宮沢賢治を堪能する岩手へ二泊三日の旅
※旅行に行ったのは昨年の11月だったのですが、失恋やら何やらで記事にするのが遅くなりました。
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私は宮沢賢治が好きだ。
小学生のときに、一番最初に銀河鉄道の夜の映画(以下)を見てから、「銀河鉄道の夜」の世界観の虜になり、「注文の多い料理店」を読んでさらに大好きになった。
ただ、銀河鉄道の夜と注文の多い料理店以外は読んだことが無かった。宮沢賢治が好き、と言おうとするたびに、二つしか読んだことが無いのに好きと言ってよいのかという気持ちが邪魔して言えなかったこともあった。
なので、仕事を辞めて有給をもらえたので、宮沢賢治にどっぷり漬かりながら、二泊三日で宮沢賢治の本を読むたびに出ることにした。
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一日目:一ノ関で中尊寺~猊鼻渓
東北新幹線で一ノ関に到着。レンタカーを借りて中尊寺へ向かいます。
中尊寺に到着。ちょうど紅葉の時期で、とてもきれい。少し前にヒカルの碁を見たのを思い出しました。
寒い時には甘酒が飲みたくなったので、お茶屋さんで一服。しょっぱい漬物と甘酒は永久機関。
中尊寺金色堂は、過去に一度見たことがあったはずなのだが記憶がなく、とても新鮮な気持ちで見ることができた。ちなみに、平等院鳳凰堂と混同しており、見た瞬間に「え…ちっさい…」となりました。
そのまま、宿がある猊鼻渓まで運転して、宿近くの洋菓子店でおやつを購入し、すぐ近くの図書館をぶらついたりしました。(余談ですが、図書館のにおい、とっても好きです。本屋とも違う、少し古くなった本の糊や紙のにおいが落ち着きます。)
チェックイン時間になったので、宿へ。
カフェ&ゲストハウス かぢや旅館に宿泊したのですが、とても素敵な佇まい。
中に入っても、温かくお洒落な内装で、すごく満たされた気持ちになりました。
そして、夕食。Gotoを使って2食付き4000円だったので、正直夕食にはそこまで期待していなかったのですが、このハンバーグにノックアウトされました。おいしすぎる。個人的に人生で食べたハンバーグで一番好きです。野菜も地元のものを使っているそうで、この時点で私の東京で乱れた精神は完全に静まりました。
そして夕食後にはワインを頂きながら、読書。他のお客様もおひとりで来ている人が多く、静かな満たされた時間でした。
ワインを頂いた後には、酔い覚ましも兼ねて外を少し歩きました。星が綺麗で、ずっと見ていられるようでした。
お部屋もシンプルで気持ちの良い内装。酔い覚まししてお風呂に入ったら読書をしながら気づいたら寝てしまいました。
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二日目:猊鼻渓~花巻
朝起きると快晴。ゆっくりと自家製パンを食べながら、今日の予定を考えます。元々は毛越寺に行こうかと思っていたのだが、行きがてらに「賢治と石のミュージアム」という看板が目に入って気になったため、そちらに目的地を変更しました。
賢治と石のミュージアムに到着すると、朝いちばんの来訪だったため、誰も他に来訪者がおらず、職員さんに説明してもらえました。
現地の方の目線で宮沢賢治を教えていただくことができ、実際に宮沢賢治が働いていた職場などを見ることもできます。
こちらで話を聞いた後に、作品を読むと、宮沢賢治が当時どんな世界を見て、どんな思いを持っていたのか、想像の解像度がすごく上がっていることに気づきます。たまたま看板が目に留まって、訪れた先でしたが、運が良かった。
そして、一ノ関にふたたび戻って、レンタカーを返却し、JRで花巻に向かいました。1時間弱で花巻に到着し、珈琲を飲みながら次の宿泊地である大沢温泉行のバスを待つことにしました。
駅前に小洒落た珈琲のお店(夜はバーをやっているようです。)があり、ゆっくりと時間を過ごして、いざ大沢温泉へ。
大沢温泉の自炊部ですが、湯治の宿、という感じがします。渋い。初めて湯治の宿に泊まったので、中の趣のあるつくりに感動しました。
お風呂も、透明でつるつるした湯質で、土日だったにも関わらず人も多くなかったので、大自然の中ぼーっと温泉に2時間ほどいました。
夜は、一ノ関駅で購入した冷凍ほやを解凍し、ビールのあてにしながら、また読書。
私は今回ほやを始めていただきましたが、好みの味だったので同じメーカーのものを東京でも取り寄せていただいています。
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三日目:花巻
朝起きて、朝食を取ったら朝風呂へ。味のある佇まいの建物が朝日に照らされています。朝は気温1度で、起きたときに冷たくなっていたのですが、温泉で体がぽっかぽか。
そして、ついに宮沢賢治記念館へ。横には山猫軒も建っていてファンにはたまらない。
ちなみに、コロナの関係で入り口にアルコールが置いてあったのですが、注文の多い料理店とかけて「アルコールをよく塗りましたか、指先にもよく塗りましたか」と掲示されていて、事務的に塗っていたアルコールがすごく趣深く思えて、この注意書きめちゃくちゃ良い!となりました。
記念館の中には、コンパクトながらかなりたくさんの展示がしてあって、全部ゆっくり楽しむには数時間かかりそう。私は後続の予定もあったので、少し飛ばし気味に拝見しましたが、それでもかなり楽しめました。
昼食には、なめとこ山庵へ伺いました。肌寒い気温に温かい蕎麦がめちゃくちゃ染みる…。きのこが食べたことのないきのこだったのですが、忙しそうだったので、何のきのこなのか質問できないままお店をあとにしてしまいました。
一番楽しみにしていた宮沢賢治童話村へ。上記は外観ですが、展示はぜひ現地で見てほしいです。予想以上に世界観が作られていて、平日で貸し切りだったのもあって、没入できました。
その後、少し宮沢賢治にゆかりのあるカフェに行きたいなと思って、茶寮 かだんに伺いました。ここもめちゃくちゃ良かったです。
もちろん、雰囲気や花壇も綺麗なのですが、お菓子とお茶がおいしかった!!(典型的な花より団子系)
素敵なご夫妻がされているお店のようで、とてもよくしていただきました。
そして、レンタカーを返して、新花巻から新幹線で帰宅しました。帰り道は米津玄師のカンパネルラを聴きながら。
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岩手、良いところ
岩手、最高でした。宮沢賢治記念館に行ったこともそうですが、岩手のしんと静まり返った山の中の雰囲気を感じながら作品を読むと、世界観をすごく感じられるようになりました。
宮沢賢治の作品は人間ではない登場人物が多いのですが、岩手の深い山に抱かれていると、この世界観がぴったりハマります。
また、食べ物もおいしいし、人も優しいし、また行きたいです。コロナが収まってくれたらなあ…。