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服づくりは変わるか?3DCAD CLOを使ってみて考えたこと

最近は専ら服づくりに励んでおりました。

本来なら、紙にパターンをひいて布を裁断しミシンで縫っていくのですが、便利なもので、パソコン上でパターンをひくというのが、服飾業界では一般化しています。

なので、等身大の紙にペンで形を取っていかなくても、それらは完全にデジタル上で行うことができるようになっているのです。

が、デジタル上で作ったパターンは、実際の紙として出力しなければいけません。プロッターと呼ばれる大きいプリンターみたいなもので、紙に書いてパターンの形状にカットしてもらいます。その後、布に紙のパターンを置き、裁断してミシンで縫っていくのです。

実験的なことをしようとする場合、これらの工程は、なかなかの手間と時間とお金がかかってしまいます。製品になるわけではない実験的なものに、そのようなコストを割くのはリスクにもなります。

そこで最近になって手を出してみたのが、3DCADと呼ばれるものであります。これは、パターンをひくこと、布を裁断すること、縫うことをデジタル上で再現するツールになります。

選んだのは、「CLO」というソフト。

先日のパリオリンピックのフランスのセレモニーユニフォームは、CLOを使用しデザインされたそうです。


デジタルの人体にパターンを置き、シュミレーションをかけて着用させることができます。

デジタルの人体は、男女とキッズ、さらに人体の各寸法も任意で調整することができ、ブランドのターゲット層に合わせた人体を仮想することができます。

プリセットとして多数の生地も用意されているほか、それぞれの生地の物性数値を調節することで、実物の生地感に近づけていくような作業や、物性を計測する機械も運営側から販売されており、実物の生地を機械で計測することで、物性を自動で調整しデジタル上に再現することなんかもできるようです。

レンダリングで着用画像の製作や、WEBサイト掲載用の3Dオブジェクトの生成なんかもできます。
FBXファイルのエクスポートもできるので、blenderなどを扱える方は、よりモデルや背景を作りこむことが可能です。(blender勉強しないとなあ、、)

[↑チュートリアルとして、ヨウジヤマモト1995からコピーしてみたものです]

これ革命では??

例えば、DTMの発展によって生楽器の演奏では、出すことができない新しい音や音楽が生まれたように、技術の発展が文化や芸術を推し進めることは良く見られることであり、
これを服飾に置き換えたときに、ミシンの発明、織機や紡績機の発展がその始まりだとすると、2DCADや3DCADという技術が、新しく服飾の発展に寄与するのではと感じたのです。
さらに、ミシンや織機が生地と縫製の生産側の進歩だとすると、3DCADはデザインや創造性という分野での大きな手助けになるのではと思えます。

建築や彫刻といった領域では、3DCADという技術はもう少し早い時期から導入されていたと思うのですが、服飾にこれが本格的に持ち込まれたとき、服つくりがどう変わっていくのか、それを間近で見ることができるかもしれません。

つい最近ですが、ReHaQというYouTubeチャンネルに村上隆さんが出演していた回で、村上さんの立体作品もZBrushや3Dプリンターを用いて構想を重ねて製作していたとのお話をされていました。

村上さんは、Macが発売された直後から自身の作品製作に用いていたそうです。(何かの本かインタビューで言ってたと思う。ソース出せなくてすみません。。)

服飾の前時代的な生産方法は、他の創作的な産業に比べて際立ってるなあと感じていたのですが、3DCADの使用によって、目新しい変化が起きるのではとわくわくした次第です。もちろん、依然として最終的な服は人がミシンを踏んでつくります。しかしアパレル3Dプリンターのような話も、ちらほらと耳にすることがありますので、生きている間には服つくりが大きく進歩しそうです。

そもそも人の身体そのものが変わりつつあるというか、VRグラスみたいな技術が本当に支配的になったとき、人が外に出らずに、完全にデジタル空間に入った時、VRグラスをした人は何を着ているのでしょうか。
それでもきっと、デジタル上のアバターも裸ではないわけで。
新しい身体に沿った衣服?(布ではないかもしれないけど)が必要とされるんだろうなああとか、、、、、、、
いろいろ妄想と考え事をする8月でした。

僭越ながら自作の布か服です…

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