深田萌絵さんの会社が「Revatronが中国テンセントとケントンIoTとの戦略的パートナシップ締結を発表」とプレスリリースした件の周辺情報まとめ
深田萌絵さん(本名:浅田麻衣子)の会社Revatron株式会社が、2018年12月に中国のテンセントと戦略的パートナーシップを締結した事は、本人が会社のプレスリリースを出している事から、紛れもない事実です。
今回は、このプレスリリースに関連する
・テンセントとの戦略的パートナーシップの締結についての情報
・中国での5Gへの関りについての情報
・中国での半導体プロジェクトについての情報
・日本での訴訟についての情報
など、周辺情報も含めてまとめていきたいと思います。
①Revatron株式会社とテンセントとの戦略的パートナーシップ
Revatron株式会社のプレスリリース(2018-12-06)
本人がYoutubeで、テンセントと共同で研究・実験をしたと語る
深田萌絵さん本人も、Youtubeでテンセントとセキュリティーソリューションを研究・実験したと語っています。
【猫組限定一部特別公開】右や左以上に大事なこと。経済の未来と国民の生活。 【深田萌絵TV】 2021/06/14(12:50~)
https://youtu.be/bwoDUVBzj9c?si=BGYi8LAnQ8N7weOS&t=773
また、プレスリリースから判明した情報として、テンセント以外の会社とも戦略的パートナーシップを締結している。
・ケントンIoT(西咸新区坤同物联科技有限公司)とも締結
共同で米FPGA大手Xilinx社のFPGAをベースにデプスカメラ・ソリューションをテンセントに提供
・中国5G通信メンバー(おそらくチャイナモバイル)とパートナーシップ契約
5G時代に必要とされる映像の高速伝送技術に関して世界に先駆けるソリューション・ベンダーとして、パートナーシップ契約を締結
②世界VR展の『5G+VRフォーラム』にスピーカーとして登壇 @中国南昌市
プレスリリースにあるように、Revatron株式会社は中国南昌市で開催された、世界VR展の『5G+VRフォーラム』にスピーカーとして登壇しています。
その、2018世界VR産業大會のプログラムのP24とP26に、
Revatron株式会社のCTO(最高技術責任者)として、ジェイソン・ホー(Jason Ho)の名前と顔写真が掲載されている。
また、チャイナモバイルの部長代理も登壇している。
③西咸新区坤同物联科技有限公司(ケントンIoT)の周辺情報
Revatron株式会社がテンセントと共に戦略的パートナーシップを締結したとされる「ケントンIoT」。
中国名は「西咸新区坤同物联科技有限公司」。
この会社は、プレスリリースで紹介されたような「半導体企業」ではなくIoT企業であるが、兄弟会社に「陕西坤同半导体科技有限公司」という半導体企業が存在しています。
関係を解説すると、坤同科技(北京)有限公司という北京の会社があり、その子会社として2つの企業があります。
【親会社】
・坤同科技(北京)有限公司(2018-02-07設立)
【子会社】
・陕西坤同半导体科技有限公司(半導体企業・2018-07-06設立)
・西咸新区坤同物联科技有限公司(ケントンIoT・2018-08-18設立)
この3つの会社は全て2018年に設立されている。
Revatron株式会社は、設立してすぐの会社と戦略的パートナーシップを締結したということがわかります。
ケントンIoTは半導体企業ではなく、情報もほぼ出てこない。
兄弟企業の陕西坤同半导体科技有限公司については、中国の大規模な半導体プロジェクトでの失敗が確認されています。
④陕西坤同半导体科技有限公司のプロジェクト
陕西坤同柔性半导体基地
2018年10月16日のニュースの情報を読むと、
「フレキシブル半導体、フレキシブルディスプレイ」というようなコンセプトを掲げて、ディスプレイ技術に関連する半導体の開発と製造をする目的で設立されたようです。
