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OPAMで#福田平八郎展に行ってきた and more

大分県立美術館(OPAM)で開催していた「福田平八郎展」に行ってきました!
行きたいと思いつつ、なかなか時間が取れずにいましたが、会期終了間際にようやく行くことができました。

OPAM( 大分県立美術館: Oita Prefectural Art Museum )は、2015年に開館したばかりの比較的新しい県立美術館です。
主要駅の大分駅からは、バスで9分、徒歩15分ほどで到着する立地。
僕が行った日はすごく暑い日でしたが、大分駅から商店街の中まで徒歩3分くらいで行ってしまえば、そこからはアーケードの中を通りながら日ざしを浴びることなく歩いていくことができました。

大分駅自体も2015年に全面リニューアルでオープンしたこちらも比較的新しく綺麗な駅であり、あとアーケードの中にも商業施設が建てられたり、大分の中心部は整備が進んでいる印象があります。

美術館の建物はモダンで、全面がガラスで覆われて、外からも覗くことができるようになっていたり、中も広く吹き抜けてになっており、OPAMの「自分の家のリビングと思える美術館」というコンセプトに沿うような、美術館に行ったことがない人でも入りやすい、馴染みやすいよう設計されているようです。

公式サイトより
公式サイトより

過去には、「大本山 相国寺と金閣・銀閣の名宝」という展示で相国寺系のお寺に伝わる中世、近世の名作家たち、雪舟や白隠慧鶴の水墨画や、伊藤若冲の鶏を描いたカラー・モノクロの作品群、円山応挙や長谷川等伯の屏風絵、その他にも室町〜戦国の茶道具たちまでと、とても豪華な展覧会があったり、見どころある展示が頻繁に開催されている美術館です。

さて、
福田平八郎は大分出身の偉人として、小さい頃から名前はよく知っていました。

2023年3月〜5月に、東京国立近代美術館で開催されていた、「重要文化財の秘密」という、明治以降に重文指定された作品のみによる豪華な展覧会にて、福田平八郎作「漣」(サムネイルにしている作品です)を初めて拝見しました。(この展覧会やけに気に入って前期と後期で2回行ってしまいました)

それまでの福田平八郎のイメージは、鯉を描いた作品群が真っ先に思い浮かび、写実がうまくて、綺麗な画をつくる人だという程度の解像度でした。

しかし「漣」は、そのイメージとは正反対に大胆で挑戦的な画で、衝撃を受けました。
この作品は琵琶湖の水面に光が当たり、揺らめく景色を描いたものなのですが、抽象的な形状の群青がリズム良く重なり、光の当たる水面の煌めきが空白で表現されています。
シンプルな技法と平面的な画面構成で、空白によって光を表現する。
この作品からは、非常に日本人的なミニマリズムを感じることができます。

写実を極めた人物が、抽象的な絵画に行き着くのは良く見られる流れで、興味深い思考の一致?だなと思います。ピカソなんかもそうかと思います。(厳密には抽象絵画ではないですが)

今回の展示には福田平八郎の日々のスケッチも展示されており、そのスケッチ帳には写実的なスケッチに紛れて、アメリカの抽象表現主義の画家マークロスコの作品を見た時の作品のスケッチが含まれていました。他の作家の表現も吸収されていたんだなというのが資料から見られてよかったです。

晩年の福田平八郎の画風は、良く描いたモチーフである鯉を単純化したり、抽象化し描いています。

福田平八郎の好んだ鯉というモチーフにも、水は欠かせません。捉え所の難しい水というものの表現について、福田平八郎は考え続けてたのかなと思います。
他の代表作として知られる「水」も「漣」とは違う手法で水を表現しています。写実で捉えづらい水を、抽象や単純化によって、その特徴や情緒を感じさせているようです。

同じく水というモチーフを描いた画家に、デヴィッドホックニーというイギリスの現代の画家がいます。

デヴィッドホックニーと共通するところありそうだなと、何となくGoogleで検索したところ、デヴィッドホックニー自身が京都で福田平八郎の「漣」を見て感銘を受けたとの文章がありました!(全然知らなかった。。関連する展覧会もギャラリーなんかで開かれていたようです)

面白いところで、繋がるんですね。

ここまで何となく時間がある時に書いており、すでに展覧会に行ってから1ヶ月ほど経過しています。
展覧会レポートみたいなのを目指して書き始めましたが、途中から飽きちゃって、というか完璧を目指すと進まなくなってしまったので、この辺りで投稿しとこうかと思いますー。

完璧主義って考え事ばかりで、進まなくなりがちです。
晩年の福田平八郎みたいに、単純化したり抽象化したり、気楽にこなしていきたいものです。(晩年の彼が気楽だったかはわかりませんが、、)

大阪中之島美術館 展覧会ページより

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