Lol Coxhill & 突然段ボール - S/T
フレッドフリスからの流れでR.I.Oとの親和性の高い突然段ボールのセッショントラックにLol Coxhillのサックスを重ねることで完成させたアルバム。1983年作。ローファイさもアヴァンポップなアプローチも両者各々が元来持ち合わせた領域をそのまま発揮しているようにも感じられる一方で後からトラックをかぶせたLol Coxhillによる突然段ボールのトラックの解釈の素晴らしさも強く感じさせるアルバムだと思う。
冒頭の模様は、ギターとサックスのユニゾンで朴訥としたメロディーを奏でるイントロが素晴らしい。この時点でR.I.O的世界観を強く感じる。また間奏毎に登場するフリーキーだがリラックスしたサックスソロは、ブレイクを含むバンドのグルーヴに不思議と深く入り込んでいる。とても心地よい。
Bye Byeは、ポストパンク然とした質感のインストアプローチが素晴らしい。揺れながら続くエイトビートにフリーなギターとサックスのインプロビゼーションが続くが、中盤以降はバンドを含めて完全にフリーになる。その中でボイスパフォーマンスを交えながら描くパートが各々にサウンドを進めていく。不思議とスリリングな印象はなく、極めてゆったりとしたフィーリングに溢れているように感じる。
夏はかげろうは、フリーサイケ的なバックグラウンドを見せつつ、やはりリラックスしたメロディーがとても素晴らしい。極めて独特なアプローチのままポップに響かせるアプローチや断片的に差し込まれるテクニカルなフレーズ等、アヴァンポップの魅力が詰め込まれた楽曲だと思う。