有機EL、折り畳み可能なディスプレイの技術などと思われるが、日本語記事なのに、日本語がめちゃめちゃで、恐らく中国の記事を自動翻訳しただけの可能性が高いですが、以下にニュースを紹介しておきます。
https://japan.zdnet.com/release/30274579/
陕西坤同柔性半导体基地プロジェクトは
・中国国家発展改革委員会が祝辞を述べ
・中国陝西省の重大科技産業プロジェクト
・総投資額は400億元
という大規模なプロジェクトである事がわかります。
総投資額の「400億元」は、2023年11月8日時点のレートで8,326億9,146万6,994円。
また、
・フレキシブルディスプレイのサプライチェーンの構築
・生産能力は30000/月
・中小サイズフレキシブルAMOLEDディスプレイモジュールを中心に生産
・2020年10月~12月に稼働開始
・2021年7月~9月に大量生産開始
などを予定していました。
半導体プロジェクトの失敗
しかし、このプロジェクトの運営者は半導体業界の運営をしたことがなかったらしく、2020年秋には失敗したと報道されています。
同じ時期失敗した中国の半導体プロジェクトとして、投資詐欺だったと話題になった武漢宏新半導体製造有限公司などもあります。
「習近平のチップ製造失敗、百億規模のプロジェクト6つが中止」
2020年10月7日
https://www.visiontimesjp.com/?p=9582
「深度丨千亿级半导体项目烂尾背后:投资方无经验 缺人更缺钱」
每日经济新闻 2020-09-23
https://www.nbd.com.cn/articles/2020-09-22/1510392.html
「ギャンブル型投資の後遺症が進行中、陝西昆通の400億フレキシブルスクリーンの故障が始まった」界面新闻 2020.05.20
https://tech.sina.cn/2020-05-20/detail-iircuyvi4155605.d.html
2020年4月30日の記事で恐ろしい内容を発見
なんと、2018年10月に始まったこのプロジェクトの支配株主である坤同科技(北京)が、この記事の時点で、まだ出資金を支払っていないと・・・
资400亿!号称国内首个柔性半导体项目陷停滞,陕西坤同董事长独家回应
资本风云 2020年04月30日
https://www.jiemian.com/app/index.html
巨大プロジェクトを言い始め、出資者を募り、すんごい事をやるんだぞーっと言い続けていた坤同科技(北京)が、95%株式保有しているのに出資金をまだ払ってないとか、どんだけ恐ろしいんですか・・・
⑤「中国の発展を妨害した」と日本国を訴える行政裁判
2018年12月、深田萌絵さんの会社Revatron株式会社が、戦略的パートナーシップを締結。
そのわずか1週間後である2018年12月13日に、深田萌絵さんとケントンIoTは、共同原告で我が国に対して行政裁判を起こしています。(平成30年行ウ557)
その深田萌絵さん率いる原告団の主張として
「中国の発展を妨害するために、(中略)チャイナモバイルやテンセントが5G通信技術を用いたソリューションを展開することを妨害し、原告団に甚大な損害を与えた。」
と書かれています。
この裁判では、深田萌絵さんがYoutubeやSNS、講演会などで、中国の背乗りスパイとして何度も何度も登場させている藤井氏を、日本政府が雇用したスパイとして登場させています。
詳細は別のnoteでご確認ください。
もしも、深田萌絵さんの主張が本当で、日本政府が雇用したスパイが中国の発展を妨害、5G技術開発を妨害したのであれば、日本政府やるやん!!!!スパイとか雇用できるん知らんかったけど!!!!と称えるべきなのではないでしょうか?
