記録014
最近ようやくわかった、というか、認めることができたことがある。わたしはこれまで、「なんとかなるでなんとかなってきた人生」というものがついに崩れて、鬱になったのだ、ということ。
これまでの、自分自身への「なんとかなる」という信念、「なんとかできる」という自分自身への自負やプライドや期待を、自分自身への、自分自身による重圧が上回って、ひとつの身動きもとれなくなり、自分自身への絶望がわたしの全てを食い尽くして、ついには潰れてしまったのだ。
わたしは人より言葉をやや使いこなすことができるのですけど、それはこれまでの人生、なにかを誰かに伝えるために毎日毎日毎日毎日毎日どこかになにかを書いていたから当たり前なのであって、そういう風に積み重ねているものというのは、わたしにはもう、書くことしかないので、それだけがわたしをわたしたらしめて、安心して自己存在を見つけることができる、わたし自身を離れていくわたしの、唯一無二の分身なんだよ。
正直に言って、そんじょそこらの人には言葉で負ける気なんか全くしていないけど、それと同時に、言葉だけの、言葉だけが頼りのわたしにとって、言葉だけで勝負することは、とてもとてもおそろしいことでもある。それが崩れ去ってしまったら、わたしはもうきっと、深淵から戻ってくることなんかできないんだろうと思うから。
書くことを仕事にしたいと、正直に言うと思っている。
だけど、そもそも生計を立てられるか否かという以前に、わたしがそこに足を一歩でも出すことができないでいるのは、わたしの言葉が通用しない社会では、わたしは生きていくことができない、ということがわかっているからだ。それで、この場所でずっと、堂々巡りのように回り続けている。
だからこそ、「身体一つ」で勝負する身体表現にかなり傾倒しているのかもしれない。しんたいひとつ、からだひとつって、言葉にするだけでもとてつもないエネルギーがあって、泣きそうになってしまうから。
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