子どもの頃に読んだ、心に残っている本たち
小さい頃からの本好きだと自負していますが、不思議と絵本との思い出はあまりありません。
懐かしさや切なさ、心がほっとするような温かさを伴いながら思い出すのは、小学生の頃に読んだ本です。
・モモちゃんとアカネちゃんシリーズ
・ああ無情
・ハーメルンの笛吹き
・白旗の少女
・おちゃめなふたごシリーズ
どれも、あの頃に出会えてよかったなと思うものばかり。こう振り返ってみると、私は小さい頃からどこか影のある、重めの作品が好きだったんだなぁ。
「モモちゃんとアカネちゃんシリーズ」でも印象に残っているのは、おとうさんと目下喧嘩中のおかあさんのチョキンチョキンという鋏を使う音だったり(”目下~中”という表現をここで覚えました)。靴しか帰ってこないおとうさんだったり。学校での怖いけどちょっと悲しい話だったり。少しうすら怖い部分です。童話なのに、時折容赦なく現実の恐ろしさを突き付けてくるような所があります。
「ああ無情」は、たまたま本屋さんで出会って。子どもの頃は読んでもよく分かりませんでした。でも司祭の懐の広さはすごく印象に残って。自分には司祭のようには振舞えないと感じたのかもしれません。
20代にレ・ミゼラブルを見た時は。エポニーヌの報われない恋心に切なくなりました。
30代では子どもを持った影響なのか、この時代に一人で子どもを育てるファンテーヌの貧しさを思いました。
という感じに、私にとって人生をずっと共にできるような作品になっています。一年生のあの頃、近所の本屋で出会えてよかった。
私はどういうわけか、小さい頃から戦争の話に惹かれる子どもで。幼稚園の頃に本屋さんで父親にねだったのも「火垂るの墓」でした。
なかでも、「白旗の少女」は今でも取ってある大事な本。お父さんや、にいにい、ガマのおじいさんとおばあさん、心を打たれました。挿絵もすごく素敵でした。と書いていたら、また読みたくなってきてしまいました。実家に取りに行こう…。
「ハーメルンの笛吹」には怖さを感じたし、大人たちの勝手さに虚しさも感じました。「おちゃめなふたごシリーズ」は、容赦なく退学になったりすることもあって道徳的な部分にも魅力を感じたけど、単純に読んでいて楽しかった。真夜中のパーティや夜のプールサイド、寮の生活に憧れたな。
この楽しさがあったから、大人になってからもずーっと本が好きだし、文章を書くことも好きだし。私をつくってくれたと思っています。