのでめっちゃ見た。そこから得られた結論は「股関節から足を振る」。僕を含めた、キックの下手な人は、足とふくらはぎを使って蹴っているはず。蹴った感触は「ペチッ」。物理学に詳しい訳じゃないのだけど、60キロの人の片方の足と片方のふくらはぎを合わせた重さは、およそ5キロ。対してフットサルボールの重さは400g程。5キロと400gがぶつかると、おそらくペチッとキックになるんだと思う。
じゃあこれに太ももの重さを足してみる。およそ4キロ。トータルで9キロ。超単純化してだけど、倍近い重量の重さがボールにかかれば、ボールの質が変わるんだろうと想像できるはず。ここで押さえて欲しいのは、ボールに重さをかけられる蹴り方=足、ふくらはぎよりも上の部分も使って蹴る、ということ。それが、本項の最初に書いた「股関節を使って蹴る」ということ。

どうやって蹴るか

じゃあ実践編。今あなたはどうやって蹴っているだろうか。キックに不満がある人の多くのが膝から下の下肢部分に意識を置いているんじゃないだろうか。僕はこの蹴り方に辿り着くまでは、ボールを強く蹴るためにより強い力で、インパクトの瞬間にどれだけ力を入れられるかに意識を傾けていた。でも今は違う。股関節から振り上げることを意識して、あとはフォロースルー。ゴルフでもヘッドの重みを意識してドライバーを振ると遠くまで飛んでいくという。そんな感じ。やってみて欲しい。単に足を振るのと、股関節を意識して振るのとではダイナミックさが違う感じがしないだろうか。運動の出来る人の動きをよく見ると、腕だけ、足だけを使わずに体全体を使っているのが分かる。翻ってキックの話。クリスティアーノロナウドがユナイテッド時代に決めたフリーキック。

https://www.youtube.com/watch?v=ppyb-XI6GJU

このフリーキックは、足どころか胴体部分まで九の字に曲げて、威力に変えている。これが無回転シュートだってことは置いておいても、股関節を使ったシュートの見本なのは変わりない。
ボールの横に蹴る足と逆の足を置いて、ワンステップキックをしてみて欲しい。これまで通りの蹴り方と、股関節キックでは飛び方が違うと思う。
股関節始動ができたら、股関節周辺の筋肉で押し出す感覚も分かってくると思う。そのあたりは下記の動画が参考になったので載せておく

https://www.youtube.com/watch?v=L_vR7nsiGCo&t=437s

更に詳細

ここまで書いてきた内容で、納得できた方は戻るボタンを押して構わないんだけど、まだまだ納得できない、もっと知りたいという方に向けて更なる詳細を書いてみる。
キックの始動を股関節始動に変えると、実はボールと当たる足の場所も変わってくる。小学校の頃、インステップキックは足の甲部分で蹴るんだと教わった。間違いでは無いと思うんだけど、股関節始動にすると甲部分のより上側へと変わっていく。親指と人差し指の中足骨前方部分で蹴っていたのが、中足骨の後方から基節骨部分で蹴る。よく言う、足の甲の一番高いところ。

なぜ、そうなるかと言うと、股関節周辺の筋肉を稼働させて足を振りかぶると(足だけ稼働に比べて)足を少々延ばさなければ股関節周辺の筋肉は働かない。足を後ろにあげる時に足首を曲げたままにすると床に足先が当たってしまう。なので、足と足首を真っすぐにする。バレリーナのような足の形。そしてそのまま蹴ると、中足骨から基節骨部分に自然と当たるようになる。
ここまで来ると、キックが楽しくて仕方なくなる。どんどん蹴りたくなる。恐らく、周りの人との差はどんどん明白になる。そして動きながらも使えるようになったら、もう「あいつのシュートエグいな」と言われる対象になる。
そこまでやってみよう。こんな偉そうに書いた僕もそこまで達してないので頑張る。

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