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田島さんは、絶対屁なんてこいてないことにする

挨拶もそこそこに、田島さんは屁をこいた。
私とのお見合いがはじまるところだった。

「ぶぴぴすぅっ」

文字に起こしてみると、たしかこんな音だ。
「思わず発射したので慌てて肛門を締めました」っていう。これが田島さんの状態だと思う。

なんてことだろう。
ここは六本木のオシャレなガラス張りのカフェだし。店内には上質なJAZZが流れている。
Even though..ぶぴぴすぅ。アメイジング不協和音。
いくらジャズ奏者が音で遊んでも生まれやしないハーモニー(ヘーモニー)なのだが…

私はいてもたってもいられず、

「わ!わあ!このジャズ、斬新!」

「えっ…」

一旦ジャズに罪を被ってもらうことにした。
すまん、ジャズ。あとで無罪釈放するから。

「だれかを救う、と言うことは、だれかを救わない、ということだ」ーErai Hito,1994

つづく?

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