(深田萌絵さんの主張が、もしも、万が一、本当であればのお話です。)
※深田萌絵さんがこの裁判で「日本政府が雇用したスパイ」という設定にしている藤井氏は、深田萌絵さんが経営している2代前のRevatron(同じ名前の会社をいくつも作っています)に、1000万円の債務弁済を求める裁判を起こしたら、ご自身の出自(中国残留邦人3世で幼少の頃日本へ帰国)を悪用され、「背乗り中国人スパイだ」というデマを10年近くバラ撒かれ、大量の嫌がらせの裁判を起こされてているが、深田萌絵さんは藤井氏との裁判に負け続けています。
とにかくデタラメな前提と情報の歪曲をし続けているが、
私のように両側の主張をしっかりと確認し、法律や当時の時代背景等を調べた結果、藤井氏の主張はまっとうであると判断し、事実や資料を提示している側まで「中国スパイ」としています。
「アタシの存在が都合が悪いから、たくさんの中国スパイに攻撃されている!」というような主張をされているんです。
こちらが提示した法律や当時の時代背景に基づく情報が間違っているというのであれば、「スパイ!スパイ!」と叫んでばかりおらずに、しっかりと反論されればよろしいのに。
⑥矛盾
①で紹介した深田萌絵さんの動画、実はこのような事を前後で主張しています。
まず、パナソニック半導体のヌヴォトンへの売却は外為法違反ではありません。
パナソニックの半導体部門が防衛のチップを製造していたなんて事実はありません。詳しくは別のnoteをご確認ください。
そして、ここで深田萌絵さんは「テンセントとセキュリティーのソリューションを出したのは国防になんの影響ももたらさないから問題ない」ということを言っていますが、
プレスリリースでRevatron株式会社と共同でデプスカメラ・ソリューションをテンセントに提供したとされるケントンIoTと共同原告となり日本国を訴えた裁判での主張では、「中国の発展」に関わるほどの技術開発を中国でされていたようですが、
中国の発展に関わるほどの技術をチャイナモバイルなどと契約をして開発をすることは、日本の国防に影響はないというのですか?
Youtubeでは国防になんの影響もないと言いながら、
裁判では中国の発展に寄与するほどの技術だと言っているようですが…
これは矛盾していませんか?
⑦時系列整理
2018-02-07 坤同科技(北京)有限公司 設立
2018-07-06 陕西坤同半导体科技有限公司 設立
2018-08-13 西咸新区坤同物联科技有限公司(ケントンIoT) 設立(代表:董雄)
2018-10-20 世界VR展の『5G+VRフォーラム』にスピーカーとして登壇 @中国南昌市
2018-12-06 Revatron株式会社プレスリリース「テンセントと戦略的パートナーシップ契約を締結」
2018-12-13 〔平成30行ウ557〕行政訴訟 ケントンIoTと共同原告「日本政府が中国の発展を妨害した」
2018-12-21 〔平成30行ウ557〕判決 却下
私は、これまでの経験から深田萌絵さん発の情報は全て信頼に足りえないと思っています。
一つの事象について、【YoutubeやSNS】と【裁判】で真逆といってもいいほど違う主張をしている。
何故そんなことをするのか不思議に思いませんか?
みなさんも、時系列をしっかり確認し、ニュース記事や会社情報を照会しながら事実を探しましょうね。
参考資料
企業情報
・西咸新区坤同物联科技有限公司(ケントンIoT)
https://archive.li/jSC5m
・陕西坤同半导体科技有限公司https://www.qcc.com/creport/cd80a5d388fd08ee525ecf3b05502eb4.html
・坤同科技(北京)有限公司
https://www.qichamao.com/orgcompany/searchitemdtl/d1e0a06bf1709d770920f9257124365f.html
※中国の企業情報の閲覧は、数年前に比べると外国からの閲覧に制限がかかってきていて、使いづらくなっています。
2018世界VR産業大會
・当時のニュース「2018世界VR産業大會:5G賦能VR産業新機遇」
https://archive.li/X8Yy8
・2018世界VR産業大會のプログラム(PDF)https://web.archive.org/web/20190510124214/http://www.chinadaily.com.cn/specials/Programof2018WorldConferenceonVRIndustry.pdf
中国半導体プロジェクトと失敗関連ニュース
・中国初のフレキシブル半導体サービス製造基地が陝西省西咸新区に誕生
OLED Industry From: JCN Newswire 2018-10-16 11:00
