風邪の日
鼻をすすると風邪の匂いがする。
熱を出して風邪をひいたとき、いつも思う。
ああこの匂い懐かしいなと。
そして私は風邪をひいたのだなと。
風邪とフルーツゼリー
風邪を引くとフルーツゼリーが食べたくなる。
フルーツゼリーが風邪に効くかどうか、という医学的な根拠というより昔からの習慣で欲しくなる。小さい頃から風邪をひくとフルーツゼリーとポカリを摂取していた。
私は38.8°の身体を起こし、コンビニまで歩き、ごろっとフルーツゼリー(色々ミックス)とブドウとナタデココのゼリーを買った。
前者はこれぞフルーツゼリーということでほとんどシステマティックに買い、後者はお楽しみに買った。
風邪と魔法の世紀
フルーツゼリーを肴に解熱剤を飲み干してしばらく、夢とも現実ともつかないふわふわした時間を過ごした。
スマホでショート動画を見ていると、何のために見てるのかわからず、自分の意思で選んでいないことに気づきスマホを閉じた。
なんとなく本棚を眺めていると、落合陽一の『魔法の世紀』という本が目に入り手に取った。コンピュータの歴史的変遷が書かれていた。
そのなかで落合は、まるでコンピュータは意思を持って人間を媒介して増殖することを選びとってるようだと言っていた。そしていつの間にか人間は自分の意思でなくコンピュータの意思の中で生きていくようになる。
すでにショート動画の刺激の連鎖のなかで溺れていた自分を思う。われわれはすでに操られているのだなと。さすらいネキがぷりぷり踊ってる姿が可愛くてしかたがないと。
明日も休もうと思ったが、そうもいかない。
ブドウのゼリーでも食べてやる気をだそう。