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読書日記『IHATOVO 03』(junaida:宮沢賢治,2017)

先日訪れた「IMAGINARIUM   junaida展」にて購入。
宮沢賢治の詩の部分引用に画家・junaida(ジュナイダ)が絵をつけた絵本のような詩集のような一冊。

宮沢賢治のことは知っていると思っていた。
(「アメニモマケズ」を小学校で暗唱させられたし、「やまなし」も授業でやった。)
その上であんまり好きではないと思っていた。

しかし、この本で意見が変わった。こんなにも、幻想的で美しかったのか。誰かの目を通してみるのも面白い。

この「03」を買う決め手となった引用部分2つを記録しておく。

みんなに義理をかいてまで
こんや旅だつこのみちも
じつはたゞしいものではなく
誰のためにもならないのだと
いままでにしろわかってゐて
それでどうにもならないのだ

異途への出発

海面は朝の炭酸のためにすつかり錆びた
緑青のとこもあれば藍銅鉱(アズライト)のとこもある
むかふの波のちゞれたあたりはずゐぶんひどい瑠璃液だ
チモシイの穂がこんなにみじかくなって
かはるがはるかぜにふかれてゐる
 (それは青いいろのピアノの鍵で
 かはるがはる風に押されてゐる)
あるいはみじかい変種だらう
しづくのなかに朝顔が咲いてゐる
モーニンググローリのそのグローリ

オホーツク挽歌



読了日:2022/12/21

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