https://web.archive.org/web/20210421074047/https://japan.zdnet.com/release/30274579/
・陝西省でフレキシブル半導体製造基地の建設プロジェクトがスタート、2021年後半に大量生産開始 中国 2018年10月18日
https://www.acnnewswire.com/press-release/japanese/47061/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%83%BB%E9%99%9D%E8%A5%BF%E7%9C%81%E3%81%A7%E3%83%95%E3%83%AC%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%96%E3%83%AB%E5%8D%8A%E5%B0%8E%E4%BD%93%E8%A3%BD%E9%80%A0%E5%9F%BA%E5%9C%B0%E5%BB%BA%E8%A8%AD%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%81%8C%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%88%E3%80%81%E7%B7%8F%E6%8A%95%E8%B3%87%E9%A1%8D400%E5%84%84%E5%85%83
・Kuntong Semiconductorの400億プロジェクトが行き詰まり、大株主の投資に関するニュースなし 北京新浪 (2020-05-06 09:15)
https://web.archive.org/web/20200513072555/https://news.sina.com.tw/article/20200506/35070050.html
・深度丨千亿级半导体项目烂尾背后:投资方无经验 缺人更缺钱
2020-09-23
https://www.nbd.com.cn/articles/2020-09-22/1510392.html
おまけ
めちゃくちゃな情報をご紹介
深田萌絵さん発の情報がどれだけめちゃくちゃか、今回の記事に関連する情報でご紹介しますね。
・プレスリリースで戦略的パートナーシップを締結したと発表しているケントンIoTは、半導体企業ではなくIoT企業。
・裁判で「ケントンIОTの親会社は陝西坤同柔性半導体科技であり」と言っているが…
①陝西坤同柔性半導体科技という会社は存在しない。
②ケントンIoTの親会社は坤同科技(北京)で、
③兄弟会社の名前は陕西坤同半导体科技で、
④それが出資した巨大プロジェクトの名前が陕西坤同柔性半导体基地です。
片側からしか出ていないプレスリリース
実は、Revatron株式会社は「テンセントと戦略的パートナーシップを締結した」とプレスリリースを出しましたが、テンセント側からはプレスリリースが出ていません。
プレスリリースというのは、通常両側から出るものなんですが、テンセント側からプレスリリースが出ていないのは何故なのでしょう・・・?
さらに実は、以前にも相手側のプレスリリースがどこを探しても見当たらない事がありました。
それが、Revatron株式会社のCTO(最高技術責任者)のジェイソン氏が以前作ったマイ・ロジック(Mai Logic)という会社が2002年7月に出した
「マイ・ロジックとカイザー・エレクトロニクスが次世代JSF飛行制御/表示システムの開発で提携」です。
ジェイソン氏が深田萌絵ブログ(2023年1月に記事全削除)や最近ではYoutubeなどで、「オレのF-35の技術が盗まれた!」などと言っている話の「F-35の技術」はこのカイザーエレクトロニクスと自社のチップを共同開発することになったところからきています。
しかし、カイザーエレクトロニクス側のプレスリリースは、どこを探しても見当たりません。
この「F-35の技術が盗まれた!」という話は掘り返すと色々いっぱい出てきていますのですが、ご興味ある方はこちらのnoteを読んでいただければと思います。
プレスリリースとは関係ないですが、
・麻生太郎議員と深田萌絵さんの記念写真を使って、ジェイソン氏が「オレは日本の副総理のコンサルタントだ」と言っていたり、
・ポンペオ氏と自身の記念写真を使って、深田萌絵さんが「ポンペオと弊社CTOが話し合いの機会を頂きました」と言っていたりします。
世の中には、それっぽく凄い事を話していても鵜呑みにしてはいけないお話っていうのがあるんですねー。
大切なのは、一次ソース、当時の資料確認、当時のニュース、時系列整理、、、ですかね。
みなさん、気を付けましょうね。
以上!
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