父を訪ねて その3
父親の所在地が分かった。
戸籍から追ってるのだから、分かって当然だが、あっけないほど簡単に手元に来た。
早速、GogleMapで検索してみる。
もしかしたら北海道の果てや、沖縄とか、未知な場所にいるのではとも少し期待したが、なんのことはない、両親が離婚したときの所在地の市に留まっていた。
しかも、離婚当時、私が住んでいたであろう家から、線路を挟んだすぐの場所だった。
奥さんも、ストリートビューでじっくり探しており、かなり楽しんでいた。
そして、前に祖母から、父親は教師だったと聞いていたので、その市の名前と、氏名で検索してみる。
教職員の異動情報にちらほらヒットするが、2010年前後の写真は粗く、判別出来ないものが多い。
すると、また奥さんが興奮しながら、この人じゃない?と言ってくる。
私は所見では判別できなかったが、「眉毛と鼻が一緒じゃん!遺伝子すげー!」と奥さんは大興奮。
共通のエンターテイメントを提供できたようで、ちょっと嬉しい。
住所も分かった、顔もなんとなく分かった。さて、どうしよう。
私も奥さんも、発見の興奮が冷めて、黙り込んでしまう。
奥さんは、またお得意のネットサーフィンで、会いに行った場合のリスクを検索している。
私も冷静になって考えてみた。
まずは、周りとの関係。向こうの家族にとっては気分が悪いと思うし、財産目当てなど、意図しない捉え方をされても悲しい。別に家族を壊したり傷つける意図はない。
次に頭に浮かぶのは、なぜこちらからアクションを取っているのかということだ。自分の子供なのに、探そうとしないのか。
色々な想いがあるのは理解できるが、言ってしまえは無責任だよな、と考えがそこに戻ってしまう。
今の生活に全く不満もないし、日々幸せに暮らせているので、あえて波紋を起こすメリットもないとも思う。
なので、今の結論としては下記の3つかなと思う。
1.こちらからは何もしない。相手からのアクションを待つ。
2.こちらに海外赴任や大病など、生活の変化があったときに、連絡をしてみる。
3.直接家に行き、本人と話す。
コロナ禍でなければ、3.も十分可能だったが、遠方なのもあり、なかなか厳しい。
結局、今回の所在地探しは、探すことが目的だったので、ここで行き詰まった。目的が、金銭も含めた復讐であったり、過去の精算だったらもう一歩踏み出すモチベーションとなっただろうか。
とりあえず、現時点はここまでとなる。
人生では、会うべき人と、会うべきタイミングで必ず出会うことを、この数年間で学んだので、そのタイミングを今は待ちたいと思う。
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